春は

ただよう白いもやの中に
黄色の細胞が増え続け
形を変えて
流れ続け

桜はぼうぼうと
かたち無く
浮かび上がり

若草がやわらかく
たなびき
獣のように
ゆっくりと ....
こんなことがあった

母親が
桜型に切り抜いた紙で
破れを塞いだ障子に
西日が差し込んで
燃え上がるように
輝きわたった

またこんなことがあった

暗い土間から
正午の光に
 ....
考えがカタチを成さない



この世界には

美しいものが

なにも無い



朝の光に白く光る道の

その先がどこへいくのか

それもなんだか

もうどうでもいい ....
テーブルについて
紅茶を飲んでいる
ふとこんなことを想う

夜明け前の岩場を
やみくもに進む亡者
はるかな地平線に
やがて オレンジ色の陽が昇る
亡者はときおり立ち止まり
陽をみつめ ....
夕暮れ
街音が
ゴォー

下から吹き上がる

丘の上の
寺の境内
結界
そこにひとり

一瞬の事だった
耳鳴りのように

夕日が割れて
輝かしい光があふれ
われるよう ....
鳥獣店の前を通った
すきとおる鳥の声が
鋭い刃のように空をゆく
黒いアスファルトに金の粉が撒かれた
夕暮れ

私は子供に戻っていた
道の小石を蹴飛ばした
顔を上げると
夕日の逆光の中 ....
ty(36)
タイトル カテゴリ Point 日付
春(その4)自由詩005/1/30 0:42
春(その3)自由詩005/1/30 0:41
風邪気味の日は自由詩2*05/1/22 23:47
無題自由詩205/1/22 23:33
啓示ーひとり自由詩104/11/14 19:14
デジャヴ自由詩204/11/14 18:51

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