未来へ
あおい満月

目を開いて感じてください。
同じことばは二度と書けない私の
たったひとつのことばを。
目を閉じて委ねてください。
私のなか流れる赤いあたたかな雨の流れに。
いつわりのない音しかあなたの耳には届かない。

だから私は、
身体中でことばを紡ぐ。
魂を絞りきって。
いつか心に焼きつけた傷が疼く。
けれど、
吹きすさぶ嵐のなかであなたを呼ぶ。

愛し合うこととは、
わかりあうこととは、
何なのかがわかりかけてきたのは、
あなたに出会えたから。
今、ふたりで、
歩く道の前には
棘の森が立ちはだかるけれど、

こえていける。
こえてやる。

ふたり、
手を繋いで。
私の鼓動をあなたに伝える。
あなたの鼓動が私に伝わる。
東の空が破れてきて、
赤い太陽の吐息が見える。

行こう。
約束を交わした、
懐かしい未来へ。


自由詩 未来へ Copyright あおい満月 2015-09-27 12:23:08
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