玉葱を
両手の平に包み込む

しばらくして
光が洩れ
一瞬煙が立つ

永い時間が経ったのだ

うたた寝でそんな夢を見た

そんな風にして待っていればいいのかな
と思った
鳥の形の窓の向こうに
冷たい雨を含んだ雲が
垂れ籠める空

とおくに
黒点のように
鳥が数羽舞っている

ねじが壊れたオルゴールの
メロディーを忘れた曲が鳴っている
顔がない写真の ....
孤独になりたいという
私の第六の人格

バーコードと
樹木と
宇宙を映し出す目



泣き出しそうな
青灰色の空に
不在の鳥の
鳴き声の残響

黒いセロファン
カミソリ ....
ブロンの空き瓶が
転がっている
日が傾きはじめている
サイレンが鳴っている
エフェドリン
西日の向こうの森が霞む
神 神 神
神はいると思う
この広い世界

高速道路の神殿の柱の裏側は冷たく青ざめている

柱と柱に切り取られた

古代ローマの郊外の風景

鳥がやって来る

木々は赤い実をつけて鳥を待ち受ける

谷底の ....
ホームセンターの背後には

深い森が広がっている



広大なパーキングの隅にある

灯油販売所に蛍光灯が点る

私は

200km向こうの実家を思い出す
暗い森が

はるか高みにある光に向かって

触手を伸ばしていた

不可解だ

生命とはなんだろう

雲は渦を巻き

その向こうで太陽は

自らを燃やし尽くしながら

圧 ....
月は
クレーターの刺青から
見えない血をにじませている
朽ちた古代都市のようだ
とても静かだが
魂がざわめいているのか
存在を感じる
あるいは
夜の空に穿たれた眼球
うらがえる狂った ....
台風の後

荒れた神社で

社の赤い扉に

血管がくっきりと浮き出し脈打っている

光と影のモザイクの底から

顕れる巨大な神の相貌

影の溜まりの中から欲望に満ちた目が光る
 ....
ふりむいた

満月が煌々と輝いていた

ほつれた髪が頬にかかる

月はあまりにも正確な円型だった

知らずに涙が流れた

影が含み笑いをしていた
洗い物をしていると

流しの窓を雨が叩いた

蛇口から流れる水

あなたへの想い

床に水たまりをつくる
雨音が

わたしの想いを

紫に染めた

だから

許される気がした
もともと
昏睡状態にあることに
無自覚なだけだったのかもしれない

スクリーンを流れていく
大きなもの

あれが大地だろうか
空中ブランコに
さかさまにぶらさがって
考えている
現実の錘がついた言葉を手に入れると
笑顔の中に空虚が生まれる
意味という無意味
無意味という充実
立錐の余地は無い
猫の額ほどの地面ならばいらない
それはあっても悲しいだけなのだ
ねえ
世の中のくだらないことごとに
ひれふすことはないよ

何故みんなが笑っているかわからないのに
わかると思いこまなくていいよ

秘密の石の人形を恥じることはない
たとえそれがどんな ....
こぶしを握りしめている

曇天の下

行くあてのない

迷彩柄のズボン





自動販売機と線路

かすかに歪んだ道

降りてくる

ゆううつな気分 ....
いつまでも迷っているのは

今にも耳もとで

判断を下す声を

待っているからだろうか



いつまでたっても

聞こえない声

求めても決して

訪れない ....
(昨夜は眠れなかったの)

このサバイバル・ワールドに
ルールは無い

傷つく
無防備な心こそが罪であるのだ
心を守らないことが
怠惰なのだ

(好きにすればいい

私もう知ら ....
いつまで揺れているんだろう
このブランコ

いっそのこと
鎖が切れればいい

墜ちて
地面にめり込んで
やっと息が止まる
あわいピンク色や水色のブランコ
断ち切れた鎖がからみつく
 ....
Nirvanaは
どこにある
Nirvana
それは何
無って
どういうことだろう

猟銃で
自分の頭を吹き飛ばした
Kurt Cobain
彼の歌声が好きだ
迷い子のような
 ....
マクドナルドで
ジム・モリソンが
お前は何を信じてる?
と言った

神か?
魂か?
宇宙か?
自分か?
富か?
名声か?

