夜のうちに
たくさんの夢を乗せた星が
その重さに耐えられなくなり
砕け始める

朝の街で
人も光も入れ替わる前に
葉っぱの先を
濡らして消えた

ギザギザの形が
溜め息みたいで
 ....
桜の花びら瞳に浮かべ
透き通る君の髪の毛が
僕の世界で絡み付いた

触れてみたい
揺れていたい
風のせいにはするもんか

未来と背中に
同じ匂いを漂わせた
春の廊下ですれ違う人
 ....
君が振った手は
大人になったのに
星を掴むには
小さ過ぎるから
僕が見ている光は
動かずに
さよならを言葉にしない
秘密基地みたいだ
人生が二度あれば
いつもとは違う答えを
出せる気がする

力を残しておくのは賢いけれど
僕が倒れても
君を支えたいし

草の中に眠る
戦士の腕は
三日月を抱いて
不安の色を消した ....
雨が降っている間は
動かないでいよう

ズボンの裾を折り返して
恥ずかしい靴下を
誰かが笑ってくれたら

ピンポンみたいな会話で
飲みかけのコーヒーにも
負けない温かさが
胸を通り ....
いま眠ったら
きっと朝になってしまう
まだ何も変わっていないのに

爪が伸びたり
熱が上がったり
体は息を弾ませるけれど
心はどうなんだ

何も見えなくて
疲れたのかな
寄り掛か ....
胸の上に開いた鍵穴を
溶かしても透かしても
きっと涙しか流れない

遠くで咲いている花や
綺麗なものばかり見ていたし
過去の破片で指を切るような
痛みさえ周り道をする

緩いカーブの ....
陽が残る夜は
ただ照らされて
その気になるだけだ

世界と同じように
泣いて笑って
影の形をぼんやりと
なぞる風は
どこから吹くのかな

いつもひとりで
ふたりぶんの
景色を用 ....
赤い空の下で
燃えたのは何だろう

触れたくても
触れられずにいた
夢の腫れ上がったものが
夕陽なんだと思う

心臓が外側に付いたみたいに
坂道ができるわけじゃないし

こんな目 ....
キミと歩いた道
夕日の鏡に映るふたりが
そのまま波を越える時

初めて夏が来たような
錯覚に溺れて

熱くなる身体に
飲み干した炭酸の
泡が星になったから
いつまでも忘れたくはない ....
衣替えの季節になると
高校生の白い背中は
汚れる前の消しゴムみたいで
名前などなくても
世界を変えてしまう走りをする

朝が早いうちに
知っておきたい未来のことを
自転車のカゴに乗せて ....
くちばしを失くした鳥が
空を叩かなくなったから
こんなにも暗い世界なんだ

会いたい人はもういない
欲しいものはきっと売っていない

あの街ではぐれた心と
似たような色の
ミルクティ ....
今まで掴んで来た
大切な人の腕が
光を遮るから
明日は切り落とさなきゃ

さよならが通った道は
もう歩きたくないのに
どうして最後は
花を探してしまうのか

ハサミやノコギリの
 ....
人のいる場所を歩いて来なかった
だから怪我ひとつしないで
守った心が大きく育ち過ぎた

重なることもなく
はみ出していくから
ひっくり返せるはずもなく

わがままなフライパンを
目に ....
外へは行けなかった
気持ちは列になり
この部屋で待ち疲れたよ
洗いざらしのシャツと
過去の自分にアイロンかけても
折り目に負けずに
歩いて来たから
胸が焼けるほど熱く
君を愛した日々も ....
痛みがどんなものだか
分からなくなって
転がっている石を握ってみたよ

それは冷たくて
誰の手にも渡せない
僕の心だった

きっと真空で
生きているつもりだけれど
少しの余白が怖く ....
麦わら帽子を頭に乗せると
水平線から陽が昇る
少しの風など相手にもせずに
そうやって高い場所を探した

空気が薄くなり
どんな言葉も丸くなる
天国の途中で
ビルの屋上に名前を置いたら
 ....
浮かんでは消えていく
あの微笑みが
胸の真ん中を
射抜かないように
ぼやけて残る

