旅路
ヒヤシンス


空が白く覆われた日には旅の準備をしよう。
そんな日はどんな自分に出逢えるだろう。
あなたはどんな態度で僕を迎えるのだろう。
きっとあなたの言葉を聞く為に僕は旅立つのだ。

窓辺から眺める風景は四季の歩みに刻々と変化してゆく。
机上に広げたままの地図は旅情を誘う真新しい匂いを放っている。
ゴールを見たいという欲望は引き出しの奥深くに沈めて、
今は足元に転がる小石にさえ喜びを見出そう。

冷めた頭から生まれた言葉は心で温めよう。
冷めた心から生まれた感情はあなたにさらけ出そう。
涙を流したいときは我慢をせずに大声で泣いてしまおう。

なぜならそれが旅の目的なのだから。
あなたはすぐに見抜いてしまうだろうけれど、
それでも僕は目を逸らす事無く、あなたの瞳を真直ぐに見つめるだろう。


自由詩 旅路 Copyright ヒヤシンス 2013-08-24 17:03:49
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