いきることは痕跡をのこすことって残される僕にきみの言う

ろくに二人であるくこともなかったこの街が最後の思い出になるね

子供たちの方がおとなだったって思っているさ今でもそしてありがとう

 ....
秋のひかりと血潮の影に

私のゆびさきが染まっている

雲がきれいだ

貴女のようだ

秋と私は漢字が似ている

水色の匂いだ

貴女の匂いだ

秋のひかりと血潮の影に
 ....
窓から覗くこころ

静謐と違えるような濃紺の夜空に
規則正しい月の呼吸音
今ここにあった形はもうここに無く
冴えた輪郭は残像でしかない

バスルームにたゆたう湯気

水面の上下で冷た ....
「こっ、これは
 ただの糸電話じゃないですか?」
「そう見えますが違います
 iPhoneは誰とでもつながりますが
 itoPhoneは一人としかつながりません」
「持ち出して外で使えなけれ ....
爪先が深く沈み

濡れた砂が潜り込む

薄曇りの空の下

静かに呼吸している海は

黒に擬態している

青のような色をしている

ひとの姿はなく

ひたすら ....
うまくいかないことがある。
うまくいくすべを、手放しているのかもしれない。


ふたりは、ざらざらした石球のなかでしんとしずまっている。
目はそらしたまま。夜に落とされたポイ ....
ちかいという文字は近道っぽくて
誓文にはなり得ないところがあって
パキンと折れて、ついて出た
忘れられない言葉があって
ああ、愛しいなと思った。

とまれ
かくまれ
気高くあれ
 ....
白い砂漠に
矢のような日光が降り注ぐとき
摂氏五十度の風に
駱駝が弱音を吐く。

そのころ
私たちの小さな家の二階では
左腕がV字に固まった女が
つば広の白い帽子を右手で押さえ
吹き ....
遠い海を思う日
すべての手足が色あせて見えた
博物館に展示された金飾の棺のように
自我という幻が何かを閉じ込めているようだ

風化させるままに人生を問えば
その答えもまたかさこそと音をたて ....
なにひとつ最後までは
寄りそいきれなかったわたしに
あなたがいつものように笑いかけるとき
許しが
どれほど無意味なことかを知ります

あらゆるものが
どれほど無意味なことかを

 ....
君の心の暗がりにいる天使

白い羽根は埃でいっぱい

眠っているみたいに

じっとしてる




かくれんぼしてるのかい?

幸せが鬼かな




 ....
ここはかさぶたのない場所だ

えぐられた何かを振り返っては
また一つ、言えないものが増えるのだ

深海に落ちている忘れ物

ため息が道をひらいて

君の肩に不安なものをのせている
 ....
渦の中うまれてきたの(かたつむり)シとドの間の宇宙をみてた


世界地図の片隅でそっと競い合うかたつむり(鍵は海に落とした)


両耳に飼っていたかたつむりたちを探しています連らくください ....
伝えることができたのだろうか
熟れ落ちていく夕陽の悲鳴を

表わすことができたのだろうか
沈殿していく闇の舌なめずりを

キーを叩く指の隙間から
瞬間は呆気なく零れ落ちてしまう
慌 ....
月よ お前様は 自ら輝く事も出来ない身の上だと言うのに

借り物の服を着て

ものまねの明かりの下に 私を座らせて この めくるめぐる思いを

ただ 寂しいよ と一言だけ 言わせて 癒 ....
胡桃型の発狂は九番目の恋人に発情を齎し
ホモセクシュアルの天使がバイクを走らせる
地下にあるロッカールームには肌色の罅
誰かが私を殺す音がする
それは聖母の歌声、ヴェルヴェットのゆ ....
時にいちばん残酷なことを
あなたに言ってやることができた、
献身が刺すようになって
孤独ばかり透明になる
愛憎の宛て


尖る、直接的で暴力的で
いっそう悩ましいものにわたしはなる ....
かなうなら君にさわりたい
君のまなじりの先に棲み
見とれるほどきれいなその頬を
撫でて

だれよりも長くて、細い指をもっている
たとえばそれにわたしの肌の輪郭
その境界線と起伏な ....
ユッカさんのおすすめリスト(258)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
痕跡- 梅昆布茶短歌912-10-9
雲がきれいだ- 吉岡ペペ ...自由詩1412-10-9
機械と水- 中村葵自由詩12*12-10-9
itoPhone10- イオン自由詩14*12-10-8
アンモナイトをおぶさって- ホロウ・ ...自由詩10*12-10-8
夜の鯨- ねことら自由詩312-10-8
しばしばconvulsion- ayano自由詩412-10-8
白い砂漠に- 草野大悟自由詩5*12-10-8
世界のなまえ- 梅昆布茶自由詩1912-10-8
地平- はるな自由詩812-10-7
暗がりの天使- 多紀自由詩7*12-10-7
砂の城をもう一度- カマキリ自由詩312-10-6
桜のようにきえるだけだね- ことこ短歌1012-10-3
手の届かない場所- nonya自由詩23*12-10-3
仲秋の夜に- ぎへいじ自由詩17*12-10-1
ピエタ- 青土よし自由詩212-9-19
二重線の輪郭- itsuki自由詩512-9-10
美しくなされるべき始末- itsuki自由詩112-6-12

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