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午後を通り過ぎた影、踏みしだかれた詩文、血溜りのなかの指先、白紙のままの便箋、風が息継ぎをするときに聞こえる嗚咽は誰のものだったのか、忘れたことにした記憶が膿んだ傷のようにじくじくと抉り続ける理由 ....
街路で踊るバレリーナの黒髪は長過ぎて、12tトレーラーの後輪に巻き込まれてしまう、悲鳴を上げる間もなく、踊りに陶酔したままの虚ろな表情で、のけぞるように飲み込まれたプリマドンナ、クルミの殻が割れる ....
乾いて荒れた
まぶたが開いて
かすれた小さな
産声が午前を揺らす
きみは何度目かの
救済と絶望のなかで
目に見える世界は
たしかなものではないと知る
クロー ....
きみの苦しみのことなどおれは知らない
たとえばきみが家を失ったとしても
(気の毒にな、でも、おれじゃなくてよかったな)
そう
思うだけだ
だから
おれはきみには手を差し伸べない
....
劇薬みたいな陽射しの下で、きみは舗装道にむきだしの膝をついて、街の喧騒の中から知り合いの声だけを探し出そうとするみたいにじっとしている、視線は少し先の街路樹の根元を見つめていたけれど、本当に意 ....
路地裏の、闇雲に積み上げられたコカ・コーラのマークのケースの一番上の段からは内臓に疾患を抱えてそうな誰かの小便のにおいがした、睡魔で朦朧とした頭を手のひらの根元でがつがつと二度小突いて、ノーブラン ....
クラクションはたった一度だった
きみはそれ以上
もうどんな歌をうたうことも出来なかった
雨はうらみごとのように降り
夜は馬鹿みたいに目かくしをした
なにもかも手遅れの明けがたに
残 ....
出鱈目に打たれた杭のような樹木の
日に焼け落ちたカーテンのような枝の隙間で
天使の抜殻が薄曇りの空を透かして濡れている
ヴィデオゲームは明確にエンドを表示するけど
人生ゲームのそれはあまり ....
はぐれた鳥の影を追って帰り道を失う午後、時計屋の入口の上の壁に張り付いたアナログの文字盤は大嘘をついてせせら笑っていた、ハレルヤ、いつもより少しだけ暖かいものだからテレビのキャスターは微笑んで ....
あかりに頼ることなくあらゆるものを見つめようとする気持ちを覚えたのは幾つのころだっただろう?その瞬間のことは決して思い出すことは出来ない、たとえ自分の過去を洗いざらい探ってみたところで、その瞬間を見つ ....
欲望には名前がない、お前は、ガチガチに隆起した生臭い陰茎に幾重もの上等な理性の衣類をかぶせて、空咳みたいな微笑みを顔に張り付かせて表通りを闊歩している、慎重に計算された分だけ良く出来た嘘は真実より ....
もやのたちこめる裏通りを
うす汚れた天使が歩いている
ショック・ロックな服を着て
まるでアリスのダンサーさ
彼女のポケットにはリコリススティックと
ショート・ホープが二箱
滅多 ....
ベルベットの下には
死体からこぼれ落ちる
血液のような
ぬるりとした感触があり
流れている音楽には温度がない
倒れる時のことを思いながら
ステップを踏むバレリーナ
人生は、 ....
いのちは
こころのかたすみで
ふるえながら狂っている
枯れた木が
記憶だけで
まだ水を吸い上げようと
こころみているように
まともなあんたは
ひびわれた ....
1
硬質ガラスの瓦礫、量子力学の悲鳴…空っぽの巨大な培養液のカプセル、デジタルラジオにはノイズの概念がない、なにも拾えない時間には探しすらしない、「信号がない」と、小さなディスプレイに映し出 ....
俺の細胞のひとつひとつには毒素があり、それが血に混じり体内組織を循環することで意味となる、通過した後の内壁は微量の劇薬に炙られたように荒れて、真白い泡を吹き上げる、それは流れに巻き込まれて同じよう ....
そこらへんでいい連中が
そこらへんで手をうって
そこらへんで吹かし続ける
そこらへんの武勇伝
(ブユーデン、ブユーデン、レッツゴー)
誰かに言われた言葉を
誰かに教えられた道を
....
ある曇りの日の朝、公園の隅に穿たれたモグラ穴のようなものの中でおびただしい数の蜂が転がっている、それはみんな死んでいて艶を失くしている、いくつかのものはすでに炭化を始めている、木々の側で―木陰で、 ....
ガラス管のなかに生身をむりやりねじ込まれるみたいな感覚が長いこと続いていた、閉塞感なんて月並みな言葉で話しても良かったがいつだってそんなものに真実を語る力などない…そこら中をうろついてる、在りもののイ ....
時間は腐るほどあった、床に俯せになったままピクリとも動かなくなったそいつの美しい頭髪をひと掴み右手に巻き付けて力を込めてゆっくりと引っ張ると、やがて強情な雑草が抜けるみたいにごっそりと取れた、 ....
