すべてのおすすめ
君が好き君が大好き初茜
お揃いの冬帽子で行く散歩道
胴長の猫眠る横の初日記
今日の灯を消してあしたの福寿草
塩辛い水を湛えた星の冬
ヒーリング音楽を聴いて去年今年
今日よりも明日はもっと福寿草
雪もよい由なしきっかけあり喧嘩
灯も消えてイブのチャウダー出番なし
魔法なら解かないでくれ冬茜
チャウダーに木の匙そえて二日朝
初雪やダイヤモンドが拾う音
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果てのない選択終えてカプチーノ
冬茜あふれる思いでいたとして
クリスマスの後ろ姿と風一つ
缶チューハイ二本で秋意の顔つくる
式部の実きらいだけれど愛してる
トナカイの隣に座るうちの猫
秋の蝶少女のごとくうずくまる
屋根のない自転車置き場冬支度
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秋晴や洗い晒しのキッチンクロス
アールグレイにレモンを添えて午後を飲む
窓辺から隣の芝と草の花
わが猫と明日も在りたし秋の風
はばたいてどこへ帰るか秋のくれ
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路地裏の色なき風の通り道
コスモスの現れて消え君の町
栗拾いひとつぶ持って帰り道
草の絮あしたの風は明日吹く
冬隣電気ケトルが歌う部屋
虫鳴くや猫の目光るほどの闇
パンを焼く窓辺に今日も小鳥来る
信じてる明日が来ること星月夜
抱きあって傷なめあって冬支度
一人では聴こえなかった虫を聴く
キッチンの九月の透明なる床よ
屋根の上の秋に挨拶 How do you do?
流星よ若かりし日の軽音楽
時の海を漂い続ける木の実たち
雁渡し私の青いマグカップ ....
キッチンの窓白むまで十三夜
流れ星時計の無い国いらない国
虫鳴くや昨日のきみの温もりよ
屋根の無い外で虫鳴く午前四時
秋の朝白むくりやの明り窓
湯を沸かす音まで連れて九月ゆく
マハリシの真名も知らずに秋深し らどみ
屋根の下の終わらないうた星月夜
昨日来た手紙は捨てる十三夜
この星の果てをめざした秋の蝶
時の河の流れに浮かぶ木の実たち
「さよなら」と書いたお札でりんご買う
....
ごめんというがいうだけの曼珠沙華
液体のよう{ルビ月日=げつじつ}無碍ながらも初秋
薔薇の顔は神の刻限にはや棄てた
空をみてそらに対峙できずに
きづいたら何も無く泥だまり。 ....
一粒で雄弁になるマスカット
無花果をもぐことなしに終わるのか
昨日より今日が大切レモン買う
コラージュがわが家のポエジー天の川
わが猫の五キロの体躯秋うらら
ピアノ譜に林檎を載せてセピア色
秋の日に往日をしるピアノ一つ
林檎煮るフォークギターの鳴る部屋 ....
キッチンで林檎を磨く午後十時
父さんの手つきを真似て林檎剥く
ロンドンの枕が統べる林檎かな
白地図に街ではなくて林檎描く
遠音とてエノコログサのそよぎおり
過去猫は覚えているか小鳥来る
一生をシャム猫として木の実落つ
みどりごの瞳の奥のほしづくよ
月さやか時計を捨てて丘で待つ
エプロンは空色でした秋の朝
小鳥来るメトロノームのその隣
港町夕焼け市場のレモン売り
十六 ....
夏深しコーヒー缶の銀光る
哲学書にコーヒーの染み夏の果
コーヒーのカップを探した夏終わる
八月の不思議の果ての白い靴
昨日より少しふんわり星の秋
初嵐キッチンクロスが飛んで行く
古傷や矢尻行火を貫きて
夜寒さの無音の部屋で飲む焼酎
何故だろう独り静かに此処に居る
ゴォとまた街の彼方が唸っている
薄陽射す花野広がる忘却の果て
ひたすらに草を食む牛只在りて
切り分けた林檎が赤く錆びていく
季語は冬午前の雨にやぶれ傘
転んだよ雨の泥濘寒い空
転んでも直ぐ立ち上がる道師走
新年が来ても無口はかわれない
餅喰って喉に詰まらすお年頃 ....
冬の野のポケットにいま入ります
朝酒の代わりにシャンソン秋に酔う
幸せは演じることがその秘訣
極端に厚着と薄着の大学生
影を踏む鬼と知られずする遊び
花供え帽子目深に被る人
暗渠へと ....
鷹女(たかおんな)、胸板を刺し冬を剪(き)り
ピーシーを終わらせ冬陽を昇らせる
春なのに月輪(がちりん)光り降るは銀。
桜酔い、ピーチジュースで酔い醒まし
....
家を出る秋の耳打ち襟を立て
空は澄み夢の骸か月白く
十姉妹通風孔を{ルビ窺=うかが}って
靴の紐ほどけて結ぶ霜の朝
人気ない路を横切る枯れ落葉
見上げ ....
恋割れた悲しい夜に稲光り
名月をよごしてごめんと淡い雲
失恋に馴染まないよう柿を食う
牛乳を飲み干す高い空見上げ
オリオンをよるの真水のようにのむ ....
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