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きみと最後に観た十五夜は
もうどのくらい前だったのだろうか

きみは教えてくれた
中秋の名月はもともと中国から
伝来したものだと

ぼくはそれは知っているよときみに答えた
じゃ十三夜は ....
泣きたいだけ泣きなさい
涙はそのためにあるんだから

ひとりで泣いても佳いし
だれかの胸で泣いても佳いから

それは弱いことではないし
情けないことでもないから

意地なんて張ること ....
狂気と理性が戦ったとき
果たしてきみはどっちが勝つと想う

理性か理知的なきみのことだ
そう言うと想ったよ

でもぼくの解答は違う
勝つのは狂気だ

なぜなら狂気は理性を殺せるが
 ....
薬が旨い 野良猫でありたい 約束してないから なにに於いても高尚なものだけが
ひとのこころを救い癒すものではない

能動さを求められず受動さだけで
なにも考えずいられる下らないものにも

背負う生の重さを軽くしてくれる力があることを
 ....
弁護依頼
冒頭調停
資産精査
財産分与
親権争い
罵詈雑言
憎悪交錯
視線鋭利
責任主張
法廷闘争
損得勘定
喪失感覚
精神耐久
疲労困憊
結局敗北

それこそ
離婚 ....
気がつくと窓から射し込む
光の色が朱から濃い藍に
変わっていこうとしていた

ああ、もう陽が落ちる時間が早くなった
ぼくは窓に眼を遣るだけで
ソファから立ち上がらなかった

此処に移っ ....
Rock'n' Rollを聴いてるだけで
ぼくらは不良と決めつけられた

JAZZ喫茶で本を読んでいただけで
ぼくらは不良呼ばわりされていた

髪を長く伸ばしているだけで
ぼくらは不良扱 ....
トルーマン・カポーティは《冷血》を書き
大岡昇平は《事件》を書き
そして沢木耕太郎は《テロルの決算》を書いた

そこに流れつづけているのは
なぜひとはひとを殺すのかを
我等に問う厳しい難問 ....
人生はだれに取ってもほとんどが
ハッピーじゃないから

それを骨身に沁みて知っているひとは
ハッピー・エンドを愛する

それがどんなに絵空事であったとしても
ハッピー・エンドを愛する
猫になりたい どんな死に方であっても

無駄死にと呼ぶものは存在しない
ぼくらが選ぶことは
できないことだけど

できるなら人生のピークは
晩年に訪れた方が佳い

それをアーウィン・ショーは
《50ヤードの独走》と云う
短編小説で余りに早く
人生のピーク ....
嬉しいことはそんなにないのに
悲しいことはいっぱいある

その悲しみはひとそれぞれだけど
だれもがその悲しみを背負い生きていく

でもその悲しみはひとの悲しみを教えてくれる
だからだろう ....
本は終わりから読む
音楽は終奏から聴く

恋は別れからはじめる
映画はエンドロールから観る

旅は終車駅からはじめる
夢は目醒めてからみる


そしてぼくは死から誕生する


 ....
あなたたち大人が悪政や貧困や搾取や弾圧に対して
歯向かうのは分からないではない

しかし それはこどもに武器を持たせ
そのつかい方を教える理由にはならない

大人はいつも勝手な義を矛にし戦 ....
『お客様は神様です』が口癖の歌手を
ずっとぼくは揶揄もし馬鹿にもしていた

しかし彼がシベリア抑留者だと知ったとき
餓死・凍死・狂死・刑死・自死で亡くなった同胞と
同じにならず瀕死の想いで
 ....
夢はほとんど叶えられない
それが人生

