すべてのおすすめ
盗人のような夕日が、薄曇りの空に紛れてゆっくりと沈んだので、俺はまるで破産した大金持ちのような気分で遮光カーテンを閉じた、喰い過ぎた晩飯がウェイトになって胃袋に伸し掛かる、だからイヤホンを突っ込ん ....
欠けたグラスの縁から飲んで唇から途方もない血を流せばいい
解けた鎖を無茶苦茶に絡め直して永遠を誓えばいい
もう二度と手に入らないものは
どんなに蔑ろにしたって誰にも叱られない
闇雲に生えて ....
海岸に流れ着いた死体は
名前のないまま葬られた
世間から隔離された
小さな漁師町の住民たちの優しさは
どちらかといえば退屈から来るもので
テツは一五歳
マチは一六歳
ラノは一四歳だっ ....
二七度目のクラクションのあとの殺人事件、三十代のサラリーマンは運転席で生涯の幕を閉じられた、みぞれ交じりの雨が降る二十二時のことだった、アスファルトに流れた血液は真っ先に車道脇の排水口へと姿を消した、 ....
あなたは世界をかくすほどの傘をさして
しのび足のような雨のなかを歩いている
ひらひらするくるぶしまでのスカートはすこしだけ濡れて
きれいにふちどられたショートケーキのようだ
つばめは果 ....
亡骸の幻影を抱いて
流木の間を
記憶を縫い取るように歩く
靴底を受け止める
砂浜の感触は優しく
けれど
優しさというのは
時折
無関心と同じで
巡回機のようなカモメたち
薄 ....
見知らぬ駅に降り立つ夢、駅の名も、電信柱に括りつけられたスピーカーから流れているローカルラジオの内容も、その時電話していた相手の名前も、その内容も、駅側のモニュメントのところで出会った年配の男のこ ....
滑落した真夜中の亀裂の底辺に横たわり
衝撃の中で朧げな幻想を見ていた
ままならない肉体のどこか入り組んだ場所で
仕切り直しよりもシャットダウンが要求されていた
そこは氷山の中心のように ....
僕らは、揺れているだろう
冷めた血を滴らせながら
僕らは揺れているだろう
なにも見えない世界や
なにも聞こえない世界
そんな世界のことを
恐れ、そしてどこかで憧れもしながら
....
動脈は情け容赦のない撲殺、静脈は金切声、細胞は無感覚なギャラリー、そんな蠢きの夜だった、与えられた寝床は求められたものと決して同じではなかった、湿気が強すぎたし、隣室には他人のものを覗いてばかりいる薄 ....
近頃はなんだかテレビで誰某があんなこと言ってやがったとか政治家が遊んでたとかどこぞのスポーツでひどいラフプレーがあったとかでたんびに炎上とかなんとかでボサっと座ってテレビ観てるぐらいしか能のない烏 ....
清く正しく生きようとするやつが気に入らねえ
欲ボケて腹の弛んだ肉玉も気に入らねえ
政治家のケツをブログで突っついてるやつが気に入らねえ
海外ボランティア活動に志願するやつが気に入らねえ
....
おれの素晴らしき我家の隣には狂人が住んでいて、朝から晩までこちらの暮らしに聞き耳を立てている、頭を掻く音、鼻を掻く音、耳を掻く音、歯を磨く音、すべての音に文句を言って、それでまともだと思ってい ....
溶解する脳内の炉のなかで、失われてはならないものがあった、それは長く俺の中にとどまり続けたものだったが、思い出すことさえ出来なかった、脳下垂体の下部に据え付けられたそれは、終始俺の思考にき ....
首を幾度か右に左に旋回させて通電を試みるも、精神はどこか奥深くへ潜り込んでいた、日付変更線を少し過ぎたあたり、床に突き立った一本の小枝だった、これはなにかの目印だろうか、それともどこかから投げ出さ ....
浅いところで手を浸して
つめたいと言って笑った
いまごろにしてはすこし寒い
土曜日の午後のことだった
アイスクリームなんか食べたい気分じゃなかったけれど
きみが頑として譲らなかっ ....
くらい森の中、葉からこぼれたひと滴が百の詩篇になりながら堆積した過去を濡らすとき、僕は口を開くことはない―瞬間の眩しさに射貫かれて心を停止している、汗に濡れ、歩き続けて疲弊した身体を抱えて ....
夜の足元に浸透する無色な表情たちは鋭利な棘を準備している、浮かれた心はだから、すぐに冷めて大人しく蹲る、折り曲げて抱いた両の膝越しに見える足は爪が少し伸び過ぎている、無色な表情たちはそいつ ....
枯れてしまった花々が横たわる道端で
明日来るバスを待っている
夕方まで降り続いた雨のせいで
街は水のにおいがする
ターミナルのベンチはわたし一人
これ以上誰もやって来ることはない ....
