入り口にある絵
 赤いマントの人形
 妻が好む絵
 人形のように
 口の小さい彼女

 琴の音が
 響く部屋に
 エステルのように
 微笑んで
 紅の日傘を

 夫婦並んで
 ....
 一月の火曜の午後の夜八時わが子独り子生まれにけり

 ソプラノの産声なりしその声の耳にしっかり覚えておりき

 生れてより二歳三歳ともなれば家々訪ね共に歩きし
恋の流れ唄

こんな寂びれた
お店で
今夜も歌う
流れ唄
艶歌の歌手よ

昨日も今日も
歌うわ
流れに流れ
ぶきっちょな
バンドにあわせ

キャバレー・ナイト
男の
膝 ....
 
 冬の陽の明るい光に照らされてつまの車は祝されてゆく

 歌をかく手を励まさむと点けし狂詩曲2番とははてなぜ
 
 君が絵が壁にある部屋にいて思いははるか吾らのみらい
 
  夕暮れの喫茶店

夕焼けの陽の
 黄金色
 雲間に沈む
 湖の
 喫茶「シャレー」
 の窓ガラス

 キャンドル・ライトの
 ほのゆらぎ
 秋は去りゆき
  ....
 琴の音が朝空に響けよつまと行く路の木々のこずえにも

 かおを剃り手を洗いたり古の琴の音きくに相応しくして

 琴の音に似つかわしかりき部屋中に香の薫りを焚き染め
一枚の絵

絵の中に数羽の鶏
楽しそうに
餌をついばむ

家の中に主人がいるに違いない
食事時なのか楽しげな
ハーモニカもきこえてこない

家の向こうには
畑が広がっている
 ....
朝空に雲湧き満ちて清々し紅茶をつぎて聖書をよまむ

妻のこと考え々々2杯めの紅茶をすすりまた聖書読む

神の姿聖書の中に見出しては又読み続け今朝も又する
 作庭に影うつりける夜寒かな

 咲かぬとも乙なる桜立ちおれり

 三人して紅葉並木を歩きけり

 赤き葉が夜空にはえて西教寺

  坂本・旧竹林院、西教寺
パラパラと雨の模様なる朝空に妻の車を見おくりにけり

あれこれと言い残しことし終えては己の業の英語学ばん

曲がりゆく車のなかのつま見えて心に涙ふとわきにけり
 立冬の日のちかき昼すぎは朝鮮イチゴというもの食べたし

 体表に微分子集まりつどいきて美学のテーマ創りたりけり

 されど吾かようなものに関心なしただ座りおり深々と椅子
歌と句

みんな歌と句を作る私も沢山青い空低い雲

太陽が斜めから私を直射している

2百10円で2杯の紅茶が飲める懐中4百円

目前の高速を何台も車が広い窓いつもの喫茶

大きい ....
消しゴムで本をたどりていた父の後姿を今思い出す

父もらう月給のみで足らずして電球売りをしていた母を

知人への母の文を手伝いて千円もらい買ったペンは

年寄りて食事を作ることできずいつも ....
二人して酒を酌みかい見合わせて独酌相哀れむという

琴の音の行きかう部屋に酒吟して黒田節吹く尺八の音

今日は雨雨の朝なり一人いて古事書記を読む朝湯上り
 みけ供え香の煙立つ霜月の神のみ前にふと眠りいる

 ふとしては長月・霜月とりちがえ恥にいりては笑いにけり

 琴の曲「螺鈿」ひびける部屋にいて人の空しさ思わざりえず
曇り空しきり車は行き来すもロックの響く喫茶の部屋に

部屋にいて聖書朗読聴きて後十時半にはスーパーを歩く

テーブルにつきて画帳を広げれば給仕きたりて注文を聞く

「地下室の手記」ドストエ ....
気がつきて妻を呼べど姿なく勤めに行きたとうなづきにけり

父も死し母もみまかり今日の日は一人見守るわが行く手かも

立ち上がりス-パーの椅子によりて久方の書を読まむかな
メダカ、メダカ

メダカが卵を産んだ

妻が喜び声を上げる

メダカ、メダカ
小谷城訪問の旅

そよ風の朝の坂本後にして白き雲ある道走りゆく

青い空身を清くしていそしみし神の道にも希望をこめて

かすむ山湖の彼方にひろごりて藍色の水うみを望むよ

青き空そよ風 ....
