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なにもかもおしまいにする
口にしてはいけない
例のあいつ

わたしは疑っている
道をゆく九分九厘の人が
みんなそいつをふところの隠しにいれているのではないかと

シータとパズーの重ね合 ....
あなたの楽園へ行った人へ
帰ってこないでください

きっとそこでは、なにもかも違うのでしょう
あなたは俗世の言葉を忘れて楽園の言葉を口にする
わたしにはわからない
耳に心地よく華やかな調べ ....
生きているかぎり
食べない人はいない
だれもかれも食べている

そのありようは
そのままその人の日々を反映して

丁寧に手をかけた一汁三菜も
インスタントに湯であたためたものも
凍え ....
わたしは壁のなかに育った
壁の外に
出たことも見たことも聞いたこともなかったが
外があることを知っていた

夏、庇の下に燕がやってくる
燕は夏に来て冬に去る
燕が冬を過ごす地がどこかにあ ....
血を吸うな吸血鬼
おまえは蛭のように
皮膚にとりつき離れない

おまえは不幸なことに
好いた人間の血しか吸えぬと言う

血を吸うな吸血鬼
おまえが好いた人が死んでも悲しむな
それはお ....
螺旋階段と信じて歩を進めてきたのに
それはネズミの回し車だったのだろうか
歩んでいる感覚さえあればいいと勘違いして

だれもが感傷的でうんざりする

行く先を見誤れば、それは己の尾を追いか ....
拝啓と書く
敬具で〆る

小学生のとき
電話とメールというメディアの違いを考えよ、という課題があった
今はもう、そのどれもがふるい
既読がつき、いいねがあり
三分の空隙にすら意味がうまれ ....
終わりをできるだけ遅らせる努力をしよう、と友は言った

終わりをできるだけ遅らせる努力をしよう
終わりをできるだけ遅らせる努力をしよう

口のなかで転がす友の言葉
面映ゆい心地
友の深い ....
絡まるイヤホンを揉んで
非接触に移行できない未熟な時間
その痛みにさわるな
わたしはそれが苦痛だときちんと知っている
だれに認められずとも
たしかにそこに存在してる傷

その痛みにさわるな
わたしはそれをおまえのために
加工したりはしない
爪がずっとぼこぼこなんだ
前に聞いたことがある
これは不健康な時間の地層なんだって

でも、人差し指のだけ桜貝のようにつるりとしてる
どうしてだろう
人差し指だけは社交的だったのだろうか
 ....
夜ごと枕カバーに涙をすりつける
外はトラックが跳ね回っている
家が小さなビートを刻む

わたしがわたしである重み
まるでゾウに踏みつけられてるよう……!
こんなものを背負って歩いてると、肩 ....
あなたはわかる、と言いました
わたしはわかられた、と思いました

花が咲き乱れ、天国の鐘がなる
果てのない全能感、無敵です
もはや孤独ではないのだから
なんでもできることでしょう

背 ....
四角いガラス面をするすると撫でますと
指先は青く黄色く染まり
眼球は吸い込まれ
奇妙に近く感じます。
錯覚でしょうか。
いつもすぐそこにいる気がするのです。
だってあなたの朝ごはんも晩ごは ....
わたしは
ノスタルジーだけでは詩はかけない
安易なイメージだけでは詩にならない
安易なイメージは、現実のなかにはないことが多い

詩を書くときはいつも、おし込めた思いが、わたしを食い破ろうと ....
ざりざりと行軍をするつむじたち、生活のため波に飲まれて

ストーブのやかんよろしくシューシューとため息を吐く汽車じゃないのに

ひそやかに皆息を詰めているのに足音電車耳を壟する



 ....
いわないけど、ないしょだけど
けさ、前髪切って
おさなくなったの、わたし
せかいの見通しよくなり
切り揃えたまっすぐな視覚
ぴかぴかの鉄砲水がさらってく。

きみとあえるうれしさが
心 ....
重なるたび、すこしずつ、わたしは失われ
すかすかの肉がさみしくて
取り戻そうと、ふたたび、重なり
また失われ
ぽちゃぽちゃと、太ももの脂肪がつめたい

波のように、寄せては返す、痛みにう ....
熱湯を浴びたあと
綺羅綺羅しくこおりが浮かんだ
キンキンな水に投げ込まれる。
いちばん色鮮やかで、歯ごたえのある状態でとまる。

サッて血が昇って(顔が熱い!)
サッて血が落ちる。
わた ....
眼鏡をはずし
目の前を水中に沈めれば
外灯は滲み
ひとびとは陽炎になって
せかいはちいさくちかく、まるくなると
おもっていたけど
無限のひろがり

おとこもおんなもなく
泳ぐような身 ....
種々(くさぐさ)の根に吸い上げられる水の轟音。
あなたのその脚は、根。土に喰い込んだ根。
その根はあなたの地上の背丈よりずっと、地下高くひろがり、吸い上げている。

根の国の暗渠には、歌が ....
まひる、白い、アスファルトのうえ
くるくるまわり、昇っていくむしの群れ。
らせんを描き、そらへはしごをかけていく。
きっと遥かな静寂に届くまで(たとえば、海王星の近く、とか)。

暢気に渦巻 ....
玄関であなたの手を握り
じっと、見つめて「じゃあね」って
言う。

そとは風で荒れ
そらはひっくり返ろうとしている。
世界は脱皮をしようとしている。

脱皮する春の皮膚へ
あなたを見 ....
梅昆布茶さんの凍湖(とおこ)さんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
例のあいつ- 凍湖(と ...自由詩321-11-2
あなたの楽園- 凍湖(と ...自由詩121-11-2
だれもかれも食べている- 凍湖(と ...自由詩2*21-11-2
わたしは壁のなかに育ったが- 凍湖(と ...自由詩421-10-29
血を吸うな吸血鬼- 凍湖(と ...自由詩421-10-21
きっと外- 凍湖(と ...自由詩121-10-15
文通- 凍湖(と ...自由詩1821-10-10
終わりをできるだけ遅らせる努力をしよう、と友は言った- 凍湖(と ...自由詩221-10-2
イヤホン- 凍湖(と ...短歌221-9-21
その痛みにさわるな- 凍湖(と ...自由詩421-9-21
人差し指の不思議- 凍湖(と ...自由詩221-8-28
孤独- 凍湖(と ...自由詩321-7-5
わかる、あなたとわたしはおなじ- 凍湖(と ...自由詩521-6-18
露を受ける- 凍湖(と ...自由詩620-4-23
わたしに書かせるもの- 凍湖(と ...散文(批評 ...515-8-7
駅で(冬に)- 凍湖(と ...短歌114-6-29
なちゅらるハイ- 凍湖(と ...自由詩214-2-28
レモン石鹸- 凍湖(と ...自由詩114-2-8
色止め- 凍湖(と ...自由詩5*13-9-15
近視の夜歩き- 凍湖(と ...自由詩1013-9-3
根に吸い上げられる水のはなし- 凍湖(と ...自由詩513-4-24
はしごの先へ- 凍湖(と ...自由詩313-4-12
あなたにつけられた寝癖- 凍湖(と ...自由詩413-3-14

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