何もない一日 雲を泡立てて貝殻模様のカップを洗う


花の雨 眠るわたしのこめかみにふれているのはくちびるですか


モノクロのアネモネきっとあなたならうすむらさきを選んで写した

 ....
 冬
誰もが道行く姿に目をみはった
くすんだ家並の下町
それは何よりも奇異に映えた

女は山の手の私立病院に通う
病人ではない、看護師で
給料とボーナスを貯めて八年
恋人のひとりも作ら ....
「在宅のみとり講習会」という見出しが眼にはいった時
「のみとり?」と思ってしまった
ペットの蚤でも発生しているんだろうか・・と
普通に思ってしまった
記事をよく読むと
「在宅のみとりに必要な ....
待ちに待った夜が来て
冷たい風が触れ回る
枯葉を転がし踊り出す
{ルビカリアッハ・ベーラ=冬女王}の布告だよぅ
ゥゥゥウウー カラカラカラ…
南の御座には{ルビケリドウェン=冥府魔女}
出 ....
さかなの匂うまちから
黒い袋を抱えて
私は電車の席に座っている
黒い袋をおさえて
乗客の視線が私の膝の上に集まっている
おさえても おさえても 黒い袋が動くのだ
死にたくはないと跳ねるのだ ....
水絵具で描いた 月の光
宵待草の恋は セピアの思い出に
茶色い時代の かざぐるまが回った
夜店の裸電球に くっきりと影を作って


夏が去っていく 風と花を連れて
公園の片隅に ぶら ....
庭に花園を作って楽しむのは
未来を
思うこと
球根は裏切ることなく
毎年花を咲かせるし
宿根草は年毎に株を大きくする
一年草は種を落とし
思わぬところから芽を出している

白いつるバ ....
エルニーニョで死んだ
イグアナの尾
きみは追いかける

ぼくは受け容れることができない

魚は
タンパク質と脂肪を
全世界に提供する

電流の仕事は熱するだけではないばずだ
 ....
盗聴器に子守唄聴かせている 朝顔が凍えている君のいない夏 第一楽章 常磐線快速地獄の満員電車
第二楽章 松戸
第三楽章 そごう
第四楽章 丸井
第五楽章 高島屋
第六楽章 通り魔
第七楽章 柏の葉公園国立がんセンター
 ....
「福来たる」表現しようと服を脱ぎジャスチャーゲーム終了の笛 コルセットはずすと首輪の痕がありホントなんです寝違えたのは 鳥の姿の失せた空には
鳥のかたちの欠落がある

影が消え
言葉は失われても
羽ばたいてゆく記憶が
風車をまわす

失われた鳥の形の
風が舞う


私は
声を出せるだろうか
 ....
  晴れた日も、雨の日も、花束は
  年式の古い、ベージュのビートルの
  黴臭いトランクに入れられていた
  (どこがどうとは言わないが)蝸牛に似た平べったい影が
  後部座席にいつ ....
初潮を迎えた
うら若き乙女が
いきなりのハプニングに
パニックに陥り
とりあえず読んでいた本のページを破って
股間にあてがった
それ以来彼女は
生理になると
図書館に足を運び
あの時 ....
  かなしい歌をつれて、
  春風がきみの頬をさわるとき
  ひとびとのささやきは町を彩り
  光が、もの静かな雨のように靴に落ちる
  白い花の影がひとつ、心のなかに揺れている
  ....
詩をつくるとき、「大きさ」を意識しているだろうか?
私の場合、心の大きさなどは考えることはあるけれど、
ことさら「大きさ」をテーマにしない限り
物の大きさを考えることはあまりない。

さて「 ....
 
