主人のために
軽快な羽音を立てて
働き続けてくれた
小回りが効くからと
八の字にぐるぐる回っ ....
なまこだって恋をするんだろう
からだをくねらせて寄り添ったりするんだろう
どちらがおしりでど ....
明日の人が
明日の話をしに
今日にやってきた
昨日もやってきたというが
僕は覚 ....
具体的で
リアルに
曖昧 ....
少しだけ陽がさしこむ
ほの暗い部屋
とても不思議な物語の本が
いっぱいに並んだ本棚に囲まれて
....
この都市の、上空100m
本当の本当に 都市のど真ん中にて
風に乗って舞い上がり
そこに留 ....
せっかく育った野菜たちが
不機嫌な嵐に踏みつけられた
土砂にまみれたレタスたち
店先まで行ける ....
大切なガラスの箱の中には
「無いこと」が入っていて
もう二度と開けることはできません
たく ....
不意に 認識が
足元から立ち上がって
見上げるばかりに
大きくなる
視界が 闇の中に 崩 ....
紫煙吐く 色なき風を染めんとし
栗剥くやただひたすらに我のため
触れずとも胸を開きて ....
完璧だった。
十月は週五日毎日通勤した。
無遅刻無欠席。
毎 ....
このコの眼には
どう
うつるか知らないけど
ひと
皮膚のすぐ下は清冽
流れゆく血が私を
結びつけているのだ
家と人と肉と そして
全ての生 ....
「一人千円」という設定で、さらっと1時間ほど皆で酒を飲んで、店の外に出ると満月が上空に眩しく、笑みを ....
紅葉にはきもちを高揚させる効用があります
とくに広葉の黄葉がうつくしく光躍します
....
1998年5月8日午前3時29分45秒に到る少し前、
S・・・は、冷蔵庫から卵を取り出して、それを ....
雨を抱えた朝の傷
ただ静かに銀になる
ただ静かに鳴り響く
縦の傷をよ ....
もうずっと長い間
止まったままの時計に向かって
話しかけてきたような気がする
まぶし ....
廃墟に紅葉が溜まっている、捨てられてもう何年がたつのだろう。窓も壁も風雨にさらされて、朽ち果てている ....
坂につないだ 果実の皮
無垢はついばまれ焼ける
霧の音が円の角に触れる
クロスされ ....
泣いて、泣いて泣いた後に、
おもいきり、鼻をかんだら脳みその端が出て来た。
少しずつ引っ ....
雪の舞う季節に
天使が舞い降り
世界を白くする
すべてを白銀の世界に
僕 ....
始発の電車に乗り車窓を眺める
濃い青の空が
だんだんと赤みが ....
誰かが泣いていた
その傍らでは喜びがある
二つの間には 透明な壁が聳え立つ
....
古い橋は渡らない
細い縦糸
ほつれた
少女の白いカーディガン
茶褐色の肌
それは鳥取砂丘
....
ちょうちょがひらり
とまったはながひくり
ひくりでまたひらり
たいようのひかり
さんさん ....
ねこです
名前はない
あのなあ
今回は人間さまに一言言いたくて
いっしょうけんめーコトバを勉 ....
ほわん
一人でいた寂しさが腕枕の中で、花になる
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