ねえ
  これが、
  産まれたての時間。
  そう言いながら少女が
  綿飴をひとつ、ぼくにくれた



  まぶしい屋台の{ルビ犇=ひし}めき合う
  貧しげな七月の ....
彼女は憎しみでできている
彼女は恨みで構成され 夢見るのは血まみれの復讐
声は甘美な果実のよう
触れれば毒に蝕まれ 魂を腐敗させる

まるで天使のふりをした悪魔のように
慈愛に満ちた微笑み ....
あなたに追いつきたい。確定させたい。
素肌や、くちびるや、往来の熱のこと。
恋のはなしだ。
わたしは、いつも恋のはなしばかりしている。


嵐のように荒れて、きみが部屋を出たあ ....
ぼくはずっと はっぴい・えんどを好まず
結末の解決を観るひとたちに委ねた
ヨーロッパ映画を多く観てきたけれど

それは斜に構えようとしていた愚かさであり
実は はっぴい・えんどをもっとも求め ....
深い海の底 暗い洞窟の中
スポットライトのように
光が差し込む ブルーホール
暗闇の中のただ一つの希望
暗闇の中でただ一つの希望

ホールから差し出される手をひたすら待ち続けて 
暗闇か ....
あの「滝」に含まれる水(推)量についてと
その「滝」がこの世にあるということについて
私が、これっぽっちも手がかりを掴めないでいる間

あなたは、そんな私について
思うことがあるような素振り ....
冷たい湖の中をただひたすらに泳がせて欲しい

何処にも始まりはなく何処にも終わりがない

水草に足を取られて沈んでしまうまで

ただ泳がせてほしかった


そんな事を思いながらあの日 ....
「さよなら翠星石」

ああ、この気持ちはあれだ
尊大で高圧的な父が
ある日とつぜん無職になったような

そんで、やっとこさ再就職しても
テレビに出てる生活が苦しい人よりも
高卒のヤンキ ....
細身の女は、
恐ろしく小さな核ミサイルを抱いて
なぜだか不思議と人通りの少ない
一匹の異様に痩せた野良猫の、
か細い瞳で睨んだ薄汚い裏通りに
幾年月も在り続けたベンチさえ置かれていない露天の ....
愛と呼んでもさしつかえないくらいのきもちだったよ
朝おきて
顔をあらうまでのあいだに
147回おもい描いたり
季語のかわりに
きみの名前をいれたり
あんな
愛みたいな
ただの
鏡 ....
○号分の亜麻を
木枠に張って
憧れの画家の
許を訪ねた

描いてください
とお願いして
その、写真も
手渡した

画家は

受け取った

契約成立
お会計をお願いいたしま ....
かなうかなって
空を見あげて
思えばこそ
で足りたころ

からずいぶん
遠くに来て
しまった
ちいさな願い

なのだと思うこれは
とてもさもない
なみだなのだと

願う
 ....
誰にでも許されるべき弱さがある

そしてそれが世界を回していくと

気付かない神の子孫達はこう言う

強さこそが総てを守れる唯一の力

俺は弱いが彼女の涙を知ってるぜ
愛なんてまやかしだと教わった事がある

目の前を黒猫が通り過ぎた夜はいつでも

へべれけになって好きな女の名前を叫ぶ

抱きたいわけじゃねぇが手を繋ぎてぇな

愛す ....
優しさを見て育ったから優しくなった

厳しさを見て育ったから厳しくなった

それなら俺は何も見てこなかったんだ

誰からも気にもされない透明人間だが

愛した女が一 ....
いつもと変わらない部屋

いつもと変わらない学校

いつもと変わらない友達

いつもと変わらない僕


ひとつだけ
いつもと違うこと

君が遠くにいること



 ....
宇宙の果てにある荒れ地
月明かりが唯一の光
微小な動物達が岩にへばりつき
植物達は地をはう
足場が悪いのでこける
体中に絆創膏と湿布
望んでやって来た土地ではないけれど
牢獄から脱け出し ....
 俺あ恥ずかしんだああっ
 てめえみてえなヘッポコ詩人がああっ
 俺とおんなじ
 ファミリーネームでよおおっ
 うんにゃああっ
 おフランス語だかなんだか知らんがああっ
 余分なアルファベ ....
覚えてる?

