春(その5)
ty

ライトアップされた満開の夜桜は
どこか
厚く化粧をした
美しい女を思わせ
その穢れた美しさが
夜の闇をいっそう暗いと想わせる

赤いぼんぼりが
点々とぶら下がっている
風に揺れ
大きくなったり小さくなったりにじんだりする
赤い光

人は邪悪な動物だと
ヒステリックに
そう想う
春の夜


自由詩 春(その5) Copyright ty 2005-01-30 00:43:14
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