ロビー・クリーガーのようにピーター・ブロデリックのようにギターが弾きたい
 ときには折坂悠太のように吼えたい、三上寛のように私小説でありたい
 ことごとく滅びたはずのぼくを呼ぶ音楽たちをいまも愛 ....
 夢の時間も砂嵐のなかに消えてしまうだろう
 そんなテレビジョンの懐いでのなかで
 光りになれなかったひとたちと
 一緒の場所で出遭ったのは
 真昼の淡い幻想だった
 いまだほんものの喜びが ....
 だれのものでもない両手で
 だれかを傷つける
 呼び鈴がおれの耳に
 爆発している
 やり過ごすことのできない咎に身をふるわせて
 やはりだれも
 おれを諒解しないというところで
 ....
 真夜中じゅうずっと悲しいニュースや情勢に耳をかたむける
 おれの辞書にだれかが書き加えた永遠のせいで、
 眠ることもできないから
 雨が降りやんだ、その沈黙を
 だれかがやぶって ....
今後の予定と方針

   *

 燃えあがる水が黄金色に染まってゆく。おれはおれでないもののために武装してその前線に送り込まれた。さて、今年で40だ。腹を括って生きなきゃならない。女は欲し ....
{引用=リナ・サワヤマのNME最新記事、トーキングヘッズ、ザ・ポップグループを片手に}

 芝の泥濘みにつまづいてふりかえったときには
 きみの寝室から火の手があがっていたんだ
 おれ ....
 シルヴィア・プラスの遺体写真を眺めながら昼餉を片づけていた
 ガス・オーブンに突っ込まれたかの女の上半身、
 死の直前に最高のユーモアを発揮したという、
 モリッシーの言葉を懐いだす
  ....
 少しずつひらかれるまなこを
 ふたたび去つていくものは
 手のひらへ
 あるいは風のなかへ落ち
 現れてくるのは青と黄の格子
 二月のかもめがゆつくりとかすめ
 あらたな軌道 ....
11月2日『産経新聞』夕刊、「第三文明」および「文芸社」の広告より

 つまらない室の
 まつたくつまらない夜
 ふたつの新聞広告を見ていて
 それも ....
 どうもよく
 その景色が
 現れててこない窓
 がある──まるで普通の慣らされた区域
 そのはじめにはいつも
 うそが長椅子を充たして
 大いなる眠り The Big sle ....
 午前0時も半ばを過ぎて ヨット・ハーバーの周りには 黒い潮風と引き揚げられた古ボートが眠っている 白くぼやりと浮かぶのは 疲れ切って萎えた帆

 その白さに小指ほどの言葉を当てはめながら ....
 (見る) だれもかれのなまえを知らないし だれも知ろうとしない 見られ 覘かれ 触られ 汚され 洗浄され 閉じ込められ 少しだけ解き放たれる かれ

 (見ている) 動物園のなかをくまなく  ....
 リチャード氏は
 24時間営業の
 駐車場に
 掘られた
 穴のなかで
 からだを埋められてた
 レスターでのことさ
 その穴は
 忘れられてしまったけれども、
  ....
 夢のなかでだれかを抱きしめていた
 夢から醒めて、じぶんがただのひとりきりだという事実に
 むきだしの欲望が曝かれる、
 作劇の手引き
 光りを失った通りで
 発見された手 ....
          ....  あたらしい夢のなかで眼醒めることができたなら
 もうきみのことを懐いださなくともいられるかも知れない
 でも、ひとのない13番地に立つたびにきみを懐いだす
 いままで読んで来た ....
 ひとたび渇いた魂しいは舌のように膨張し始める
 軍備を払う金が政府にはあるはずだった
 敵は身近な隣人を人質にとった
 でも政府は動こうとしない
 あいつらはおれたちを
 見棄てた ....
   for an album "Radio Bukowski" by Guilherme Lucas


 え?
 なんだって?
 おれは──英語がわからない。 ....
 
