キョウのカブカは
うさぎの何倍かわいいのか
りんごの何倍まっ赤なのか
時間の何倍わがままな ....
巨大な円板が大地を切断する
半円を描いて回転し
二つ三つ 軸を直角に交差して
回り続ける真鍮色 ....
ゆるやかに染みていく毒
優しく冷える身体
吐き出した煙は夢のようで
抱かれた肩越しの嘘には
....
首の赤い羊
足を投げ出して動かないそれから
時計回りに楽園が広がる
歌はいかが、
黄色い ....
プチッ
プチッ
また常識や当たり前なことが切れていく
プチッ
プチッ
切れてもキレても ....
明るい時刻に帰れることもあるから
一人暮しは悪くない
許されて 晴れて許された僕は
席を立とう ....
あなたが煙草を吸いたくなる時のきもち
少し分かった気がするよ。
名前のあるものを信じない
だからまず、二人
名前を捨てた
形のあるものを信じない
美し ....
「ねえちゃんええけつしとんなぁ」
細胞が分裂する。分裂マシーン。
ただ人が歩いて固めて開 ....
背なか 背なか
もたれかかった珪藻土の壁には
真昼の温みが宿り
後ろから
春の衣をふ ....
カーテンが窮屈そうに夜を待っています
奥で鳴り響くような声で飛行機が
空をつたって午後へ
....
ポロリと涙が一滴、
黄色いレモンの上、
滴る果汁は酸っぱくて、
まるで今のわたしの心 ....
斜めの道を歩きつづけて
直ぐの道に出たときの
めまいにも似た左の震え
つまびく ....
君はもう見えなくなってしまった
昨日までいつでも手の届く距離にいたのに
なんでかな
....
風が吹いていた
風のように母は声になった
声のように鳥は空を飛んで
鳥のように私は空腹 ....
ねえさみしいの
今すぐにこのさみしさをなんとかしてほしいの
あなただけがあたしのさみしさを取り除 ....
少しだけ、正直になろう。
考えたくないことが、いくつもある。
ひとつは、戦争のことだ。
....
「俺のハートは
ダイオキシンを発生させないくらい高温で
キミへの想いで熱く燃えてるぜ ベイベー ....
半年ほど 前に
俺のことを むかつくと 言い放った
テニス部の先輩が
今日
リクルー ....
僕は愚かなので、ただ生きているだけで影を落とす。
落ちている影を拾おうとして、あすふぁるとをガリ ....
仄白い朝の駅への道で
誰かの心のかけらを
見つけました
それは「忙しい、忙しい」って言って ....
破壊が興れば
花咲く一面
塵塵に巻かれて
齢千年を重ねて忘却し
乖離は墓守に任命された
....
こころを鎮めて
水面を見つめる
郊外の空気は澄んでいて
水面には青空が映っている
....
気付かれようと
必死になる
報われない
あんたなんか、
とおりすぎる
気付かれない ....
バレンタインなんて関係ないねと
モテない奴らがひがんでる
そして俺もその一人で
この時期だけチ ....
雲の隙間 渡り鳥の影
兄弟は膝で立って見つめる
煤けた駅に着く度
ひとつひとつ歳をとっていく
....
だらしなく下げた拳を
もう一度だけ
もう最後です
だから強く握りしめて
気が抜けて曲がっ ....
目を閉じて思い浮べる風景は 夏の川辺と冬の吹雪と
“回転木馬は月夜が本番ですよ”
目の前をスキップしながら語る死神の後を
私は諦め半分で歩いていま ....
凍てつく冬の朝
窓からはオレンジ色の
射すように強烈な一筋の陽射し
夜明けをむかえ
また ....
時刻は深夜1:46
なぜか一度絶交した子に
“しにたい”などとメールを打ち
マーカーの味がする ....
親友のアパートに放火したい
大っ嫌いなあの男に
薔薇を100本送りつけてやりたい
ああ ....
王の背に加湿器らしき立方体
日没を焼き付けて鮭の腹を裂く
これがメッセージ草原にひとつス ....
縫うように眺めるなんてよくいったもの
瞳をふちどるまつ毛は―針みたいに―貧弱そのもの
けれど私は ....
本当は後を追いたかった
目を瞑れど耳を塞げど
最後の姿が私を責める
もう帰ってきはしないと ....
<Blanc pur>
窓から光が射し込む
新品のランドセルが掛けてある
白いカベの部屋
....
1
・
閉ざされた
扉の中にふたりきり
彼女もしらない
わたしだけのきみ
....
ものがたりは
いつも架空で
むなしい
本当ではないことに
託した
本当 ....
私は常に仮面を被って生きている。
えへらえへらと笑うことで傷付くことから逃げている。
弱 ....
孤独を噛み締めながら寝るのやめようヨ
微笑を返すことだけで精一杯
傍に居ると単なる普通の子になっ ....
憐れみは 家族のだけで 満腹です
冬の曇り空の隙間
陽射しが差し込んだ先を
追いかけて走ったけれど
たどり着く頃にはいつも
....
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