深海のように
ふかまるおもいが
しろい糸のように
風にとけあっていく

ゆるせなかった過去や苦しみも
今はただ、  ....
わたしを
かたちづくるもの

なにもないと
思ってしまうぐらい
安定のなかにいて
時折、
影のない ....
うすい板に
はさまれた
弾力なみずは
あらゆる喧騒や献身をすり抜けて
自己だけが知る
ちいさな孔をめがけて滑り込む
みずがみずだけを知る自己へ

みずはむれを好むが
 ....
高揚を求めながら
沈み込んでいるたましいは
かわりながら
かわることの意味をしらない

やさしさがオセロの ....
わたしのなかで
剥がれおちたなにか
そのなかにある
あかいかたまりのなかの
あかいわたし

剥がれ落ちたわた ....
したい何かを数えていくほど
したい何かが見えなくなる

まるで
皮を剥ぐように
剥いで剥い ....
うみのながさを感じていると
わたしがその手につつまれているような
不安定な安堵に満ちてくる

うみのながさを感じていると  ....
窓をのぞくと
泉のそこからあふれでてくるもの
今にもこちら側に流れ込んでくる勢いで
そのみずの勢いの前に
不思議と平然と
佇むわたし  ....
いつからだろう
わたしがわたしに
なれてしまったのは

やわらかなしかくい世界で
まるくなったとしても
とがってみたとしても
しか ....
かける かける
鍵を かける
うみが 飛び出さないように
ひらいための まぶたの先から
うみが 飛び出さないように
 ....
今はもう忘れてしまったけれど
たったひとつ、
おぼえているものがあるとするなら
朝の理科室で
フラスコに入れた無色透明な液体 ....
散在する
おと、おと、おと、おと、
らせんれんさになり
からみついてくる
どんな祈りや鍵さえもねじまげて  ....
とがらせろ
とがらせろ
ながれのすべてを
とがらせろ

握りしめた力が
入水した紙粘土のように  ....
むらさきにしずむみずうみの
せをはしるあめのかげは
せつなのおもいつなぐための
ひびわれのなかにひかる ....
あめがかたにふるのは
このうちのねつをしずめるため
あめがかたにふるのは
このてをもりにかえすため
あめがかたにふるのは
のびたおもい ....
きみに、
いのちを ふきこむために
まっしろな こくうから
かたちあるもの へと
きみのてを ひく
あたたかな うみへと ....
わたしの胸元に
棲みついた龍へ

きみが宿った朝は
ゆるやかな大河のように
ゆったりと開眼した
鏡を覗く視線が
きみの眼のように ....
わたしはことばを剥離する
わたしはわたしを剥離する
バナナの皮を剥くように
するんと裂けて  ....
失いたくないものを
握りしめるのは
罪なのだろうか

ひとつの観念が
わたしを捉える
それを解除しようとする別の思念が
 ....
八方塞がりとは
こんな気持ちをいうのだろうか
こころの深い奥で
前に進もうとしても進めない
強い何かで  ....
ことばにならないものが
渦を巻いている
それはある期待なのか
失望なのか
わからない

明滅する影と光が時間のように  ....
こころのなかに
海が浮かぶ
深く蒼い紺碧の海

ひとつの闇から
光を見出だそうとするとき
かならず海が浮 ....
幾度か巡ってくる夜に
海になりたいと願う
十六夜の月など見たことがないのに
叶わぬ永遠を願っている

いつかはあなたの海になって  ....
それぞれの水脈に
それぞれの過去と未来がある
映し出された水鏡の空は
早朝に夕を映すが
愛憎や悲しみや喜びは薄く ....
透明な紫色の雨の彼方には
どんな力が潜んでいるのか
癒されたいだけのために
手にするのではない ....
何もない深い海に
沈みたいときがある
そんな気持ちが
突然わたしから出入りする
たとえば地下鉄の窓からや  ....
わたしのなか
滑り落ちていく
ふたつの白い月は
鎖のように細く風に凪ぐ
安住の未来へと
繋がっているのか  ....
不完全な詩で溢れた
わたしのベッドで
あなたといくつ夢を見ただろうか
いくつ夢を見ていくのか
不完全なわたしの詩と
小さな ....
深い胸の奥
求めるものは何だろう
ありきたりなことばだけの感情ではなく
細やかだけれど
静かに燃えている
わたしのなかの
赤い熱 ....
眠れない夜に思い出すのは
幼い頃
父や母から聴かされたお話
大人になる度に
お話は大きく ....
あおい満月(409)
タイトル カテゴリ Point 日付
『ふたり』自由詩9*12/4/1 16:46
『かたちづくるもの』自由詩5*12/3/18 18:57
『ながれ』自由詩8*12/3/8 16:52
『無題』自由詩4*12/3/2 23:17
『かわむき』自由詩11*12/3/1 23:52
『知るということ』自由詩4*12/2/29 21:04
『うみのながさ』自由詩7*12/2/26 9:05
『鎮魂』自由詩4*12/2/16 23:05
『やわらかな四角』自由詩9*12/2/14 21:01
『かける』自由詩6*12/2/12 17:14
『枠のなか』自由詩12*12/2/11 21:12
『メトロノーム』自由詩6*12/2/6 20:42
『とがらせろ』自由詩8*12/2/2 21:58
『むらさきにしずむ』自由詩4*12/2/1 20:50
『あめがかたに』自由詩7*12/1/29 21:03
『きみの、』自由詩5*12/1/23 20:53
『赤いいのち』自由詩3*12/1/22 16:38
『時の剥離』自由詩6*12/1/18 22:20
『とらわれ』自由詩4*12/1/17 20:55
『抑制と希求の間』自由詩7*12/1/15 19:25
『古い写真』自由詩7+*12/1/12 20:56
『ひとつの、孤独のために』自由詩9*12/1/11 19:16
『海になる』自由詩11*12/1/10 21:50
『水脈』自由詩2*12/1/9 15:22
『アメジスト・エレスチャル』自由詩1*12/1/9 10:01
『深海』自由詩9*12/1/8 12:01
『未知へ』自由詩1*12/1/7 16:25
『不完全』自由詩4*12/1/6 21:27
『幻』自由詩8+*12/1/5 21:06
『眠れぬ夜の昔話』自由詩5*12/1/4 22:07

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