行方
ミナト 螢

追い駆けるのをやめた時
形が分からなくなるね

君の背中が
トンネルを抜ける前に
逆光の中で受け取った
さよならは
肌に纏わりついて
もうどんな願いも
叶えずに生きていく

君と過ごした季節を
嫌いになっても
この目を泳ぐ
淡い花びらをレンズにして
世界が見えるなら
瞼の裏側で
笑い合える気がするよ

きっと眩しくて
涙を追い返して来た
光の通る道に
痛みが咲いたら
心を結んで
風に吹かれたい


自由詩 行方 Copyright ミナト 螢 2021-03-05 19:34:35
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