【断片】月01
ty

月は
クレーターの刺青から
見えない血をにじませている
朽ちた古代都市のようだ
とても静かだが
魂がざわめいているのか
存在を感じる
あるいは
夜の空に穿たれた眼球
うらがえる狂った白目
だがそれは狂気も正気も超えた場所からの
悪意のない哄笑なのである


自由詩 【断片】月01 Copyright ty 2009-10-15 00:29:47
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