空砲
水菜
空砲を撃つの
ほわんとしたそれの白い煙
空砲を撃つの
幻の兵士たちが見えない弾を詰める
あたることのない空砲
わたし 風に浮き上がるの
秋風の夕日色を筆で塗りたくったような均一な空の色
温かなはずなのに均一で奥行きのないへたくそな筆運びのような茜の空に
草のススキ ススキの花 白い穂が風に揺れる 少しだけ隆起した小高い丘
わたし浮き上がるの
風の空砲
揺れるススキの穂 風に
匂いに
自由詩
空砲
Copyright
水菜
2017-08-30 00:41:58