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鏡のなかの、
少女のままの彼女に
メールをする。
液晶の水面は、
音もたてずに目を閉じる。
鏡のなかの少女は私だ。 ....
風の車内に、
弾丸が飛び交っている。
女の鋭い視線に、
私の眉間は打ち負かされる。
ここでは、
誰もが皆、
小さなスライド硝子のなかに弾丸を隠している。
ある男は弾丸を飼っ ....
私はさかなをかく。
私はさかなはかかない。
さかなのなかを私はかく。
さかなを支える骨の内部を流れる
熱い海の流れを。
*
塩焼きにされた秋刀魚にかぶりつく、
がり ....
(さびしいと思うこと)
それももうなくなった。
皆、鏡の向こうにいってしまった。
だから、
....
刑務所で子供を生んだ。
その子に「あかり」と名付けた。
闇ばかりだったあたしの人生に
あかりが灯るようにと。
あたしには、
殺人未遂経験がある。
14歳の中2の夏の日、
....
(世界は、針の骨を隠して生きている)
その身にさくり、
前歯を立てる。
雪のような淡白な
甘味のある肉の味が
春の風を呼んでくる。
けれどもその下で
支えている鋭い骨は ....
空になった孔の底から、
風が吹き抜ける声が聴こえる。
喉の奥が苦しくて、手を伸ばす。
(届かない、でも感じる) ....
左手の小指にまわるトパーズがいつかの夏の空をなぞりて。
一抹の不安枕に眠りゆく終電までの線路の軋み。 ....
両手で掴みとった羽根が、
灰になって消えていく。
白い大地に佇む夢で目が覚めた。
(もう、約束はしない) ....
(誰かが見ている)
そんな気配で
窓を振り返ると
一匹のしらすの目があった。
思い出した、
弁当箱いっぱいの
ぎ ....
目を開いて感じてください。
同じことばは二度と書けない私の
たったひとつのことばを。
目を閉じて委ねてください。 ....
何かを書こうと考えるとき、私は大概「過去」を思う。記憶の片隅に置いてきた大きなものや小さなものの過去という時間。光が闇から生まれるように、私も過去から生まれてきたのだ。未来を見つめるにも過去の目が必要 ....
私から、
なにかが抜け落ちている。
そんな気配がして
足元を見ると、
枯れたことばの欠片たちが
犇め ....
服を脱ぎ捨てて、
皮膚を剥いで、
すべて剥ぎとる。
まだだ、
核心に触れるまでは遠すぎる。
いったいどこまで
いったいいつまで
続くのだろうか。
魂は太陽に比例 ....
皮を剥くことばかり求めて、
実の味を忘れた
林檎みたいな私の肌に、
あなたは歯をがりり立てました。
私はその痛みに歓喜し
ちいさな翼を羽ばたかせ
あなたの心のなかの
小さな ....
忘れられない、大切な人との出逢いや別れはなにか、と問われると、いつも思い出す人がいる。S姉さん。私より4つ年上のアルバイターだった。S姉さんは、アパレル関係の仕事をしていたせいか服のセンスもよく、ス ....
クリスタルアメジスト、という口紅を買った。夏になる前頃から気になっていた口紅だ。駅ナカのショップの隅に置いてあったその口紅を試しに唇に当ててみた(本当は手の甲に着けるのに)。するとどうだろう。一日に ....
最近になるまで気がつかなかったことであるが、わたしは仕事でよく手を使う。いや、手が仕事だと言っても過言ではないくらいに。べつに美容師やエステティシャンやマッサージ師ではない。某公共料金の申込書の封入 ....
ことばを吸い込むと、
身体中の血管が弾けて、
なみだになって流れていく。
そのなみだが、
地に落ちて、
灰色のキャンバスの上に落ちていく。
キャンバスの頬に
薄桃色の赤みが ....
私がいないなら、
あなたがいる。
あなたがいないから、
私がいる。
いつも時計のように
交わっては消えていった、
数秒の肌の記憶。
何度生まれ変わっても
告げられな ....
