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おまえが将来
大人になれば
ときには重い困難を抱えて
たぐる糸もなく
色を失った世界に
途方にくれることもあるだろう
そんなとき
思いがけず差し伸べられる
手のひら
それが、ありがと ....
祈りであるのかもしれない
弱弱しい斜陽を受けた
メタリックグレイの弱弱しい孤島に
眩暈を感じてその場に崩れ落ちる
同時刻に大量に発生した孤独の群れが
道路も線路も下水道も大気をも支配して
宇宙全体の調和を乱そうと ....
吃音的思考
促音が音叉のように
響き渡る
繰り返し繰り返し繰り返し
長音と撥音の区別の無い思考
一音節で何を語る
テンションとリラックスの繰り返しが
微妙にずれ
吃音的身体運動 ....
生活のバグを点検するように
家の隅々まで丁寧に磨いていく
どのようなプログラムで
この暮らしが動いているのか
詳しいことを私は知らない
5枚目の雑巾が真っ黒になったころ
致命的なミスを ....
振り向けば昔 雲のないあの日
風呂場のタイルの絶望が
部屋の柱のさびしさが
寝息にしめる秒針が
角で拾った意味たちが
そこら中で
縮こまる
息をひそめる
死のうとしている
涙のかわりに
泡で濡れてる
ひし形の歪んだ街に産まれて
時々、綿菓子の匂いを嗅いで育った
弱視だった母は
右手の生命線をなぞっている間に
左耳から発車する列車に
乗り遅れてしまった
毎日、どこかで ....
殺人現場みたいな
コンビニエンスストアが
造られては壊されていく
次から次に
雨上がりに湧き立つ虹のように
美しいこの国の
新しいジェノサイド
電波の届く場所が世界の半分で
残 ....
薔薇が青ざめている
猫も人も消えた夜 闇だけが息を止めている
閑古鳥もいない 無音
返信! しづらい!
お前からのメールの前で俺は立ち往生する
返信! しなきゃいけないのに
返信! してお前を助けなきゃいけないのに
俺はメールが打てない お前を助ける有効な対策が打てない
お ....
のびたりちぢんだりする時間のなかで
きれいにした足をそろえて泣いている
破綻した物語を
書き続ける
老人のようなきもちで
いろいろな世界とちがって
あれはゆれない
やわらかいものを
固いもので包んで
自分から傷ついているような
いたいたしさだ
そういうものを
いくらゆらそうとしても
赤々しく
....
「世界、終わるんだってよ」
『終わらないよ』
「終わるんだってよ」
『終わらないよ』
「終わるんだってよ」
『終わらないよ』
「終わるんだってよ」
『終わらないよ』 ....
お願い
天使の梯子は
夜には見えないもの
貴方を愛していたことを
忘れないで欲しいの
悲しみの遥か向こうに
優しさが見えるけど
涙の河を渡る時
岸辺で待っていて欲しい
お ....
僕にだけ見えない非常口
鳩時計といっしょに3時をお知らせする
鳴るように
色付いて
はばたくように
ふれあう
それは
ひどく
不器用な鳥たちが
抱きあい
落下する 夕暮れ
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一つ忘れることは
一つ自由になることかも知れない
我々は過去に囚われ
過去に生きているように思うが
想いは日々新しい記憶に塗り替えられてい ....
あなたへ直線をひけないので
円をかく
今日も円をかく
谷底に
毛布を敷いて
300日まえの
ことばを聞いている
気の遠くなる
甘やかさのなかで
遺書のような
うたを編んだ
とくべつかたい
ピスタチオのからは
男の子に剥いてもらうべき
力みながらも丁寧な
あかく膨張する指さき
そんなふうに
やわらかい衣服もおんなじように
色っぽく剥けばいいって思って ....
{画像=120705001029.jpg}
小さい頃の僕は
捜している物はいつも
手の届くところにあって
幸せだった
それが一段背が伸びた頃から
少しづつ遠くなった で ....
君の笑顔
柔らかな手
涙に濡れた頬を
君のハンカチが拭う
もう会えなくても
いい
震えている声が
君の胸をえぐる
君は僕の友達
君は詩人
想いのたぎりを
言葉に現そう。
....
Korose
Shine
Wameke
Hitogoroshi
血を流して
愛を誓い
沈黙の春
鳥はさえずらない
邪悪の夜明け
今悪魔が蘇る
暴力反対
人権尊重
パン屋の朝は早い。太陽が昇る前には起床。
パンを作る工程は秘密だ。
私がパン作りを人に知られないのには理由がある。
秘密にしないと魔法が上手くかからないのだ。
そう。私は魔法使い。パン ....
まるで、息でもしてなかったかのような気持ち。
しゃべる言葉を呑み込んで。
言いたいことは、いっちゃいけないことで。
ころして、ころして、静かに、笑って。
苦しいなんて感じなくて ....
笑った顔をして
こっちを向いている。
物悲しいようで
寂しいようで
誰にも見えない
少女は立って
消えていった。
霧の中に
公園の水飲みが
流れていた。
時計台の鐘が
鳴 ....
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