すべてのおすすめ
身体中にほくろが或る男
無数のほくろ一つ一つがコンプレックスの塊であった
写真では意外に目立たないようであるが
映像になるとほくろが
身体中を蠢いているんじゃないかと
恐怖に陥るので極力見な ....
青空の埋め立て地に粗大ゴミの山
私はクレーンを操作して
はさみでゴミをよりわけ
何かの電線に絡まりながら
つややかに光り生えている
赤いリンゴをもぎとり吊り上げる

そのリンゴは生きてい ....
フカフカ暖かい道草
水の流れる音
フカブカ深呼吸をすれば
私は広がる大きくなる
プカプカ浮いて
丸い天体のような感覚
ブカブカの長靴を履いたような

スポスポ抜ける音
シュポシュポ弾 ....
つむじから頭を覆うように
根がびっしりと生えている
後悔を繰り返す夢を見ては
少しずつ大きくなっていくので首すじが痛い

いっそのことごっそり
引っこ抜いてしまいたい衝動に駆られるのだけれ ....
高校の学食で出ていた安上がり
めんつゆとたまねぎ
しょうがやにんにくをひとかけら
煮たせて
コロッケぐつぐつ
たまごをとじてできあがり
コロッケ丼

幸せを感じる
最後の一口まで夢中 ....
ボタンがとれたシャツやズボンがある
もう何年もそのままほったらかし
衣替えの季節になると
そういえばといって結局ほったらかし

ただ今日はなんだかムズムズして
針に糸を通す
ボタンをつけ ....
軽トラが農地の空地に
放置されて顔だけになっている
車輪は地中に埋まって
後ろの荷台は錆びてもげて
かろうじて面影を残すのみ
緑の雑草や蔦が生い茂り
うす紫色の花がたくさん綺麗に咲いている ....
走る子供
跳ねる水玉
あのね嬉しい
囁く木漏れ日

クレヨンで塗りつぶす町
溢れだすよパレードの音

遊ぼう路地裏
注ぐチョコレート
あしたまたね
触れ合う影帽子

クレヨン ....
ひるがえる感覚

春の風に吹かれて

私の感覚はうらおもてひるがえる

凹凸感のある手触りが気持ちがいい

どこか遠くまで飛んで行けばいい

ひるがえりパタパタと

私の感覚は ....
何のために作られてたか定かではない
もうとっくに誰も君の事なんか
忘れてしまっているよ

トーテムポールが森の中で
うんうんうんうん
あいづちあいづち

いつも何か言いたそうな顔ばかり ....
小学生の頃だろうか
小さな空き地で野球ごっこをしたあと
寝転がって
雲をじいっと眺めていると
ゆっくりとゆっくりと動いているように見えた

