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過ぎ去ろうとしている
冬のしっぽが
白く きらめきながら
川面を流れていく午後
でも
私は
それをつかまえられない
パレットに出された錆びた金色を
時間の筆が
グラデーションを付 ....
あたしの部屋の窓から
みえる空は黒くて
たぶん曇っているはず
あなたはどうしているかな
青空の下にいたね
昼間のあなたは
届いたメールに添えられた
空はすきとおった青だった
続 ....
山砂はもうない
海砂ばかりが浚われ
洗われ
遠く運ばれ
混ぜられる
ごくありふれた砂粒に時折混ざる
貝の欠片の白い顔
ガラスの名残の澄んだ瞳
際立つ別嬪な粒子たち
僅かに
微かに ....
傘のさき
アスファルト滑らすみたいな
さびしさ
青い空の
すぐよこに黒灰色の雲の群れ
超電磁砲
追いつけば
広がるのは
明るい不穏
冷たい雨
....
2月も終わる
灰白色の曇り空
こころが痺れている
悲しくて
目や胸や膝が痺れている
青い空がある
それだって永遠じゃない
繰り返されている
だから生 ....
まだ 朝のやさしい光が
町にあふれるまでには 時間がある
薄闇の中で 白い呼気が
のろしを上げている
白いのろしは まだ街灯が灯る 細い路地を抜け
古びた木造アパートの鉄階段 ....
私には判らないことがある
貴方の愛が本当なのか?
ただの遊びなのか?
今まで
たくさんの出会いと恋があった
私はいつも後先考えず
恋に夢中になってしまい
自分の感情で相手を振り回し ....
小学生の頃のいきつけの内科医院は いつも
消毒薬と漢方薬の匂いがしていた
医者の奥さんが受付の奥で薬を調合していて そこでもらう薬はとても粉っぽくて
飲むと必ずむせた
待合室から小さな裏庭 ....
降り止まない雨に
舌打ちして 空を睨む
思い通りにいかないことばかり
心がざらついて
軋んだ音が鳴りだす
苛立てば
心の瘡蓋はがれていく
「いつも君を想っているから」
あなたの声が ....
なにも持っては生まれてこなかった
はずなのに
なぜなくしたとおもうんだろう
毎日なにか足りない
なにを足せばいいのかな
まわりの人すべて
すべてってなんにん?
みんなってだれとだれ? ....
ナナという名前だった
もとは捨て猫だったらしいが
いつのまにか
隣の家に居着いてしまったらしい
すごく立派な面構えで
どこかで外国猫の血が入ったのか
ブルーの眼と
むくむくの銀毛を持つ ....
拳のなかで
石は砕けて粉と散る
返す言葉はどこにもなくて
....
ガラスだった
熱ければ溶けて
寒ければ縮んだ
落とせば割れるし
転がせばすぐ傷がついた
でもガラスは
中学のときかさばるし重たかったから
よくわざと教科書 ....
不安だから
あたし自身が不安な存在になってみる
不穏だから
あたし自身が不穏な存在になってみる
振り返るたび
あたしの骸が夥しかった
まえを向く
烈しいベース ....
ゆ ゆ ゆれ ゆれる
ふ ふ ふる ふるえる
年老いたふるえ
新鮮なまばたき
新芽がふるえて
春をくすぐる
大きくゆれたのは
気のせいじゃない
なにもかもが崩れ落ちた
....
かあさん
お空が ないてるよ
だれかが
なぐさめてあげたらいいのに
かなしくなくても
なみだはでるよ
なみだで
せかいを
あらいながしたあとは
とつぜん
正気にもどって ....
ぼくの人生はだれが采配してるのかな
彼女に言われたの
あたしは結婚も恋愛もあきらめていたからいいのってね
時々恋をしながらでも恋に遅れていたのだね
ぼくの中には数億から数兆 ....
公的扶助の受給者の列を写せ
民は思う
なぜ、もっとしっかり生きないのか
貧困で餓死した親子の部屋を撮れ
民は思う
なぜ、生活の保障を受けないのか
国や自治体の生活保護行政の抜け穴を ....
雨の中で君を想う
私の場所で君を想う
まっすぐにみつめているのはきっと
大事なものなんだよね
私もいくよ
私の大事な場所へ
それぞれの空から
同じに生まれた雨がふる
自分も毛糸玉のくせして
プッチは毛糸玉と
戯れるのが好きだった
ふたつの毛糸玉は
所狭しと転がり回り
私は面白がってその糸を引いたものだった
小学生だった私と弟
そしてやっと歩き ....
雨はとっくに 止んでいるのに
畳めない傘の中で
君は静かに濡れている
君だけしか聞こえない雨音は
周りの朗らかな声も上書きしてしまう
あなたには聞こえない この叫びは
通りすぎるビ ....
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恋はトキメクし 愛は燃えあがる
恋は落ちるというし 愛は溺れるという
恋は病いだし 愛は執着だと思う
恋は形態であって 愛は本質だろう
....
今、私の目の前に存在するネジを巻いたら
昨日西永福の駅で私に舌打ちをした中年と
再び会えるのだろうか。
もしそれが叶うのであれば
私は迷うことなくネジを巻いて
その中 ....
食パンのみみが
初めて出会う言葉は
まだ星空が出ている時間から
働き始めるパン屋のおじさんの
「上出来だ」の嬉しい言葉だろう
スライスされる前は
全身が みみなので
工房の全ての音が ....
家猫だからさ
出られないって言ったら
弱虫だって笑うんだ
やせているくせに
そと猫だからさ
うちにいられないって言ったら
こわがりだって笑うんだ
なんにも知らないくせに
猫の見分けもつ ....
眠たいのに眠れない夜
死なない程度にリスカ
目をそむけてうえを見つめる
蛍光灯ほどの明るさで
天使がばらばらと降りてくる
風が吹いている
真夜中を駆け抜ける
....
顔見知りの男が死んだ
いつも何かにイラついていて
斜に構える自らの姿に酔いしれていた
そんな一人の男が死んだ
※
よくある話しだけど
おんなが二人いた
別れた奥さ ....
自分の人生を愛おしんで
ここまでつき合ってくれた
セーターの青ミックスの色を
両の腕に抱きしめる
コープのお店に並んでいた
赤ミックスも緑ミックスも
好きだったな
モールのセーター
....
この世界は綺麗です
あなたはそう言って
どこかへ去って行った
この世界は綺麗です
あなたは泣きながらそう言った
この世界は綺麗です
あなたは痛みに顔を歪ませて言った
....
時計のない国で
のんびりと暮らしています
時計はなくとも
時間はあるわけで
朝、昼、夜と
まこと
大雑把な時間の感覚ではありますけれど
いちまばたきが
およそ一秒
....
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