 慈悲とつれあって深夜のスーパーを歩いた
 あるいは慈愛とつれだって萩の花をばらまいて歩いた
 おれたちにとっての幸運が猫のしっぽであったような、
 あるいは取り残された者たちの最 ....
 田園のなかでブリッジミュートを鳴らしつづけていた男がうごきをとめ、
 河べに立ちながら永遠ともおもえる時のなかで鳥を眺めている
 かれが悲しみの澱みたいにおれには見える
 それはこの十年ものあ ....
 かつて昭和記念公園でわたしは森忠明と歩いていた
 夏のあじけない夜でしかなかった
 わたしは師匠と話しながら
 東京都市の暑さのなかで
 これからの人生についてみじかい詩句をひねりだ ....
 さみしさがどうにもならないとき、口のなかで爆発する薄荷飴を数えて、
 ひとつの動作から、もうひとつの動作へと移ろう、おれは孤立者
 いままであったことのぜんぶ、経験のぜんぶを蔑すだけで、
 た ....
 捧げられたものと与えるものの区別がつかないままで、
 ぼくは語って、きみは答えた、のはぜんぶがぜんぶ正解じゃないから
 なにものともつかない悪夢を乗せて亡霊がインターステイツを走る
 あかとき ....
 ユウコ、かつてのぼくはきみが好きだった
 ぼくがきみを好きになったのはたぶんきみの気怠さやつらそうなまなざしがぼくの、
 ぼくの琴線に触れてやまなかったからだと有馬高等学校定時制課程 ....
 洗いざらしの衣類のなかで、リーバイ・パタの詩画集をひらく
 女のいない男がしてやれるのはたったそれだけのこと
 コインランドリーが不法占拠されてしまう夢を
 ついさっきまで見ていたんだよ
  ....
 どこか見憶えのあるような、
 なだらかな空気のなか硝酸系の毒物を蒔く
 愉しそうな子供たち、大丈夫もう終わりだから
 地下鉄工事の終わらない夏休み 
 眠れない夜をいくつもいくつも数えた ....
 とにかくぼくがいこうとしてるのはきみのいない場所
 トム・ヴァーレインにあこがれる女の子のいる場所
 リアルさがぼくをすっかり変えてしまった
 現実の鋭利さ、あるいは極度の譫妄、
 ....
 暗がりでくそをして、
 暗がりで手を洗う
 洗面台にも、
 浴槽にも、
 魂しいのおきどころが見当たらない
 たしかなものはタオルだけで
 そのタオルもひどく汚れてるのはいったい ....
   *

 三沢では雨すらも言語になる 帰途を失ったひとがレンタルビデオの駐車場に立つ 傘がない秋口にはからっぽのボトルがよく似合う したたかに酔い、そして瞑目するあいだ、すべての鳥が、カチ ....
 もしも死者が定型ならば、
 生者は不定形ということなのか
 水に浸かった流木が沖に着くとき
 ぼくのなかに存った永遠という辞がすべて、
 駅という一語に置き換えられるのはいったいなぜ ....
中田満帆(41)
タイトル カテゴリ Point 日付
音楽をください自由詩124/3/27 16:31
光りになれない。自由詩524/3/20 13:02
surely自由詩4*24/3/18 13:33
金魚自由詩424/3/16 11:09
put on airs in isolation散文(批評 ...024/3/14 18:09
Psyco killer自由詩224/3/12 12:49
週明け自由詩224/3/11 12:18
ふたたび去つていくものは(2007)自由詩324/3/7 13:17
広告(2009)自由詩124/3/5 14:52
脅迫者(2009)自由詩024/2/29 12:30
海(2006)自由詩424/2/28 14:02
動物園(2006)自由詩224/2/25 14:41
リチャード氏の埋葬に関する余興(2013)自由詩224/2/19 9:53
抱擁自由詩324/2/17 14:34
わが性典自由詩424/2/16 14:23
なまえ (overwriting)自由詩4*24/2/14 19:32
レミング自由詩124/2/8 13:21
ブコウスキーの朗読自由詩423/11/7 10:30
黒犬の眼球自由詩823/10/24 13:03
feelin' bad blues自由詩423/9/22 13:11
夏のよるべ自由詩523/9/20 14:26
ムンクの星月夜自由詩623/9/18 17:37
ぼくらが幽霊になるまで自由詩5*23/9/13 21:03
枳の花──ユウコのために自由詩423/8/31 0:00
友だち自由詩723/8/10 21:18
おれが愛に気づいたとき、その愛がおれに語ったこと自由詩5*23/7/16 18:32
裸足になりきれなかった恋歌自由詩423/6/29 2:30
暗がりで手を洗う自由詩522/4/26 22:34
帰途自由詩422/3/15 19:40
the beach boys strikes again自由詩822/1/31 19:40

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