みどりいろした
星をなぞる指先が
燃える
やわらかい
歯をたてては
めいめいにいのって
....
一直線に伸びた微粒子の放出
光りは彼方へと繋がり
藍色の権力は力強さと共に形を残す
過ぎ去 ....
会社で、総合職の若い人たちが、
僕なんかもちろんはるか後ろに置いて、
出世してゆく
それはそれ ....
影かすめ
ふり返り だれも
――夏よ
荒ぶる生の飽食に晒された｛ルビ石女＝うま ....
真夏の太陽が
目に厳しい午後
思い立って
アスファルトの上を
走ってみる
全力で
走って ....
空の城址、たてがらの
緑照り映え、草いきれ
この八月の末に吸い込めば
穢土の悪臭、一度ならず二 ....
生きる
生ききる
息切れる
それでも生きる理由は何故
未来があるなんて信じてないよ
....
彼方から雨が降ってくる。その雨たちを束ねて
鋏で切って海を千切りたい。鎖につながれたこ
の心は固 ....
誰かが私の涙を見て笑っている。
それは優しさではなく、あたた
たかなオブラートで包んだ刃だ。
....
見えないナイフを抱えて走る。
私は胸のなかに盲目のナイフ
を抱えている。何も見えない
くせにた ....
なげおとしたくらやみの中で
砂の声から俯いている
よーやく手放したのに
どーして鳥のバカンス
....
気を失いそうなほど
嫌悪感に苛まれようと
生きていかなくてはならない
今日で休みが終わる
....
近頃ワイフがテレビの天気予報を見ながら
ファッションの話をするようになった
今日の天気予報士のフ ....
独身最後の八月のその終わりに
痛みに耐えかねてわたしは
あなたの部屋の
あなたの冷蔵庫を開ける ....
偽善で覆いつくされたこの世界はいつも
優しい言葉を待っているのか待っていないのか
閑寂の中に一抹 ....
空砲を撃つの
ほわんとしたそれの白い煙
空砲を撃つの
幻の兵士たちが見えない弾を詰める
....
心象風景の中揺れている黄色い花
花の形は竜胆に似ているウコンの花
本来ウコンの花は、黄色でないこ ....
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