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鳥のそばに鳥が降りて
花
と つぶやく
すると色は
色をやめるのだ
指さえ かなぐり捨ててまで
目は とうの昔に
泡のものだから
灰を踏みしめ 灰を廻る ....
鴉の空の隔たりの
硝子と翠
尖塔と影
描かれた窓から吐き出される火
枝から枝が降る午後の
むこうの午後を聴いている
原と原に挟まれた径
海へゆうるりと下る径
....
雨がやみ
雪になり
枝から径へ
つづく足跡
縄をちぎり
空は帰る
縄は燃える
蒼く 燃える
雪のむこうに
海があり
さまざまな色の火が
流れゆく
....
街でいたくない街が
街を街に押しつける
ばらばらと 窓から落ちる人々
道の上には 楽しい音楽
楽しければいい人たちのための
粉々の音楽
....
夕べの光に
目を見ひらいて
手をのばし
口をとがらせて
あなたは今
急がなくていい
あなたは今
想うだけでいい
新しい子
新しい子
....
街より低く
花はこぼれ
音になり
蛇になる
ひとつの手首
四つの手
ひとつの花を
廻している
火をくすぐると
飛ぶ子たち
どこで誰に
会いにい ....