汚れた床に落ちた埃は
身元不明の死体に似ている
掃除機をかけて横たわると
失われた影だけが見える
固定電話が久しぶりに目を覚ます
でも答える前にベルは ....
青い血と、黒い血―白い血
すべてが、交ざりあって
赤い血
深い沼のよどみは
美しい湖よりも信じられる
汚れた水面のしたに
隠れたものの数 ....
息もないコールド・スリープの午後
艶かしい女の身体と
ゴキゲンな薬の夢
乾いて
ひび割れた皮膚の上で
上がり始めた熱が止めをさす
きみの手のひらの中、も ....
色褪せ、草臥れた雑草の中から、あの子の可愛い手の平が少しだけ覗いていて事態はようやく動き始めた、おとなたちが騒ぎ、こどもたちが泣き、見つけられた子の両親が呼ばれた、検査の結果残酷な ....
あそこに星が、と
きみのさししめす指があわれで
ぼくはこころで百万粒ほども涙をながす
なにもかもまっしろなこの部屋で
きみはそうしてはるかかなたを眺めているのか
生き ....
古い記憶の欠片が堆積してモスグリーンの湿地帯となり、そこに棲むあらゆる生物たちはどこかしら駄目だ、あるものは上手く見ることが出来ないか、もしくは完全に目が潰れているか、機能 ....
いつかすべての花が閉じるときに
できることならそれは夜明けがいい
未定の連鎖を勝手に感じさせる
できることならそれは夜明けがいい
かすみ草の花束のなかに
....
お前の脳天に沈み込んだ金槌の先端はゲラゲラ
真っ黒な鉄なのに真っ赤になって恥しがってゲラゲラ
色白な可愛い娘だったのにグチャグチャになってゲラゲラ
あれは年表に載せるほどのことも ....
生きる理由を探していたら歳を食った
疑問符にこだわっていたら嘘に取り巻かれた
嵐のような風が吹く12月をあてどなく彷徨い
街の外れにたどり着いたら張り詰めた空だけがあっ ....
荒れ果てた夜を
隠された夜を
打ちのめされた夜を
くずおれた夜を
バラードがレクイエムのように
人気のない街角に流れて
霧に濡れた路上で
二度と開くことのな ....
狂った夜を漂うのは
他ならぬ俺の宿命
致死量を超える血液が
渇いてこびりついたそんな宿命
栄えず、けれど騒がしい
糞みたいな街の声が遠くに聞こえる
眠りたいのに今日 ....
梅昆布茶さんのホロウ・シカエルボクさんおすすめリスト
(71)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
現実だってたぶんまじないみたいなもん
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
20-5-17
吟遊詩人の歌
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
20-5-11
からっぽの世界
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ホロウ・ ...
自由詩
8*
20-3-22
長い自殺みたいな正義に囚われたやつらの顔を見てみなよ?
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
20-3-16
雨の日、うつくしい使者と
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ホロウ・ ...
自由詩
8*
20-3-1
今夜、この砂浜に座って
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ホロウ・ ...
自由詩
6*
20-2-20
ないものがあらゆるものを塗り潰す
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
20-2-18
冷たい七面鳥
-
ホロウ・ ...
自由詩
5*
19-3-25
僕らは揺れているだろう
-
ホロウ・ ...
自由詩
4*
18-9-27
ラストマン・スタンディング(或いは暴いた繭の中の)
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
18-7-23
わかったように言ったところで
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
18-6-4
ヘイト浅漬け
-
ホロウ・ ...
自由詩
5+*
17-6-18
neighbors
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
16-11-15
_爆ぜているものは無数にあり、そのなにひとつとして伝言を残し ...
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
16-8-27
夜を千切り、張り付ける、呆然とした画用紙の上に。
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
16-7-18
ナ・ツ・メ・ロ
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
16-5-18
いまはそこから立ち去っていくだけの
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
16-5-16
夜光虫たちの晩餐
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
16-5-11
夜明け前、記憶の中で明日を
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ホロウ・ ...
自由詩
10*
16-5-2
光線の名残
-
ホロウ・ ...
自由詩
4*
15-12-13
そしてすべてはあるべき色に
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
15-6-4
オーティスをシンパシーで笑い飛ばしながら、それでも。
-
ホロウ・ ...
自由詩
10*
15-5-4
ミーナ
-
ホロウ・ ...
自由詩
2*
15-4-2
流星群
-
ホロウ・ ...
自由詩
7*
15-2-11
堆積物たち
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
14-7-20
赤い血だ、へんなの
-
ホロウ・ ...
自由詩
4*
14-4-26
Blood_Blood_Blood
-
ホロウ・ ...
自由詩
2+*
14-4-2
ストレンジャー・ザン・サイレンス
-
ホロウ・ ...
自由詩
8*
13-12-12
夜明けまでの闇は果てしなく
-
ホロウ・ ...
自由詩
8*
13-9-22
リトル・タウンのデタラメな路上
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ホロウ・ ...
自由詩
4*
13-7-7
1
2
3
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