日曜日 うっかりペットショップをのぞいてしまう
生まれたばかりのかわいい仔犬が
ガラス越しにじっとわたしをみつめてくる
さっきまで泣いていたかのように黒い瞳が濡れている
この人はここから連れ出 ....
楽しいことの向こう側では
苦しいことが待っている (のりぴー)
私は過去を忘れない
なんてよして
こんなに涼しくなって
もうすっかり秋じゃない
季節は廻るって
2丁目の佐藤幸造さ ....
転職を考えている。
今まで肉体労働を考えてきた
しかし部活も文系で
体を鍛えていない。
勉強ばかりしてきた。
頭脳労働を目指すべきである。
自分の特技は考える事
組み立てる事。
....
薄明かりのシティステーション
恋に疲れた二人連れ
鞄ひとつの重さじゃないね
何故だが辛いプラットホーム
握りしめた片道切符
今度の旅はひとりきり
強がるはずのフェアウェルナイト
やっぱり ....
さらさらと無限にかたちを変えてゆくもの
どくどくと体の中を対流するもの
ぼそぼそと語りかけるもの
ろうそくの科学で薔薇の庭園を飾る
スズメバチの襲撃を警戒しながら僕たちは生きている
....
タマンキは売春宿を焼け出された弟子たちと
カナリヴァのほど近くにある
ヌレヌーレ山に登り明朝の日の出に
彼らの最後の迷いをペミンテしようとお考えになられた
ヌレヌーレ山は草木一本生えぬはげ山だ ....
母親が泣きながら額を床に着けながら
そだてかたをまちがえましたすいませんと
三回繰り返したのが僕の人生最大のハイライト。
何度見たって飽き足りない。
田舎だからといって
素敵な虹が出ないわけではない
田舎だからといって夢がないわけでもない
田舎だからといって人っ子ひとりいないわけでもないのだ
田舎の虹が素敵なように田舎の恋 ....
人の世のかくも美しき
もつれ魂の上にも
雨ぞやさしく降りしきる
茨冠戴く盲のダンス
もし蛇が海ゆかば
鳴る鳴る山野の幾千里
万里の波濤をこえて南風が吹くとき
....
殺していない私には
殺した感覚がどのようなものか
想像することができません
私は行為の後の苦痛を想う
殺人に固執した果てにある
自己保存のための自己切断
視界の底に確かにあった
....
眠るように死に向かうあなたを
引き留めることはもはや叶わない
生まれた時と同じように 二人
無言に通じ合う世界に息する
別れを慈しむ静寂は
神さまの与えたひととき
モ ....
異人歓待
せいけつな青空を見ている
無限に増幅された起伏の多いハンドリング路を
手をあげて行儀よく渉りきれればお菓子をあげるよ
ゆれるアスファルトに沿って歩遊する
対空師団のようなぼくたちの ....
センセイ
オ父サンオ母サン
気をつけて下さい
ボク
凶器を
もっています
鉛筆を削る
小さなナイフでも
凶器になります
空き瓶の口をもって割れば
瓶の割れくちが
....
降りだしそうで
乾いたままの
空をなぞって
こんな日に
泣くのには
意味があるのよ
誰かが
たおれないと
世界がおわってしまう
そう言って
きれいに笑っている
き ....
しんしんと
雪も降りそうな秋の夜
想い出すのはなぜだろう
星から吹く風に包まれて
山は変わって
夜は澄み
心は切なく
香りは優しい
叶わなかった恋ばかり
美しいのはなぜだろう
死が呼んでいる
冬に取り込まれた体は
心の出血多量で死亡する
束ねられたさびしさを解くと
ふっと花の香りがしたようで
そのことを伝えようと振り返り
不在に胸を踏みつけにされるようだ
音も声も湿度もすべて気配の中にないまぜ
微笑も寝顔も怒ったときも輪 ....
じぶんのなかの書きたいことが霞んできたらそれこそ終わり
バランスとってんじゃねえよ
止めどなくあふれる涙を
売ることが出来るなら私は金持ちだ
そんな妄想しちゃうくらい
涙が止まらないよ
自分の涙で溺れそう
そろそろ息が上手く出来なくなってきたよ
涙の価値って何 ....
9.8ニュートンの
朝を
蹴っ飛ばしたら
空元気いっぱいで
胸を張って
間違いだらけの
午前に
歩き出す
早くも重さを感じ始めた
午前を
乗り切ったら
不様な前のめりで
....
あたしゃ
あんたに{ルビ殺=あや}めて欲しい
年とって皺くちゃ婆になって
医者に命を盗られるくらいなら
いっそ
ここで殺しておくれ
女にとって幸せなことは
きれいなうちに
惚 ....
秋葉原バラバラ
バラバラにして
お茶の水まで
運んで棄てよっか
それとも釣り堀に
高値で卸そうか
鯉があなたの小指に
からんで入れ食い状態
なのは、あの時の
約束を破った報い
醜い ....
1
耳なし芳一
壇ノ浦に座す
撥は海風
火の肌をなぜる
赤い藻屑と沈んだままの(旗たち切れの)
悔いの嵐の そのなかの
2
めくらの芳一 どこへゆく
雨滝のよう 夜闇のよ ....
同じ所
同じ瞬間
繰り返される日々
繰り返される事実
ただ、
毎日細胞は失われ補填される
毎日違う物質が代謝され、
吸収され、
排出される
だから何?
それで何?
未 ....
夏の雲は膨らんだ自我
眩暈 土砂降り 稲光
遥か上には秋の雲たなびく
天使の翼のように
美しき日に坂道を上り また下り
廃屋の漆喰は剥がれ落ち
背の高い草が住む
暗がりに ....
薄皮まんじゅうすら剥いで到達したいの
?
欲しいものを手に入れて
流行の呪文を詠うルージュは綺麗に阿呆面
「鳥ばっか見てんね
「毛虫も見てやろうよ すぐ近くに居んのに
「近付き ....
大外刈りをかけたくてオヤジ狩りに遭う
なんでもない詩人たちがけっこう好きなのです
ごく私的でもよいのです
ときに詩的でさえなくとも
ぼくのちっぽけな世界をあたためてくれる
ひとひらの言葉たちがたぶん
ぼくがなんとなくたいせつ ....
秋になったから
イチョウや赤とんぼをモチーフにした雑貨を探してたんだけど
何故か桜に蜜蜂のモチーフの雑貨を見つけてしまった。
いや、「しまった」とかじゃないけど。
来年の春 ....
浜川崎から羽田線に乗る
古い高速道路はそのまま川崎大師の大鳥居をくぐり
モースの大森貝塚を三周程して
干し網の漁師たちを驚かす
ようやく京浜急行が高架になり環八がスムーズになっても
森永 ....
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