俺は何も信じてはいなかった
いや
ただひとつ信じ ....
どこにある
リアル

北朝鮮で
執行される
公開処刑

光の中
子供の
無邪気な
笑顔

倒産や自殺

猫が伸びをする

ファンタジーとリアルの
モザイク

深々 ....
ジム・モリソンは
私の
ネガティブなスター
ドラッグで死んだから
昏い目をしていたから

死は怖い
私は臆病者だから

せいぜい
アルコールの海で
泳ぐくらい
死なないように
 ....
お互いの
眼球に映る
自分の姿に
ほほえむ
くちびるをゆがめ

ほんとうは
私はあなたではないから
あなたは私ではないから
憎んでいるの
時々つねりたくなるのは
そのせい

 ....

だなんて
まやかし
手垢にまみれた言葉を
思い浮かべながら
使い古された言葉の
無意味さを
苛立ちながら
(煙草が苦い)


ガラスに雨跡
曇り空
下方に
錆びた青の ....
川はざわめく
サイダーの泡のように
流れとよどみ

くるぶしまでつかって
やってくる
男の影

不協和音が
ざわめかす
アンビバレンス

どこかで
いつも見る
あの男

 ....
ものごとに集中できないのは
この世の外の亡霊が
ドアを叩いているからなのか

背を向けたドアを
激しく
静かに
叩く
海鳴りのように

そんな亡霊は本当はいない

それは私の欲 ....
鳥影は
かなしくさせる

水辺で
鳥影を目で追う

目の動きだけがあり
もう鳥影をみていない

その向こうの
そのまた向こう
考えのたどりつけない
向こうを

見たいと願う ....
夕ぐれの
青とすみれ色が
熔けて混ざり合う
冷たい熱

夕ぐれが沸騰しているのだ

夕ぐれは
物体だったのか?

突然
ここがどこなのか
わからなくなった
ライトアップされた満開の夜桜は
どこか
厚く化粧をした
美しい女を思わせ
その穢れた美しさが
夜の闇をいっそう暗いと想わせる

赤いぼんぼりが
点々とぶら下がっている
風に揺れ
大 ....
ty(36)
タイトル カテゴリ Point 日付
待つ方法自由詩3+12/3/26 1:52
landscape_01自由詩612/3/25 5:01
【詩_20120320】自由詩212/3/25 4:58
断片「祈り」01自由詩010/3/1 2:07
ロードムービー02自由詩009/12/11 1:07
灯油販売所自由詩0+09/11/12 1:01
ロードムービー01自由詩009/11/12 0:32
【断片】月01自由詩209/10/15 0:29
台風の後自由詩1+09/10/8 23:51
自由詩109/9/18 0:31
自由詩109/9/18 0:22
無題自由詩009/9/18 0:21
青空自由詩208/10/6 23:16
言葉の悲しみ自由詩008/10/6 23:06
夢の中で語りかける自由詩108/10/6 22:50
レジスタンス自由詩008/6/9 1:23
存在しない声自由詩007/12/22 19:15
no rules自由詩006/12/3 12:13
ブランコ自由詩1+06/11/10 1:33
Nirvana未詩・独白1*05/3/30 1:28
ジム・モリソンとマクドナルドで自由詩4*05/3/26 12:20
リアル ワールド自由詩205/3/23 1:51
ジム・モリソン未詩・独白4*05/3/12 13:43
愛について2未詩・独白005/3/10 23:18
愛について1未詩・独白005/3/10 22:54
RIVER MAN(Played by Mehldau)未詩・独白305/3/4 17:17
untitled未詩・独白105/2/24 19:45
鳥影自由詩1*05/2/11 0:58
熔ける夕ぐれ自由詩005/2/9 2:31
春(その5)自由詩105/1/30 0:43

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