讃美歌をうたわんとして妻見ればニッコリ笑っていましたっけ 紙のべて妻へメイルをおくらんと心の中をいざ調べみむ

夏は過ぎ涼しき秋に今在りて一人机に向かう楽しさ

花の絵のかかる壁静かにマーラー鳴り響く部屋
あるところを
超えると
火など熱くない
女も男も
そう心得るがよい

ある場所には
ふさわしく
こちらには
ふさわしくない
時と所を心得よ
夕ぐれて

夕暮て青い田んぼに鷺立ちて妻と友達笑っています

夕焼けて黒い雲ある山際の道を走るや吾らが車

三上山いわれある山近江富士ひときわ高きその山の名
さてね
何だっけ
真昼の太陽が
斜めに

今日は水曜日
何だっけ
ちっとも風が吹かない
秋は更けゆく

妻が本を読む
何だっけ
ハハギキホウセイ
よく売れそうな名だ
秋の小憩

寒蝉が一声高く鳴きわたりどくだみ茶喫す秋始まる

秋となり夏の花々勢いを失いてゆく風の吹く昼

天高く白い雲間に光さし妻と二人の語らいをする
 入浴(4)

今日も黙っていたのに
妻は頭と体を洗ってくれた
心の中で歌を歌った
愛の歌を

妻は看護婦をしている
月に40万円以上も儲ける
僕は10万の収入
僕たちはとっても仲 ....
「宗教のための宗教とは」

宗教が人のためになるかならないかについて主に論じてきたが。私自身45年の間宗教者として働いてきてそして33歳の時自分の脳中の幻で、神と自称するものに出会った。彼は神とは ....
 エポケーの歌 (2)

わたしはそれ以来考え続けた
新しい自分になって
何をしたらいいのか
心は清く、さらさらと流れ
どこにも悪いところはない
自分は新しい
自分は新しい
自分は ....
沢山の歌でき上がり永年の努力の跡を今日も楽しむ

絵を描けば並びて座る妻と共モダンな姿ではないかとも

夕となり小松菜油げ炒めて炊きて妻と食べたり日終わる

キリスト教人は再び生き返り新し ....
寝る前の入浴
妻は顔と手と
背中を
すっかり
洗ってこすってくれた

それから
ぐっすり寝て
朝の鏡には
若くなった
自分が

ありがとう妻よ
君のために
こうして詩を ....
生田 稔(533)
タイトル カテゴリ Point 日付
人形の家自由詩410/12/10 8:45
吾が子誕生短歌410/12/8 8:38
恋の流れ唄自由詩3*10/12/7 14:22
光の朝短歌110/11/30 10:16
「夕暮れの喫茶店」自由詩5*10/11/26 8:52
朝琴短歌310/11/26 8:35
一枚の絵自由詩2*10/11/17 9:06
朝空短歌210/11/16 13:00
夜歩俳句110/11/13 21:22
雨ふり短歌210/11/12 8:37
朝鮮イチゴ短歌0*10/11/10 15:14
歌と句自由詩2*10/11/9 12:35
父母短歌110/11/9 9:41
朝湯短歌210/11/8 9:37
「供え歌」短歌010/11/5 12:58
喫茶短歌110/10/28 11:30
姿短歌110/10/26 8:07
自由詩310/10/25 7:40
小谷城訪問の旅短歌1*10/10/12 6:32
讃美歌短歌110/10/9 17:37
夏去りゆけば短歌010/9/30 9:16
自由詩310/9/26 18:26
夕ぐれて短歌210/9/23 19:16
なんにもない自由詩210/9/22 13:39
秋の小憩短歌310/9/19 13:46
入浴(4)自由詩510/9/14 8:24
「宗教のための宗教とは」(5)散文(批評 ...1+10/9/13 10:03
エポケーの歌(2)自由詩3*10/9/2 18:19
一日終わる短歌210/8/24 19:02
入浴(3)自由詩410/8/19 10:03

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