現実を見た口内炎が痛い
東日本大震災で被災した人達はまだ仮設住宅で暮らし厳しい現実と向かいあっている。
福島原発は何十年という将来への傷跡を残し現実問題としてある。
なのに僕達は東北にも福島にも原発の問題にも真面目に向き ....
与えられた役割が重厚な鎧に見えてしまう。
それが羨ましいといつから思っただろうか。
先に進むに連れて、薄氷は深淵の暗さを際立たせてくる。
近くを見れば、多くのまやかしの灯台が暖かみを帯びて誘惑す ....
うしろめたさに それでも
かなり へこんでいたんだ
いつも みてくれているようで
さんざんな めにあいながら かくことば
あしたにつながる ちからをのせて
りんとしたまなざしで おくって ....
朝起きてテレビを点けると
ドキュメントをやっていた
2011年に何かの賞を
受賞した作品らしい
「記憶障害の花嫁」というタイトルで
車椅子の女性が映し出されている
年末でぼんや ....
ジル・イン・ザ・〈ブラウンズファーム〉
ジル
ブレイド
オーバーオール
フォーティーン
リムレススペクタクルス
ワークグラブズ
ニードルワーク
シークレットアンソロジー
ブッ ....
美しい音楽が流れた時、私の過去は蘇った
私の脳裡を揺さぶり私の心をも揺さぶった
蘇る過去を追いかけて遠い遠い記憶を探す
私は現から翻り遠い記憶を辿り追いかける
記憶の世界はとても淡い色 ....
僕は道を歩く
君がいないから 立ち止まる
歩き出すとき 腕を振る 僕は
抱き合う時を僕の夢に見て
そこにあるのは目だ 目覚める
そして眠る 体はないのだと
そして 目の風景とは ....
ちっさなもやのなかで
あいまいにふわふわとうごく
じぶんがこわいからえをかいた
まっくろなかたまりのえをかいた
にっこりわらってる
まっくろなからだに
ぴかぴかしためで
にっこりわらって ....
蛍光灯が点滅する風呂場で濡れた身体が
一つになろうとして、震える手を抑える。
「痛い」とお前が言うから離した手を強
く、お前は繋ぎなおす。
お前は、ご丁寧にゆっくり身支度をする。
離 ....
ストライクが入らない
言葉の投げ方を、忘れたから
キャッチャーを
キリキリ舞いさせながら
交代を告げる声を、待ち望む
変化球に入れ込みすぎて
指の関節が ....
わたしが歳をとる
髪は白く
乾いた肌には
無数の皺
あなたが歳をとる
....
夢の中の白いシャツに墨汁の雨降らせている
ほんとうをひとつ石のしたに埋めた
約束をひとつ鏡の裏にかくした
退屈がちょっと窓からのぞいた
懸命がぼくのしりをたたいた
月は宙ぶらりんで柳のしたを通りがかった
杜甫と李白がちいさな ....
ちょっと薄汚れて古い街だが愛着もある
あの街へかえろう
鑑別所から卓也もかえってきたし
住むところとこれからの仕事をなんとかしないとならない
さんざん迷惑をかけたその当事者が俺だなんて ....
君の胸の音を聴いている
瞳を閉じれば浮かんでくる
電車がゆく
車輪の音は確かなリズムを刻む
無機質でいて
それはなぜか温かい
からだじゅうに
張り巡らされた
赤い線路を
休むこと ....
プライドや
スキルや
イデオロギーといった
後付けアイテムで体裁を整え
何層にも膜を張って
“ ハッタリ ”という殻で
コーティングしたら
実物より
やや立派に見えた
だが
....
はずれるとき
音はただしい
はじめからはずれていた
輪は閉じていた
幾たびもはずれながら
いちいち動じている
しかしながら
はずれるとき
あきらめはもう終わっている
そし ....
何か栄養素が足りないような思考
無意識に生姜湯と書いたメモに従い はちみつ不要で机の上
もう少しで つわりの時期を終える
猫がしょぼーんと鳴いている ごめん かまってあげられない
ベ ....
駅に着くと電車が止まっている
なぜだろう
風が強いからだろう
僕は 暇をもてあまして 駅前をうろついた
やや疲れた顔の人たちと向かい合う
飽きた目をしながら見るフィレオフィッシュの掲げら ....
ピーテル・ブリューゲルの塔が部屋の中央に屹立し
周囲を侏儒の叛逆天使たちが蜻蛉の翅を以って飛び交す
絵画美術は幻視の領域にまで後退し
観念的な支柱を破壊された現代神学の修道僧たちは
科学的 ....
頭の悪そうな男女が
やりたいままにやって
子供が出来た場合
子供ひとりにつき5000万円の
税を徴収するという
妊娠税法案が
国会を通過する見通しとなった
特に目立った抗議行動も見られな ....
貴方の祖父は画家
貴方の父も母も阿蘇山を駆け上がる 馬の姿を描いていた
貴方の弟も絵をふすまに残していた
でも貴方は描かない
すぐに脱いでさしあげるのに
私のささやかな夢の ....
薄縹の空のした浜辺をひとり歩く
潮の香りと眠りの匂い
拾った貝に耳をあてれば
なつかしいひとの声
「元気かい」
....
生命はポテンシャルであってそれがカタチに宿って
具現化したものがリアリティなのだ という文章に出会った
なんだか最初はよくわからなかったが よく読むと
生命とは潜在的なチカラであり それが体 ....
男は照れの天才
幼児すら男なのね 微笑むと照れる くすぐるのよ母性本能を
女が好きみたい男って 可愛く思ってごめんなさい
美人には目を伏せる そのどうしようもない 照れの天才
男心をかすっ ....
高血圧者の朝が
薬なしには始まらないのと
同じように
降りしきる雨は
見飽きた景色を
消すこともなく
ただザアザアと
音を立て
瞬間には
線が重なって見える
濡れることを
....
流しにうず高く洗われぬまま放置された食器
とりあえず洗濯はするのだが部屋干しのまま畳まれることはない
読まない新聞が玄関に散乱している
居間の一角は得体の知れない整理しかけの古本がうず高い
....
わたしの考えていたことは
つまり
国のプライドのために
子離れしなければならないのかってこと
おんななんて
恋をしていれば生きていける
そんな風に
見られてはいないか
....
俺が死ぬと生態系が崩れる
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