かつての細胞が 未だ僕の中に生き残っているとして
記憶を二度三度、ノック ノック 「聞こえますか? ....
見えている未来に うんざりし
見えない未来に 不安を覚える
どちらも本当ではないの ....
疎開のために
中のものはすべて持ち去られた
その物置小屋には窓がない
暗がりの中は
板の間か ....
夜は蒸し暑い。
室外機が鳴る街路。
黒いゴキブリが棲家を探していた。
通り過ぎる私 ....
毎年、元日の午後七時になると、その男は現れる。
女が、ステージでうつ伏せになるのを見計らって ....
僻み根性のかけらも持っていない人の
笑顔はほんとに美しい
心まで透き通ってみえるよう
周りの人 ....
まるで
三十分で
いっきに大人になったみたいだったよ
疑問符そのもののような顔をした檸檬
....
コールタールの
夕ぐれは さびしい匂い
潮風のながれを瞳にうつしながら
....
いつだったか
お父さんと歩いた砂漠の谷は
どれくらい深くて、どれくらい広かったか
お父さん ....
5 すべてが見えなかった
ここで、問題の「パート三」末尾を見ますと:
「馬車のラツパ ....
『ミーハー宣言』
最近いろいろあるな
我ながら思っていた
坂本龍一氏までガンなんて
意気 ....
首を絞めながら思い出すのは
やわらかな日差しのもと
いっしょに丸くなって昼寝をしたこと
き ....
4 ぎらっと光ったくらいだ
7月8日午前9時すぎ、私は田沢湖線小岩井駅に降り立ちました。
....
下着泥棒の人は
下着の所有者を選ばない
とんでもないブスが
穿いていたって
別に構わない
....
シタタタタン、シタタタタン
気が付いたら降っていた
白い雨の中に進み
差しかけた傘 ....
窓越しに、ぼやけた信号が青に、赤に。
車椅子の通る二本線を追って使われなく
なったトンネルへ ....
きれいなものが結構見つかる
たとえば、スマホを引っ掻いてるお姉さんの青い爪
赤ん坊の透明な耳たぶ ....
白い彼女は夜に来て
暗い独りを照らす
私たちをしっかり見て
白い彼女は朝には消え
....
金色のひかりが
静けさの青を深くする
ねむっている
あなたのまつげに
いとおしい夢の ....
特撮映画の基地みたいな音がした
僕は静かを見つめて身構えていた
やがて小さな地滑りみたい ....
酔っぱらったならば 吐ける本音と
酔い潰れたって 守る 秘密
秘密を ヒミツじゃ なくする ....
タクが失踪した
親にも知らせず彼女ものこしたまま行方不明
刑務所から出て保護監察下ながらM工 ....
オマエが銃を取り
生者にその銃口を向けるなら
オレは花を摘み
生者にも死者にも手向けよう
....
お前が殺ったんだろう!
ち、違う、俺じゃない!
お前が殺虫剤を持って
呆然としているところを
....
窓に背をむけて
なにかを書きとめていた
あなたに小さく呼びかけた
微か ....
やんごとなき添い寝に ミシンは要らない
クレヲパトラブームに乗っかって ミシン目ギリギリ
ス ....
見栄えが悪いから、と
売店は滝から離れたところへ移転したらしい
水滴は一滴でも目に見えて
だけ ....
頬にできた腫れ物を
結んでいったら門になった
誰も通らないので
....
空が
ひとつの滴に落ちてきて
片目の上から動かないまま
やがて 消え去った
....
もういいや すっきりしたから また今度
嘘つきは 針を千本 飲ませるぞ
本当は そんな勇気も 無いけれど
からっぽで からっぽで
どうにもならずにからっぽで
結局何処にもいけないままで
からっぽで か ....
公園に立つ街灯は まるで誘蛾灯みたい
小さな羽虫がぐるぐると たくさんたくさん集まって
そこは暖 ....
あなたは水の流れに逆らわず
最も清い水がどこに流れているかを素早く見抜いた
光と光を ....
あの娘が笑っている時に 側にいれたら良いのにな
あの娘が悩んでいる時に 助けてやれたら良いのにな
....
目が覚めたら 空から落ちる
夢の中で種を蒔け
目が覚めると 空を飛ぶ
夢の中で種を蒔け
....
長い黒、スペースシップでこんにちは
あるいは、こんばんは
ときに、おひさしぶりね
....
ありがとうが言えた日
ほっとして少し
目の奥が熱くなった
出会った頃を二人
思い出して語 ....
死にたいと願うあなたに核兵器託して送る北京・上海
国内の不満分子を焚き付けて暴動煽る戦略外交
神様の脛を蹴りに行こう
僕は君を殴らない
蹴らないし引っ張らない
突かないし刺さないし ....
熊楠忌裸で覗く顕微鏡
てんぎゃんが探る宇宙や顕微鏡
てんぎゃんの探究心や宇宙蟻
面食いの部屋に首のない地蔵
人の住めない土地に季節流れている
くすねた金で刷った詩集に寝床圧迫されている
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