背伸びして窓をふく
石田とわ

       夜更けに降った雨はあがった
       そらはどこまでも透き通り
       青く高くひかりに満ちる
       さぁ腕まくりして窓ふきをしよう
       透き通るほどにぴかぴかに磨きあげ
       たくさんのそらをこの部屋に呼び込むんだ
       五月は命の匂いがする
       街は彩られざわめいている
       なにもできないと膝をかかえ
       うずくまっていても仕方がないじゃないか
       ざわめきを溢れかえる色たちを眩しいひかりたちを
       顔をあげて受け止めよう
       たくさんの命にかこまれた
       愛すべきこの日々たち
       ベランダで脚立にのって背伸びすれば
       すべてを磨きあげることができるだろう
       愛しいものを愛しいままに
       こころから受け入れよう







             
             


自由詩 背伸びして窓をふく Copyright 石田とわ 2012-05-12 13:44:44
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