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勝ってどうする
この世のゾンビ
違和感のある前向きさ
未成熟ないのちのちから
勝ってどうする
この世のゾンビ
勝ちがあるから負けがある
黙ったまんまで
....
きみが傷つき力が入らなくなる
無理をしているきみも
息抜きしているきみも
ぼくが抱きしめ支えているから
地球のおもてでこんなに淋しい
うまくいかないときも
うまくは ....
ドビュッシーがながれる
そぼくな悲しみが
山のなかの
森のなかの
鏡のようなところに
妖精になって集まりだす
音楽は時間だ
時間のひとつの愛し方だ
コン ....
月が宇宙一でっかい
まあるい外灯のよう
山の端に沈んでゆく
トントン
トントン
トントン
トントン
しずかな朝日みたい
月が吸われていった
朝が明るさを増した
トントン
トントン ....
ふたりで見た海を通る
消したい記憶を消せるほど
ぼくは澄んではいない
吹き消されない光の源
その物真似をしている
ふたりで見た海を通る
消したい記憶を消せる ....
テレビであじさいの描き方をやってた
ぼくもそれをやってみることにした
灰色のクレヨンで花びらをテキトーに描いた
それからスポンジに染ませた紫で花びらをたたいた
可憐な色合いの絵が目の前に出来上 ....
からからの雑巾でも絞ればでる
これは経費削減の真髄をついた言葉だが
愛というものもそんなものかも知れない
ただ大切なことは
雑巾なら絞り手、愛ならば伝え手
つまり行動する ....
抱けない女を愛する男なんて
不健康なオスか健康な肉親ぐらいなものだ
アニメやアイドルに忘我する不健康な男たちなら
抱けない女であっても愛することにど真剣でいられるであろう
が
....
帰宅して
いのちを祈る
心に座る
道のうえ
月がまんまる
夜に座る
砂漠いろの黄色い天体
幸福が明るく焦げている
ああ孤独って可笑しい
帰 ....
あたしはお母さんを待っていた
喫茶店で待っていた
いっしょにお昼を食べる約束をしていたからだ
この近くには乗馬倶楽部がある
あとで乗ってみようか
お母さんがやって来た
....
あなたは親戚やお母さんといると
やわらかい顔になる
とろんとした夢見がちな笑顔になる
オレの出る幕などなくなるくらい
でもたぶんそれは
オレが親戚やお母さんに溶け込んでい ....
そんなことを思考してまた絵を見つめた
思考は霧散して
けなげなほどの静謐が
開放されていた
ぼくは考えて見つめて考えて生きていた
カボチャの絵を買った
白地のカボチャに
きらきら光る青 ....
こどもたちよ
きみたちが考えている大人だって
実はそうなんだ
失ったことに目をそむけて仕事などしているんだよ
悲しくてさびしくて恥ずかしいお話だけど
こどもたちは地震には関心がないようだっ ....
さみしいとか言ったらいけない
がんばるとか言わなきゃいけない
ひとのせいとかしたらダメだ
なあ、俺よ、この俺よ
ほんとうにそう思っていますか
澄んだ水色の空でした
ピンクとオレンジの色彩 ....
911があったこの世なのだ
営みや純情はこれからも踏みにじられてゆくだろう
311があったこの世なのだ
悲しみや畏怖はこれからも忘れ去られてゆくだろう
いまでも映像を繰り返し見ている
ぼく ....
いっしょに食べたら
食べながらお話しできる
電話だとそれができなくなる
いや
できなくなる訳ではなかった
静かな祈りであることでしか
宇宙に存在できなかったのだ
....
葉緑素のような若々しさが抜け落ち
いのちはその住所に透明になるのだった
いのちはくれないだった
たしかに若さは欲望だ
いのちはきいろだった
傍若無人の欲望だった
いのちはちゃいろだった
....
経済格差の存在が前提ではあるけれど
景気循環という不況は
グローバル経済においては存在しないはずだ
はずなのに
いったい不況はどこから来るのだろう
富める者だけに金が ....
夜を翔け抜けろ
システムに
善きことを入力せよ
そして善きことを出力せよ
システムを強化せよ
僕等よ僕等
めげるな行くぞ
ふたりがまた会えるなら
百 ....
ぴゅん ぴょぴょ ぴゅんぴゅん ぴょぴょ
美観地区の入り口の交差点が
信号がかわるたびにそう囀る
ぴゅん ぴょぴょ ぴゅんぴゅん ぴょぴょ
欠けたまま生きている
欠けてい ....
このツインタワーはひとつを日本の
もうひとつは韓国の建設会社が建てたのだそうだ
世界で三番目に高いのだという
手塚治虫が今のアジアの都市を見たらどう思うだろう
思いは必ず実現する
これはナポ ....
いやなことを幾つも並べて離れるよりも
憧れの気持ちを受け入れて傷ついていたい
人間の幸福なんて百年も残らないのだから
信じてもらえなかった原因を考えるよりも
今日一日どう生きるかを考えていた ....
ねじを巻いて時を逆に進ませた
おはよう女の子
もうすぐ朝日だ
こんな毎日の風景に
マイナス100度が
走ったり
駆けたり
こんな毎日の風景に
マイナスイオン香が
撫でてくれたり
晴 ....
夜風が強く吹いています
あなたの町でも風は強いですか
月が外灯よりも明るいです
あなたの町でも月は明るいですか
木々が夜風に鳴っています
ぼくを風がなぶっています
....
あなたといれたらなにもいらない
なにもいらないからあなたもいない
見えないもの
すぐ結果となって返って来ないもの
だけど
たしかに存在するもの
今生の別れでさえ
そんなからくりのなかにあ ....
今朝
息子を起こすと
たんぽぽの詩を書いている夢を見ていたのだと言う
息子はつめたい目をして宙をにらんでいる
どんな詩だったのかは思い出せないのか
それとも説明するのがめ ....
最愛を通訳する者よ
ぼくは今からここを出る
999が旅立つように
ぼくは傍観者であり冒険家だ
目と手と足で告白する者だ
海底に連なる群れよ
そこに加わり
ゆっくりはぐれよう
最愛を ....
糞まみれの日常を
ホテルの部屋が
罠のふりをして毒を隠してゆく
考えても仕方がない
行動はシンプルに
仕方がないことを考え抜け
至らないことこそ素晴らしい
....
きのうあなたの夢を見たんだ
あなたはぼくに冷たかった
ぼくは遠い心でそれを憎んだ
秋の虫が星のように鳴いている
小さな命に割り込んでゆく術を
きょうも眠りにつくまえ見 ....
星が鳴いている
ちいさないのちが鳴いている
何億光年かけて
星は
秋の虫になるの
ちいさないのちが鳴いている
星が鳴いている
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