デイケア・センター

チカヨレバ
淑女メヲヒラキ
ネムイノヨトイウ
デハアッチヘユキマス
ウナズイテ、マタメヲトズ
若イコロノオ写真ハ
キットオキレイデショウネ
デハ今度オ持 ....
溶けたカラメルが
ゆっくりと べったりと 
頬に 絡みつく

気持ち悪いから
手を払いたいのだけれど
腹が痛いと 繰り返すので
邪険にも 出来ない

ジャンケンで決めよう ....
少女だった
遠い夏の日の
手のなかにあった
きらめく夢を
なにかべつの
ほんとうは
必要じゃないものに
すこしずつ
すりかえて
軽くなった肩に
安堵する後ろめたさを
かくすた ....
約束、という言葉は
なにも運ばない

それを知りながら僕は
風になろうと
している

この手に負える
ちいさな結末だけを
連れて

都合のいい語りを
選ぼうとしている

 ....
息を詰めてTVを見た
息を詰めて
TVを見るなんて
子供の頃のアニメ以来

演技は完璧だった
涙がぽろぽろ零れた
深夜のソファの上に
ティッシュの山ができた

TVの画面から
 ....
私は十三年間
薄暗い工場の中で
機械の一部になって働いてきました
小さな子どもを連れて離婚した
若くもない女には3Kの仕事しかなかった
子どもを保育園に預けて働いた

毎日々
ベルトコ ....
飛火野ゆふりさけみれば真白にそ
春日の山に雪は降りける
摂理という美の魅力によって
自然は不思議という概念を創造した

ある石は固く曲がることはない
ある石は蒟蒻のように柔らかく曲がる

甘い蜜でしたたかに誘う花もあれば
容赦なく殺す毒を持つ ....
  女は戯画のなかのインディアンみたいな出で立ちをして
  紙紐を使って ベッドに男の四肢を括り付けていた
  人工の冷めた光は磨りガラスの窓を白く染め
  取れかけた口紅を不気味に照ら ....
雪祭りで賑わう
地下街をあるいていた

柱の影から目の前に現れた人物が一瞬父かと思った
現実の父より
かなり若いし
実際の父は
病院のベッドで
寝たきりだと
すぐに気づいた

似 ....
まさか手ブラで行くわけにはいかないだろう

(すると小野君はこんな事をする)
 →自分の胸を両手で隠す

小野君!そういうことはやめてくれないかな


45歳の先輩独身OLにかかってき ....
木の枝に積もった雪は
小さな里をいくつも作り出す
それは大きな冬がてんでに飛び散って
目に見える器として現れたもの
私は肺の方から雪の飛沫を求める
近い日に近い日が寄り添って
 ....
和田カマリさんのおすすめリスト(512)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
詩歌集「うずく、まる」より自選十五首- 夏嶋 真 ...短歌14*15-7-4
スプーン- salco自由詩1514-12-4
のみとり- Lucy自由詩23*14-10-27
大人の国- salco自由詩914-10-25
_かぶと- 島中 充自由詩6*14-10-23
ゆく夏に- 藤原絵理 ...自由詩11*14-9-8
花園- Lucy自由詩17*14-4-9
イグアナ- 藤原絵理 ...自由詩6*14-3-24
盗聴器に子守唄聴かせている- 北大路京 ...自由詩1114-3-24
朝顔が凍えている君のいない夏- 北大路京 ...自由詩714-3-9
交響曲第一番「柏」- 花形新次自由詩1+14-3-8
「福来たる」表現しようと服を脱ぎジャスチャーゲーム終了の笛- 北大路京 ...短歌214-3-8
コルセットはずすと首輪の痕がありホントなんです寝違えたのは- 北大路京 ...短歌114-3-8
鳥の影- Lucy自由詩26*14-3-7
年式の古いベージュのビートル- 草野春心自由詩414-3-6
アンネの日- 花形新次自由詩1+14-3-1
春の歌- 草野春心自由詩614-2-27
「大きさ」という視点- 殿上 童おすすめリ ...9*14-2-27
デイケア・センター- 生田 稔自由詩414-2-24
妖艶な虫かご- 藤鈴呼自由詩7*14-2-23
自覚症状- 藤原絵理 ...自由詩514-2-22
最低な翼- 千波 一 ...自由詩314-2-22
往復ビンタ- 藤原絵理 ...自由詩414-2-21
【_私の履歴書_】- 泡沫恋歌自由詩37*14-2-21
大雪の日飛火野に遊び本歌取りにて作る- 藤原絵理 ...短歌1*14-2-17
まろやかな不思議- ichirou自由詩11*14-2-17
女たち- 草野春心自由詩314-2-11
雪祭り- Lucy自由詩19*14-2-6
小野君!そういうことはやめてくれないかな- ichirou自由詩8*14-2-6
- 葉leaf自由詩414-2-5

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