すべてのおすすめ
   大通りを一本奥へはいった
   ラーメン屋の先の三叉路の角っこに
   その八百屋はあるんだ
   狭い軒先に段ボールが並べられ
   曲がったキュウリや
   太さも大きさもまち ....
だれかの帰りを待ちながら
とんとんとんと野菜をきざむ
だれかの帰りを待ちながら
からからからとグラスを鳴らす
だれかの帰りを待ちわびて
ぽろぽろぽろと頬ぬらす
今度生まれてきた ....
スーパーに並ぶ玉ねぎは
じつは人の魂です
皮をむくたびによぎるものあり
涙がとめどなく流れます
玉ねぎを最後まで
むいてはいけません
むいたらそこで、おしまいです




 ....
コノヨニアナタガアルカギリ

コノミヲカゼニナビカセテ

トオクノソラヲアオギミル
沈黙の夜に雨降りて
火照るからだを晒そうと
愛してるとは口が裂けても
言えませぬ
白い朝が冬の到来を告げた
水やりに素足でベランダに立てば
コンクリートの冷たさが
足の裏からはい上がり
からだのぬくもりをしらしめる
ベランダにつくった小さな庭
たくさんの命の ....
    サンダルを履いた踵は
    うっすらと紅く
    右手のビニール袋からは
    ネギの緑がとびだしている
    歩くたびにガサゴソと
    にぎやかなさびしげな
     ....
       夜更けに降った雨はあがった
       そらはどこまでも透き通り
       青く高くひかりに満ちる
       さぁ腕まくりして窓ふきをしよう
       透き通るほど ....
      


         あかるいあかるい夜でした
         そっとまぶたを閉じて横たわり
         窓から手をさしのべる
         やさしいやさしい ....
            こんな日がくることを
            いつから知っていたのだろう
            告げねばならない
            それがわたしの役目 ....
            気をつけたまえ
            背中を向けて
            眠るとき
            寝首をかくかも
            しれ ....
             きみに桃缶をささげよう
             からっぽの胃にそれは
             やさしくおさまるだろう
             あまい汁は熱 ....
             そのときがきたら
             「やぁ、おそかったね」と
             にっこりわらって
             かみさまと握手をしよ ....
             明滅する赤や緑の光を浴び
             暗闇にしまうまは横たわる
             静けさの中でざわめきだけが
             息 ....
               きゅうりに背骨は
               ないけれど
               きみの背骨は
               きゅうりの味が ....
             

             毛布の中で
             顔をうずめた 
             
             汗と熱のこもっ ....
            白いものがまじってさ
            だんだんそれが増えてきて
            やがてまっ白になるまで
            きみを見ていた ....
               降らずの空は高すぎて
               手を伸ばしても届かない
               花曇りの憂鬱ならば
              ....
            疲れちまったと吐き捨てて
            ビールをあおり
            憂さを晴らせるうちはいい
            吐き出す言葉す ....
           人のまばらな駅のホームで
           うなじが捉えた陽だまりは
           やさしいまでに背を撫でる
           電車がくるまでに ....
      さくらの花びらにあなた宛ての
      手紙を書きました
      そろそろ、そちらにつく頃でしょう
      花びらが散りましたら
      したためた詮無き ....
            横たわる男のひげは春を待つ
            閉じられた青白いまぶたの奥で
            なにを夢にみるのだろうか
            弥 ....
     さむいさむい小さな箱の中、そこがふたりの始まりでした。
     ほっぺを真っ赤にしたトマトはまるでお日様をそのまま
     詰め込んだようで元気いっぱいはちきれそうです。 ....
                拳のなかで
                石は砕けて粉と散る
                返す言葉はどこにもなくて
           ....
               せつなさと呼ぶにはうす汚れ
               虚しさと呼ぶには大げさすぎる
               そんなありふれた感情は            ....
            細胞のひとつひとつが
            ふつふつと沸騰しはじめ
            身体ぜんたいが熱を帯びる

            生きている ....
         枕だきお嫁にしてと寝言ちる
         はだけた足を夜風が舐めた












 
               白いハンカチを
               一枚買いました
               うすいうすいハンカチで
             ....
             なぁ、もう啼いてもいいっしょ?
               
              まだはやかんべ
             
            ....
              死んでしまいたい夜に
              みそ汁をつくる
              干からびた大根のしっぽを
              短冊に ....
梅昆布茶さんの石田とわさんおすすめリスト(232)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏八百屋- 石田とわ自由詩12*12-12-9
音のある部屋で- 石田とわ自由詩10*12-12-7
玉ねぎほどの魂- 石田とわ自由詩8*12-11-15
ナビカセテ- 石田とわ自由詩4*12-11-10
しめやかなるもの- 石田とわ自由詩2*12-11-7
寒風にさらされて春を待つ- 石田とわ自由詩6*12-11-5
薄紅いに染まりし夕暮れ- 石田とわ自由詩6*12-11-2
背伸びして窓をふく- 石田とわ自由詩13*12-5-12
くるまれて- 石田とわ自由詩10*12-5-7
ピクニックへ行くように- 石田とわ自由詩11*12-5-2
背中枕- 石田とわ自由詩11*12-4-26
桃缶と祈りの夜に- 石田とわ自由詩8*12-4-23
やくそくの日- 石田とわ自由詩6*12-4-20
夜を仰ぐ- 石田とわ自由詩8*12-4-19
きゅうりと背骨- 石田とわ自由詩12*12-4-17
背骨と小犬- 石田とわ自由詩8*12-4-16
風のなかで- 石田とわ自由詩7*12-4-16
憂鬱を土に還し- 石田とわ自由詩6*12-4-10
残骸を投げ捨てろ- 石田とわ自由詩7*12-4-9
陽だまり- 石田とわ自由詩8*12-4-9
てがみ- 石田とわ自由詩8*12-3-20
春とひげ- 石田とわ自由詩6*12-3-15
トマトときゅうりの物語- 石田とわ散文(批評 ...4*12-2-27
言葉と祈りと拳のなかで- 石田とわ自由詩12*12-2-25
ありふれ- 石田とわ自由詩10*12-2-9
ささやく細胞- 石田とわ自由詩8*12-2-7
枕抱く- 石田とわ短歌4*12-2-7
白きハンカチ- 石田とわ自由詩7*12-2-3
春告げ鳥のうた- 石田とわ自由詩5*12-2-2
大根が泳いだら- 石田とわ自由詩8*12-1-28

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する