初め自分自身が
どこかに流されて行くのではない ....
駅のホーム
立ち食いそば屋で
かき揚げそばをすすりながら
おにぎりをほおばる

小学生の高学年
夏休みなどに入ると
私はひとりで新幹線に四時間ほど乗り
田舎に帰省していた
とても酔う ....
小一時間の散歩

誰かが
今日は降ったり止んだりと
言っていたのに

そのままふらふらしてたら
どしゃぶりのずぶぬれ

雨がぱらぱら
なんてこたあないさと
ふんふん歩いてたら
 ....
小学生ぐらいの子供に

軽くおっちゃんと呼ばれる

私は年齢的にも充分おっちゃんの部類に入るのだが

おっちゃんは元々から

そうプラモデルのように

細部に至るまで

おっち ....
久しぶりに紙飛行機を作ってみて

狭い部屋の中を飛ばして見た

ひょいっと

指先から放たれた私は

少しの間だけ時を止めて

音を吸い込み色を無くし

透き通った羽を生やして ....
茹でてふやけて

むいて食べる

ほっこほこの里芋にっころ

喉がころころ鳴っており

何かおるのかな

うっすら朝もやけのなか

鳥の声と緑の香りがする畑の中から

里芋 ....
冷たい空から降ってくる

鮮やかな光

あんまり冷たいから

女の子はしかめっつら

行き交う人々に注がれる

輝く肌は薄くて一枚一枚剥がれてゆき

筋肉が想う心が躍動し

 ....
川沿いを歩いていると
色鮮やかな
もげた螺旋階段がくるりと横たわっていた

私は危ういバランスを保ちながら
登ってみると
先に透明色の螺旋階段が伸びている

そうっとゆっくり
どっこ ....
雑木林に捨てられた
大きなブラウン管テレビが
ただ転がっている

近づいて中を覗くと
ガラスの外には
私の知らない家族が映っていて
こちらを何も考えずに

ぼうっと
のぼうっと眺め ....
自転車を走らせながら

夜空を眺める

近くて軽い

感触が迫っている

もう少しで届くよ

立ち上がり私は伸びていく

ビルよりも高く

今日食べたラーメン

箸です ....
風が冷たい
身体が冷たい
だけれども街から溢れだす明りは
なんだか暖かそう
溢れ出す人々は優しそう

私がぽそぽそとつぶやく
他愛のない言葉に
そうだよねと
頷いてくれているようだ
 ....
今日も歩いていると

いつの日かの私が

朴訥と佇んでいる

でもなんだか薄皮で安ごしらえ

色もくすんで生気がないが

手を広げて空に向かって伸ばし

かかとを上げて

 ....
この前山の道で見かけたカラスの死体は

ポトリと落ちていて

なんだかとても温かくて幸せそうな死体であった

私はカラスを不吉や気味が悪いというよりは

小生意気な賢い奴であり

 ....
長袖ビュンビュン

半袖ぴゅんぴゅん

お洒落じゃないから同じような柄ばかりの

シャツたち

ズボンもこれからの季節はずっと

うねうねコーデュロイを色違い二本

これから寒 ....
清らかな川の水に足を浸していると

冷たくて気持ちいい

足の先に触れる石の声が

沁みこんできて

生まれ変わっていくようで

何も考えずに

河原に転がる大きな石となって
 ....
となりのまちから
ひとえき切符を買うより
ぶらぶら歩いて行こうと思ったのが
何かの間違い

閑静な住宅街を歩いていると
だんだん道が狭くなってゆき
家も密集してくる

もとの道を戻ろ ....
まだ曇り空

少し前に雨が降って地面は濡れている

綺麗に洗われた石畳の道を歩き

色艶溢れて髷結う人々が行き交いそうな

長い石段をゆっくり登っていると

小さな蛙がよこから
 ....
もう少しだけ私の人さし指が長かったら

彼女と繋がっていただろうにと

どちらからかかけたのかわからないが

久しぶりだねと携帯電話で話している

今何をしているの

今まで何をし ....
それほどまだ情報が発達していない時代
町の駅前ショップ
一枚がとても高く
気軽に買えたものじゃなかったけれど
流行りものには流されたくなくて
出来るだけ自分の感性を信じて
小一時間そして二 ....
この珍味は何で出来ているかは正確にはわからないらしい
デパートなどに行くと稀に売られており
かなり値段も高く私もこれまでに一度食べたきりだが

とにかくすっぱい
首がもげるかと思うほどのけぞ ....
まーつんさんの灰泥軽茶さんおすすめリスト(115)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ほくろの或る男- 灰泥軽茶自由詩4*13-4-19
リンゴもぎ- 灰泥軽茶自由詩3*13-4-15
フカフカの道草- 灰泥軽茶自由詩6*13-4-10
後悔の木- 灰泥軽茶自由詩7*13-4-8
B級しあわせ- 灰泥軽茶自由詩10*13-4-5
ボタンをつける- 灰泥軽茶自由詩15*13-4-2
軽トラ生い茂る- 灰泥軽茶自由詩10*13-3-31
クレヨンの町- 灰泥軽茶自由詩6*13-3-28
春風- 灰泥軽茶自由詩5*13-3-27
あいづち- 灰泥軽茶自由詩13*13-3-26
雲の流れ- 灰泥軽茶自由詩5*13-3-23
駅のホームと立ち食いそば屋- 灰泥軽茶自由詩18*13-3-19
ざんざん降り- 灰泥軽茶自由詩6*13-3-14
昭和式おっちゃん- 灰泥軽茶自由詩7*13-3-13
紙飛行機- 灰泥軽茶自由詩7*13-2-20
里芋にっころ- 灰泥軽茶自由詩8*13-2-15
冬の躍動- 灰泥軽茶自由詩12*13-1-19
もげた螺旋階段- 灰泥軽茶自由詩10*13-1-4
ブラウン管テレビ- 灰泥軽茶自由詩5*13-1-3
軽い夜には自転車はよく進む- 灰泥軽茶自由詩6*12-12-28
街の明りは溢れだす- 灰泥軽茶自由詩6*12-12-25
風船- 灰泥軽茶自由詩6*12-12-8
カラスの死体- 灰泥軽茶自由詩9*12-10-3
ころもがえ- 灰泥軽茶自由詩9*12-9-25
休憩- 灰泥軽茶自由詩16*12-8-30
ブロック塀- 灰泥軽茶自由詩6*12-8-14
雨のち曇り時々蛙- 灰泥軽茶自由詩8*12-8-13
通話中- 灰泥軽茶自由詩9*12-8-9
光る円盤と四角な部屋- 灰泥軽茶自由詩8*12-7-29
島のもみあげ- 灰泥軽茶自由詩4*12-7-27

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する