火の手
竜一郎

破壊が興れば
花咲く一面
塵塵に巻かれて
齢千年を重ねて忘却し
乖離は墓守に任命された

不明をごろごろ転がす仔
目的は忘れ物入れに隠れた
大人はからからの蒲団で
軋む喜びに船出した

足りてないのは君の静
飽いているのは僕の動
摘む穂の叫びを愛しんで
刈る定めとは誰がした?

鬼が毎晩嘆いている
あの丘では集会がある
「最近めっきり要請がない」
「代わりを人間が果たすんだもの」
「脅かすだけじゃ足りなくて」
「「殺したり!」」
キャッ、と叫んで鬼は逃げ出す
ピストル持って笑い、男
銃口は己が耳朶の上
  Pam! Pam! Pam!
紅蓮の炎は散ってくれ
人を悼むように 軽やかに


自由詩 火の手 Copyright 竜一郎 2006-02-14 16:21:12
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