信じた愛は想わぬときに失う
それが人生

希望は絶望に叩きのめされる
それが人生

こころは骨折する
それが人生

きみは裏切られる
 ....
親を亡くした子を孤児という
妻を亡くした夫を寡夫という 
夫を亡くした妻を寡婦という
しかし子を亡くした親を呼ぶ言葉はない


その痛みや悲しみを表現できる言葉はどこにもない
海外の国を訪れた時
その国の母国語だけでなく
他国語が通じた場合

その国の歴史のなかで
侵略 植民地化 占領によって
多くの血が流れたことの
ひとつの痕跡なのである
あなたたちは自ら望んで
戦地に赴いた訳ではない

ただ父や母や祖父や祖母を
そして幼き子と愛する妻を護るために

玉砕覚悟で銃火飛び交う島々へと
海では一機一艦の命を受け空で散華した
 ....
この街のひとがラテン系だと教えてくれたのも
陽気なラテン系のひとだって
その心には大抵ひとには言わないけれど
苦い悲しみを背負っているのよとも
教えてくれたのはきみだった

ぼくは生粋の大 ....
あなたはとても幸せだと想うわ
だって辛いんでしょ
だって淋しいんでしょ
だって泣きたいんでしょ

そんなもの もうあたしは忘れたの
そんなもの もうあたしは捨てたの

それでなぜそんな ....
あたしはまだあたしの咲く場所をみつけられずに
風のなかを漂っている
まるで帆を失った帆船のような気分で
風まかせで漂っている

どんな花を咲かせようと若い頃から想いつづけてきたわ
それなら ....
ぼくは効率を好まない
いや嫌いだと言っていい

理由は簡単だ
ひとが物として扱われるから

ただ利益や成績を上げるために
心のない物として扱われる

ひとに取ってそれは理不尽と呼んで ....
きのうのよる
ゆめをみたの
あたしのおじいちゃんと
うどんやさんにはいって
なにをたのもうか
めにゅーをみていたゆめだった

あたしはまだかんじがよめなくて
よめるきつねうどんにすると ....
ぼくは麻酔類の効かないからだのようだ
25歳の時に盲腸の手術でそれを知った

局部麻酔なのにいつまで経っても
まったく麻酔は効きはしなかった

オペの開始を待っていた医師は
業を煮やして ....
赤ん坊は何故生まれてきてすぐ泣くのだろうか

それはやさしい世界から厳しい世界へと来たことを

すでに知ってしまうからなのだろうか

生の悲しみをすでに知ってしまっているからなのだろうか
 ....
そらの珊瑚さんのHALさんおすすめリスト(271)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
片見月- HAL自由詩11*12-10-3
自分で自分を支え切れなくなったときは- HAL自由詩4*12-10-2
称賛されしものか- HAL自由詩5*12-10-1
今日も元気だ- HAL自由詩5*12-9-29
餌を貰うために奴隷のようにお坐りお手をして尻尾振る犬よりは- HAL自由詩2*12-9-27
土砂降りの雨の中いつまで待ってもあのひとがこないのは- HAL自由詩2*12-9-26
下らないもの- HAL自由詩4*12-9-25
泥仕合- HAL自由詩3*12-9-23
黄昏- HAL自由詩4*12-9-23
昔話か?- HAL自由詩6*12-9-20
ノンフィクション- HAL自由詩2*12-9-19
絵空事- HAL自由詩7*12-9-18
いまはただ陽溜まりのなかでからだを丸めて眠っている- HAL自由詩4*12-9-17
死に方- HAL自由詩4+*12-9-15
ピーク- HAL自由詩5*12-9-9
悲しみがくれるもの- HAL自由詩6*12-9-7
誕生- HAL自由詩9*12-9-4
置きなさい- HAL自由詩5*12-8-29
『お客様は神様です』- HAL自由詩8*12-8-27
些細な人生論- HAL自由詩4*12-8-20
呼び名- HAL自由詩4*12-8-19
母国語と他国語- HAL自由詩1*12-8-19
英霊の歌- HAL自由詩3*12-8-15
Latin_OSAKA- HAL自由詩4*12-8-9
感染- HAL自由詩5*12-8-7
花一輪- HAL自由詩3*12-8-6
効率- HAL自由詩3*12-8-1
新創世記- HAL自由詩9*12-7-30
悟り- HAL自由詩5*12-7-30
意味- HAL自由詩7*12-7-26

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