たてがら城址
ひだかたけし

空の城址、たてがらの
緑照り映え、草いきれ
この八月の末に吸い込めば
穢土の悪臭、一度ならず二度、三度
襲い来るのは必定にしても
透明な緑の叡智の詩想の許に
たてがらの空の城を現にせんと
強く感じ意志すれば
いずれは新たな肉を得る

今の今はひたすら耐え
半円を描きつつ生き抜いて


自由詩 たてがら城址 Copyright ひだかたけし 2017-08-30 14:40:19
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