すべてのおすすめ
花冷えの誰もフォローをしない夜
夕暮れを追い越すように燕飛ぶ
粉々に砕けたる飴初紅葉
朝のドクターイエローや梅紅葉
蟲時雨犬の口から拡声器
白梅や昨日も今日も神頼み
白梅の空やルビーの耳飾り
梅真白舌にマーブルチョコレート
マネキンの曇ったメガネ冬の服
悲しみのぶん氷切り出している
鬼嫁は阿修羅の如く豆を撒く
残業の夫に代はりて豆を撒く
豆撒の猫に被せる鬼の面
もう数を数へたくなく年の豆
節分やコンビニで買ふ恵方巻
豆撒の鳥が来てゐる朝の庭
....
湖の奏でたる音寒蜆
福引のちぎれた餅へ紅い塩
複数の茶柱の立つ初句会
向日葵の咲く通学路笑い声
青嵐鍔を折りたる学生帽
十五夜の沈黙したる水枕
女医による検診となり冴え返る
浅春のオランダカラシ準夜勤
紫の雨降る夜の冬薔薇
燃え上がり産毛をこがすオイルのにおい風のZippo
物質の夜を満たすネオンサインの転がる路上で
ルーティーンなぞった指がタールにそまる
いつも通りのカーゴパンツでひそかに運ぶ日々の転 ....
国境に有刺鉄線秋燕
冷蔵庫たしかにプリン入れたはず
菊枕嘘をついてる味がする
犬用のコーヒーガムや囮籠
墓までの道はタモリの好きな坂
青田風赤いバイクに二人乗り
広すぎる青田のそばの墓地に猫
青田波セスナを上から撮るカメラ
夏深し月を吐き出す遠い雲
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