マグカップに注いだコーヒーが
光を遮るから
僕等は昼も夜も
同じくらい好きだ

見上げれば夜桜 ....
昨日より
今日食べたいちごは甘い
そうやって僕は春を感じる

砂漠の中で
獣とぶつかって
探り合いながら破れた
ポケットの穴に
吐き出せない種を撒くから
ここには雨が降って欲しい
 ....
風の音が優しくなると
背中を押されたようで
無理しても歩いて来た
消えないで僕の故郷は
壊れたって空に抜ける
思いを巡らす時はまた
聞こえるよ祈りに似た
胸の声が今日は日本に
小さな灯 ....
追い駆けるのをやめた時
形が分からなくなるね

君の背中が
トンネルを抜ける前に
逆光の中で受け取った
さよならは
肌に纏わりついて
もうどんな願いも
叶えずに生きていく

君と ....
眩しくて片目を閉じた
世界は半分になったのに 
見えない方へ
君が行ってしまうなら
僕の心臓を
側に置きたい

風が止んだら
自転車を乗り捨てて
もっと深い場所で
繋がっていたいか ....
古傷を隠した真ん中に
君の指先が届いた日
もう崩れても良いと思った
痛々しく泣いて
少しも動けないはずなのに
君の吐く息で
飛んでいける気がした
恋をすると
皮膚は薄くなり
僕たちの ....
あの頃
出会えた僕等は
一緒に鉛筆みたいに尖って
沢山の言葉を残して来たのに
心を削り過ぎて
もう立てなくなったから
未来に向かって
雨を降らせたい
どんなに濡れても
滲まない文字で ....
沈黙の間を
星が瞬いてゆく
切り裂いた闇に
さよならの文字を浮かべて
明日が来るのを待っていた
このままふたりで
砂時計になれたら
3分だけを永遠に繰り返して
生き続けるのに
やっぱ ....
寒いのに
洋服を脱ぐように
空は雪を降らせた

孤独が燃え続けて
怒りに変わるから
心を冷やした
白い世界を
優しさへと近付けたい

歩く道が
作られても
壊れそうなものほど
 ....
違う角度から見つめていたのに
すぐに重なって割れた
瞳の中に映る君は
天井を知らずに
空へと逃げる
僕は指先に糸を絡めたまま
その羽ばたきを止めてしまうなら
地の果てで良い
鳴き声が聞 ....
胃の中で 
溺れそうな
ブラックコーヒーは
鉄の味がした

ゆっくりと身体を貫く
孤独とはこの位
冷たい雨だから
激しくならないように
静かに
飲み干すんだ

底のない海で
 ....
溜め息が
花びらを散らす
咲き始めたと思った矢先に
壊れていくから 
大事にする時間が足りない

どんな言い訳も
しがみ付いては離れずに
淡いモヤの中で包まれた
あの頃の夢みたいに
 ....
朝から何もしていないけれど
その空白の間を
誰かが駆け抜けて行けば良い
メトロノームが振るように
いつか出会える音の前で
正直になりたい

足を伸ばせば
地面が足りなくなるから
膝を ....
ミナト 螢(983)
タイトル カテゴリ Point 日付
星のなみだ自由詩021/8/28 13:14
淡想自由詩221/8/23 19:47
自由詩521/8/6 21:58
人生が二度あれば自由詩321/8/1 21:07
silence自由詩121/7/31 13:12
自由詩121/7/27 19:40
R自由詩221/7/17 12:38
SEASON自由詩221/7/16 19:25
夏の終わり自由詩021/7/9 20:30
自由詩021/7/4 16:06
自由詩221/6/28 19:08
新世界自由詩321/6/20 11:49
ラストシーン自由詩821/5/30 18:26
フレームアウト自由詩4*21/5/10 17:48
結露自由詩321/4/24 19:58
真空自由詩421/4/11 16:50
ヘヴン自由詩321/3/27 19:33
日々の泡自由詩5*21/3/25 16:43
トレンチコートの詩自由詩321/3/16 20:51
あれから10年自由詩121/3/11 17:20
行方自由詩021/3/5 19:34
陽だまり自由詩2*21/2/27 15:30
パイの実の詩自由詩221/2/19 18:24
君がいない世界自由詩321/2/15 20:34
言葉にならない自由詩221/2/10 16:08
それでも空は自由詩121/2/4 17:14
青い鳥自由詩121/1/30 21:31
壊れた日常自由詩321/1/27 16:37
春の舞自由詩121/1/16 13:52
空にも似た日自由詩221/1/12 19:44

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