風船
灰泥軽茶

今日も歩いていると

いつの日かの私が

朴訥と佇んでいる

でもなんだか薄皮で安ごしらえ

色もくすんで生気がないが

手を広げて空に向かって伸ばし

かかとを上げて

できるだけ背伸びをしている

いつも近づき

目を合わせると不思議そうな顔をして

ゆっくりと風船が空に舞い上がるように

飛んで行くので

手を振って見送る



自由詩 風船 Copyright 灰泥軽茶 2012-12-08 04:20:37
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