すでに枯れ落ちた花のことを
長々と誰が語るだろう
赤茶けた花弁は路上に削られて
瞬く間に塵となるだろう
聖堂から微かに聞こえてくる祈りは
人間以外の何をも救うことは出来ない
言 ....
そんな粗末な寝床にかじりついて
どんな夢を見ようというのだね
おまえは堅実に生きることで
浅ましさを手に入れている
処刑のなされた丘で放置された罪人どもの血が
土に染み込ん ....
清く正しく生きようとするやつが気に入らねえ
欲ボケて腹の弛んだ肉玉も気に入らねえ
政治家のケツをブログで突っついてるやつが気に入らねえ
海外ボランティア活動に志願するやつが気に入らねえ
....
毛細血管をノイズが這い回る、無数の羽虫のように…俺の感覚を喰らい尽くそうと目論んでる、二二時の朦朧とした時間―悲鳴には飽きたし、怒りには慣れた、愚痴には興味が無い、まるで水溜りのように俺はそれを放 ....
髪の毛でふざけるのに飽きたら
諦観をもってこちらにおいで
シャンソンはもう進化することはない
ただただ伝統のなかで呟いているだけだ
アンティークな森の向こうで遠雷が聞こえる ....
通り過ぎてゆく連中の靴はどれも洗いたてみたいに艶めいていて、おれは自分の薄汚れたスニーカーを見下ろしてほくそ笑む。それはおれとやつらの「歩行」という行為に関する決定的な認識差であり、歩いてきた距離 ....
紙パックの飲料水が路上で踏み潰されて幾何学的なかたちにねじけ刺さったままのストローから血を流す、きみのモカシンはそれを石かなにかのように避けて歩いて行く、あとに続くおれは植え込みに残る昨日の雨 ....
死蝋化した骸を思わせる粘ついた月と鋲のような星々が食い込んだタールみたいな黒が
呪詛のようなリズムで這いずるやつらの頭上にぶら下がってる
駅前のコーヒーハウスで飲み干した自家焙煎にはまるで無関 ....
世界はいつも俺の視界の隅で何ごとかゴチャゴチャと展開している、俺はそれを自分に害が及ばない程度に―流れ弾とか、もらい事故なんかを喰らわない程度には気にかけながら、自分自身の人生を生きている、だけど ....
その建物について、詳しいことは何も判らなかった、その土地を流れる大きな川の、河原から何も無い野っ原へと続く坂道に沿うように建てられた平屋造りで、右側の端に川を目指しているかのように突き出された正 ....
Lucyさんのホロウ・シカエルボクさんおすすめリスト
(139)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
ただ赤く塗り潰して
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ホロウ・ ...
自由詩
5*
19-1-1
ラスト・ワルツ(路上のソワレ)
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
18-11-18
モメンタリ・モーニング
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ホロウ・ ...
自由詩
4*
18-9-24
メシア
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
18-7-13
おだやかな水の流れがすべてを飲み込んでいくように
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
18-4-22
朝陽のあとで
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
18-3-18
Fallin
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
18-3-16
だから君はささやかに赤く光るセンサーに手をかざせばいい
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
18-3-4
おだやかな道にとどまろうとしたって
-
ホロウ・ ...
自由詩
1*
18-2-26
もちろん君がそれを誰かから受け取りたくないのならと言うのなら ...
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
18-2-11
そしてリビングには少しだけ埃が積りはじめている
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
18-1-28
上手く眠れないのならなにかほかのことを
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
17-12-26
あしもとの小石を拾い上げること
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
17-12-17
あらゆることが語り尽くされたあとに
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ホロウ・ ...
自由詩
15*
17-12-1
記憶がなくなれば永遠になることが出来る
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
17-11-10
ブリック・バイ・ブリック
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
17-10-15
ソコラヘン
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
17-9-25
目論んでいたんだろう―日の当たらない公園の一角で、ずっと。
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
17-9-21
あらかじめなにかが窒息している
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
17-9-19
遠い世界の夜
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ホロウ・ ...
自由詩
1*
17-7-28
スタンドアローン
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
17-7-24
試供品の朝
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
17-7-21
ヘイト浅漬け
-
ホロウ・ ...
自由詩
5+*
17-6-18
羽虫の闇
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
17-6-17
ぼくはこのさきも花を育てることなどないだろう
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
17-6-3
足跡に名札がついたことはない
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ホロウ・ ...
自由詩
1*
17-5-21
夏の亡霊
-
ホロウ・ ...
自由詩
1*
17-5-15
夢を見なよ、この夜はまだ明けることはない
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ホロウ・ ...
自由詩
1*
17-5-9
公園の壁の煉瓦の端っこにいつの間にか書き殴られていたメモ
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ホロウ・ ...
自由詩
4*
17-4-22
どこに居るの、沙織。
-
ホロウ・ ...
散文(批評 ...
2*
17-4-11
1
2
3
4
5
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推薦者と被推薦者を反転する