ゆびきりげんまーん って

指切り したよね

あたしなんかね 約束したことよりも
あの日の へんなオレンジの夕陽の方が
なんか 鮮烈に覚えてるの




 ....
喋ると馬鹿がバレるからさ
語ると嘘っぽいからさ

怒ると皺が増えるからさ
泣くと幸せが逃げるからさ

止まると置いていかれるからさ
歩くと踵が減るからさ

群れると傷が増えるからさ
 ....
内気なセレーネ
は恥ずかしくて急ぎ足
ビーナスとジュピターが
囃し立てるが
菫色の空を 
素知らぬ顔で
つれない素振り

ギジムナーは
煙草を吸いすぎて
舌が苦い

夕霞が夜に ....
道路に落ちた雨粒たちが 車が走る度 ドレミだけしか必要ない

 耳慣れした淡白な音色を走らせる

空中に住んでる雨粒たちが 着地する場所に迷わず ストレートに

 本能に従い澄んで魅せる
 ....
あのひとのうちで食べた朝メシは

こんがり焼かれたトーストだった

自分ちとはちがうパン

自分ちとはちがうマーガリン

ジャムもちがった

そのなにもかもに違和感を感じて

 ....
世界が滅びたその時は
きっと美しいだろう
現在とはその一瞬のための
長大な積み重ねの事
人々の不安も文句も やがては
神の花火となって散るだろうさ
その時、宇宙の犬はそいつを見て
「ワン ....
ぼくの精神にプラスチックのねじが
差し挟まっている。
それは青い電飾と呼応して
毎晩ぼくにあいさつをする。
水浸しの灰色街路地
跳ね音聞いて雨宿り
老い猫がにゃあと鳴いて
酷い雨だと目を細める

妙に優雅な流線形
横目でこっそり撫でた
ごろごろ音がして
雷も気持ち良さそうに

ああ誰 ....
くよくよしない犬がいる
主人がくるのを待っている
声をかけると
たらりとしっぽでこたえた
なでてもいいよと
いったのか
待つことだけを
している
くよくよしない犬
北の国で少女は
歌を集めて翼を織った
旅してゆきたかった
生ぬるいかげろうの季節に
歌はそこら一面で摘まれ
籠のなかでちいさく鳴いた
迷子になったひよこたち
草原を季節風が ....
夏の声が遠く聞こえて
私は銀色の車体が纏う
緑色の線に魅入られる

夏の声を遠く聞きながら
私は日陰のコンクリート
じわりと汗をかいている

ビルが作る無風地帯が
私の気分を悪くする ....
飛ぶ日まで

それはいつかの晴れた日 君は空を眺めてて
飛びたくなくなったって 寂しそうに愚痴る
どうしようなんて そんなこと僕になんて言うなよ
僕に大層なこと 言えるはずもないだろ

 ....
マーブルさんのおすすめリスト(278)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
綿飴- 草野春心自由詩19*12-5-20
復讐に溺れる- 無限上昇 ...自由詩312-5-20
その祈りは、とても細く硬い針のように振れて、きっと何者もきず ...- ねことら自由詩512-5-20
はっぴい・えんど- HAL自由詩7*12-5-18
ブルーホール- 無限上昇 ...自由詩812-5-17
風が刺さって- yuugao自由詩212-5-17
- 永乃ゆち自由詩8*12-5-17
スーパーエンドルフィン翠星石- 一 二自由詩1112-5-17
暁のエクスタシー_★- atsuchan69自由詩11*12-5-16
さしつかえないです- はるな自由詩412-5-16
あったよ- もっぷ自由詩412-5-15
夢の通り道- もっぷ自由詩712-5-15
強さ- 永乃ゆち自由詩2*12-5-15
まやかし- 永乃ゆち自由詩2*12-5-15
性分- 永乃ゆち自由詩2*12-5-15
- ジュリエ ...自由詩412-5-13
MOTHERSHIP- terada take ...自由詩312-5-13
ランボー- 藪木二郎自由詩2*12-5-11
千切った小指- はるこ自由詩312-5-9
circulate- faik自由詩12*12-5-8
春の星座- まんぼう ...自由詩312-5-7
雨粒に寄せて- 朝焼彩茜 ...自由詩7*12-5-2
つめたいジャム- 吉岡ペペ ...自由詩412-5-1
宇宙の犬- yamadahifumi自由詩412-5-1
ソケット・ソネット- 高原漣自由詩312-4-30
LOVE,is_like_a_rain.- mm自由詩412-4-29
店先の犬- 朧月自由詩312-4-29
五月、北の国の少女は- あまね自由詩2312-4-29
つゆいりまえ- ブロッコ ...自由詩6*12-4-29
飛ぶ日まで- itukamitanij ...自由詩2*12-4-29

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