nameless nowhere
itukamitaniji

nameless nowhere

最果ての駅で 見上げた星空
東へ向かって走る 列車が巻き上げる風
身に染みる寒さに 震えて吐き出す白い息は
空に届かずに すぐに消えた

やり直せない今日 やり残しがあったことも
世界はすぐに消した まるで嘘みたいに

強くて優しい君の その心の隙間をこじ開けて
狂った奴らが 絶望の種を植え付けようとする


最果てを目指し 暗い海を進む古い船
君をあざ笑うように 光を放ち飛び去った飛行機
捕まえようと 伸ばした両手は
空に届かずに すぐに下ろした

一体どれくらい 見送ることに慣れただろう
それでも君は ずっと何かを待っているんだろ

君のことを よく知りもしない
馬鹿な奴らが 知った風にとやかく言うけど
ここに置いてけよ 笑い飛ばしてやるから
平気だろって まだやれるだろって

始まると同時に 終わりへと向かう足跡
何かが終わると同時に また何かが始まる
あるのはずっと 途中の景色だけなんだ
この場所はいつだって 名前が無く何処でもない


自由詩 nameless nowhere Copyright itukamitaniji 2014-09-03 21:40:08
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