『海になる』
あおい満月

幾度か巡ってくる夜に
海になりたいと願う
十六夜の月など見たことがないのに
叶わぬ永遠を願っている

いつかはあなたの海になって
その苦しみや悲しみを吸い込んでしまいたい
わたしの終わらぬ
過去と一緒に

ことばとことばの
繋がりだけでは
真実は見えない
夥しい時間の雨を
この手中に集めるから
水鏡に映してほしい

あなたの涙
あなたの微笑み
すべてここに流してほしい
わたしはあなたの海になる
海になる

こころとこころを
今夜重ねて



二〇十一年五月四日(水)


自由詩 『海になる』 Copyright あおい満月 2012-01-10 21:50:33
notebook Home 戻る  過去 未来