夕方、
車中で左隣に座った老人に、
肩で殴られた。
私のなかで何かがメラッと揺れて、
痛い!
と両手一杯に 石をぶつけだが ....
剣のような針が
私の背中を追いかけてくる。
私は追いやられている。
70年前に首都や広島、
長崎をめちゃくちゃにした、
機銃掃射もこんな風に逃げ惑う人々を
追いやったに違い ....
私が私にできることは、
私が私を私からぬきとること。
肉をぬきとって血を降らせて、
骨をぬきとって風を吹かせて、 ....
あなたには、
打たれた記憶しかなかった。
言葉の手のひらで、
私の頬や背中や足を、
あなたは何度も打ってきた。 ....
なにもしていない。
けれどこの手は何かを求めている。
白昼夢のなかで、
この右手は、
人混みを漁る。
ぶつかった誰かの
心臓に手をのばし ....
一枚一枚、
皮膚を削る。
削り落ちた皮膚はことばになり、
わたしというあなたの淵へ落ちていく。
あいすることも
ものを書くということも
すべての始まりは哀しみだ。
....
わたしのなかの、
異質さをみつめる。
わたし自身が異質だから
何が異質なのかわからない。
硝子窓に石をぶつける。
窓に罅がはいる。
わたしのなかの
罅はなにか。
....
私は誰もが知っていることを知らない。
私は誰もが知らないことを知っている。
誰にもみえるものが
私には見えない。
誰にもみえないものが
私には見える。
あなたは今、
笑 ....
雨をください
誰かが言う。
血をください
私が言う。
すると、
突然鼻の奥がむず痒くなってきて ....
冷えた世界で
燃え上がる身体が熱い
沸き立つ血に咲く薔薇は
皮膚を突き破って
あなたへの月を探す
握って、にぎって、
悲しみで切りつけたこの腕を
潰して、つぶして、
....
そらの珊瑚さんのあおい満月さんおすすめリスト
(126)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
扉
-
あおい満 ...
自由詩
5*
15-11-3
ささくれ
-
あおい満 ...
自由詩
6*
15-10-22
もえるうみ
-
あおい満 ...
自由詩
19*
15-10-20
蜜柑
-
あおい満 ...
自由詩
7*
15-10-18
光
-
あおい満 ...
自由詩
6*
15-10-10
さわら
-
あおい満 ...
自由詩
7*
15-10-10
青空
-
あおい満 ...
自由詩
8
15-10-7
リング
-
あおい満 ...
短歌
3*
15-10-7
東の夜
-
あおい満 ...
自由詩
6
15-10-4
しらす
-
あおい満 ...
自由詩
14*
15-10-3
未来へ
-
あおい満 ...
自由詩
8*
15-9-27
過去
-
あおい満 ...
散文(批評 ...
3*
15-9-15
ペン
-
あおい満 ...
自由詩
9
15-9-14
太陽
-
あおい満 ...
自由詩
6*
15-9-6
接吻
-
あおい満 ...
自由詩
14*
15-9-5
S姉さん
-
あおい満 ...
散文(批評 ...
5*
15-9-2
口紅
-
あおい満 ...
散文(批評 ...
4*
15-9-2
紙折る手
-
あおい満 ...
散文(批評 ...
2*
15-9-1
分身
-
あおい満 ...
自由詩
10*
15-8-31
はなびら
-
あおい満 ...
自由詩
14*
15-8-30
片胸
-
あおい満 ...
自由詩
7*
15-8-27
一部に
-
あおい満 ...
自由詩
4*
15-8-25
私に
-
あおい満 ...
自由詩
3
15-8-24
場所
-
あおい満 ...
自由詩
11*
15-8-22
火花
-
あおい満 ...
自由詩
11
15-8-16
未知のことば
-
あおい満 ...
自由詩
5*
15-8-14
手のひら
-
あおい満 ...
自由詩
4
15-7-28
蕾
-
あおい満 ...
自由詩
8+*
15-7-12
さかさ
-
あおい満 ...
自由詩
6*
15-7-1
三日月
-
あおい満 ...
自由詩
3
15-6-28
1
2
3
4
5
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