私の身体はやわらかい、
私の身体に剛い毛は生えない、
私の頬は滑らかで、
私の胸は満月の ....
体を抱きしめる
一つ残らず 手も足も首もお尻も
骨折するほど 窒息するほど
ずっとずっとず ....
夜の明かりに憧れたわけじゃない
その冷たい横顔に
抱かれたかっただけ
....
フゥー…ンと
電気で動く電車は走る
「兄弟仁義」を歌う
酔っぱらいのオジさん乗せて ....
シトロン旨酒御身に沈み
こせごとままごと背になぞり
鮮やかに俺の野蛮人は水魚の雫声と夕日 ....
お母さんボクは東大にいきます
やりたいことがあるとか、ないとか
これからは好きなことを仕事にする ....
影と壁と風の生きものを
藪のなかから鳥が見ていた
朝にだけ現れる生きものの
羽音のよう ....
誰もいない日
誰もいない目
側溝の枝を鳴らし
むこうがわから来た風が
むこう ....
そういえば、こないだ初めてブルーノート東京に行ってきた。
僕は24歳のフリーターだから、あんなとこ ....
どんなに悲しく思っても
どんなに愛しく思っても
あのひとの歩き方も、もう
思い出せない
思い ....
駄菓子をおなかいっぱい食べる気持ちと
知らない男の人と裸で抱き合う気持ちは
同じではないのか。
車の外に投げ出していた右手をステアリングに戻し
静かに流していたFMを切る
風に潮がまざってきた ....
かさをさしながら自転車をこぎだそうとしている男の
ぎこちないひだりてと
ジーンズのひざのうしろあ ....
鳩が いっせいに 飛びたって
まっさらな 秋が やってきた
マロングラッセの ....
雨の日には
誰かの心がおわる
かつて夏の日に
鳥がいなくなってしまった
....
霧雨が止んだ午後
兄さんが里山へ
野いちごを摘みに行こうと言った
空にはかすかな光り
....
夏至祭の夜はちょっと冗談じゃすまされない
めくるめくまばゆい星空で
あちらこちらで星タバコの ....
火曜日には
お気に入りのアクアバイクに跨がって
積めるだけ積んだジャスミンの花束を届けに
....
あわくふくよかな海洋特急列車
が ぼくらを南へはこぶ
間断なく規則正しいマリンバのエンジン音 ....
そのタバコ、やめてくれないか?
思い出しちまうんだ
あいつが、死ぬ前にはじめてやった悪い ....
まつぼくっりにて、サッカーをたしなむ。
ラトビア人のロテから絶妙なクロスがあがる。
我、 ....
どうすればいいか
と思ったとき
できることは
考えることではなく
ぎゅっと抱きしめること
....
「一生のお願いです。
今日だけ私を癒してください。」
12月のある寒い夜のこと ....
二人
向かい合って
ボクが
キミの頬に触れた
キミは微笑んでいた
そん ....
美しい塊
食べ頃の死体
釣り上げた鯔を
蹴っ飛ばす
林の中の遺跡は
死体で埋まっている ....
こんな時代だから
タマゴを食べるしか
能がない
産みたてのタマゴ
ワンパック120円
....
安寧のごとき孤愁をわれは恋ひ 棕櫚の葉擦れに耳傾けぬ
うからとも会へず やからとも遭へず居て ....
ご亭主、これ、おもしろいね
面白い味だしているねえ
失礼な表現とも気づかずに
平らげてしま ....
今晩は
充満していくケムリに
退治されてしまおうか否か、
迷っているところです。
景色が ....
このときの
おじいさんのきもちを
かんがえてかきなさい
お前解っとるか
下手すると補償問 ....
あなたは私なんかじゃない
私はあなたなんかじゃない
血は絆ではなく
命でもなく
しが ....
びっくりするほどの
この
てんじょうのたかさ
もう少しやっていける
破壊された石仏は遠くすりきれ、たくさんのにんげんたちのふみつけた顔の裂目から、何をみる ぼくは何を ....
僕は右利きだから、きっと、左手を怪我したのなら「よかった、利き手じゃなくて」って言うだろうと思う。
....
{dl}
{dt}片野晃司 [23:21:54]{dd}凪いだ8月/霜天
{dt}結彩 [23: ....
昼ごはんのあと
かたづけがひとまず済んだ
うす明かるい台所。
水切りかごの中には茶碗や箸や
....
あなたののどからすくう
しぬほど、をていねいに並べて
かみ砕いていくたんびに
せかいに
しぬ ....
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