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やがて忘却の海辺に打ち寄せられた白い欠片、
朽ちた流木や貝殻の転がる旧い別宅の荒れ果てた庭に
ある日。螺旋に絡みつく二本の蔓の梯子が垂らされていたが
それはあたかも、私には儚い夢の終わりのようだ ....
鈍い響きの衝突音がふたつ街路のむこうで響いて
お前は身をすくめて長いことそのままで居た
銀色の月あかりが割れたボトルを煌かせて
呟きみたいな小さな反射が
壊れた夢とシンクロして跳ね ....
 
 
見たことのない言葉で
あなたと話す
関係のある足音と
関係のない足音の狭間で
 
時々、古い橋の匂いがする
目を凝らすと橋の形はあるのに
渡る人々のため息が聞こえてこない
 ....
僕はケータイで
ニルヴァーナの
「十七歳の娘の匂いにむんむんむらむら」
を聴いていた
そうしながら
いつの間にか
旦過市場の異次元に迷い込んでいた
魚屋で一匹の
真っ赤な
鯛が
「 ....
数字

数字を祝うことはばからしいことだと思っていた

東九条でもよおされたある晩の鍋会のこと
とつぜん友達が少しはにかみながら
今日は数字の日なんですと言った
二十八回めの数字の日なの ....
ああどうしよう
うちの母さんの
消したい過去が父さんのこと

ああどうしよう
うちの父さんの
消したい過去が母さんのこと

恋愛に 生活に 
人生につまずいたって
そう言わないで
 ....
駅で歌をうたってる
人の声を私は知らないよ
そこだけ光っているような
空気のざわめきを
横目でいつも通ってる

今日も確かに
帰ってきたの合図にしてる

ギターと共に
揺れる君の肩 ....
無防備な網膜を焼き尽くすように
太陽が全力で燃え盛るなら
私は夏の夜になろう

草いきれの温もりと一番星の子守歌
小さな背中をくすぐる風で
零れた涙を何度でも拭こう

私の祈りは雲にな ....
 マヨルカ島にふきよせる地中海の青い風をすくいとる
 ピアニストの手のひらは白い
 葉叢を束ねる小鳥のさえずりに頬ずりをして
 月光にきらめく細い爪をみつめていた

 風の家にあ ....
 「泣き腫らした家」

 その家は号泣する
 時間を失った丘陵にたたずみ
 家主の帰りを待ちわびながら

 その家はときどき夢想する
 彼女が門扉を開き
 飛び石伝いにやって来るさ ....
心の病に泣く君の
病とはなにで
どんなことで取り除けるの

震える肩を
前にしてなす術のない
自分が小さくて

生まれる前の
私たちにならきっと
この朝は素敵だろう

それほど ....
溺れかけたのですか
ありもしない愛
などと/暗く
底のないつぶやきを
ぶくぶくと、泡と海藻だけが纏わりついて
よく見れば
そこに近づいてきたのは海蛇で
あなたは必死に藻掻 ....
 
 
生まれた家をさがしに
旅をしていると
雨が降ってきた

私は寂れた商店街の
農業用品店に
傘を買うために立ち寄った

ごめんください
というと
見覚えのある人が
店に ....
古ぼけた
駅の路線図にある
黄 赤 青 緑のライン
一番先っぽのほうは
背伸びをしても
よく見えないが
「とりまる」
と書いてあるように思えたから
「とりまる」「とりまる ....
明日はきっと晴れるよね

そう願わずにはいられなくて
ふと手を休め振り返る

自由気ままに暮らしてきた日々

愚痴っぽくなってみたり
ときには人恋しいくせして無口になってみたり

 ....
額縁だった庭に景色が戻ってくる
寂しい程に整えられた装置は
演歌師が
おっぺけぺーを 
捻る、
舞台であった

もうすぐ演歌師がいつでも住まう
庭になる

説明のいらない
「ああ ....
主人とモールに行きました
EUインポートの店でいろいろ買って
はやりの膝上ブーツと
冬用のスキンケアを一揃え
お腹が空いたのでステーキを食べようと
お店の前にいったら混んでいて
人が並んで ....
廊下に立っていなさいと怒鳴られ
私と隣りの席のこんちゃんは
はっと青ざめ しーんとした教室を出た

社会の授業で地図張をひく練習中
いろんな場所を見ていた私達は
すっかり楽しくなって
あ ....
 
 
ほの暗い飲食店で
たった一人食パンを食べている
六枚切り位の厚さだろうか
食べ終わると給仕が来て
新しい食パンを置いていく
本当はご飯の方が好きなのに
運ばれてくるパンばかりを ....
あなたはわたしに「ななし」と名付けた
それ以来わたしは薄い皮膜を漂っている小さな虫。


光らない星、開かない窓、結ばれない紐、濡れない傘、
ない。ない。ない。ということでしか ....
 生まれたばかり――
 あまりにもまぶしかったので
 まぶしい と
 叫んだはずなのだったが

 揺籃期――
 プロレタリア文学だと称する
 ひなびた小説を口に入れるが
 不味くて ....
祈り捧げる
オリオンの夜に

わたしはあなたの首輪となりましょう

締め付けて
もっときつく

わたしの憂欝は
すでに蛇のようにわたしに絡まり
両手を合わせるのさえ
まるで機 ....
薄い靴下に 冷気が渡ってくる
凍りかけた土に 残る雨水
青につらぬかれた 空が濁る

遠い所で カラスが鳴いた
歩く頭上を 羽音がかすめる

振り返ると 朱色の実が いく粒か
 ....
今日の終わりの夕暮れに
街は開店前の呑み屋のようで
ぽっぽっ ぽっぽっと
灯が灯る

昌平橋から見上げる高架
縄のれんのような柳の木
ぽーっと灯る提灯脇に
昭和の夕暮れ 宵の口

 ....
        埃っぽいよね


             埃っぽいよね


      埃っぽいよね    埃っぽいよね



           埃っぽいよね

     ....
由緒ある家系に生を受けた
武勇に長けた
この上なく正しい勇者
矜持と威光を
両肩に乗せ
自信に満ち溢れた足取りで
歩き続ける


勇者の姿が見えると
人々は理由もなく
た ....
 
 ロボットは扉をあけた。テラスのおもて、石畳の上
を、コツン、コツン、コツンと、規則正しいリズムで
歩いた。それからロボットは、バラの垣根をくぐり抜
け、青い芝生へ足を踏み入れた。コーンネ ....
掲げた手首に引かれた風コンパスと炎の赤道は喉を掻き切り流れ出す椰子の黄色い核が浮き沈みする痕では半人半霊の拝む太陽の焦点も焦げている瞳孔と溶けるチョコレートの肌に押し寄せる波濤そして火傷するほど疾 .... 雨に流された街は、
洗礼を受け
軽妙なステップを踏む猫が
聞き覚えのある昔の歌を
口ずさんでいる
 

秋はもう病んでしまっていたのです
倒れたショウカセンは、
( どんな英語の綴り ....
遠く時空を超えると
幼い君がいた
「おとーたん、どうじょ」
ぷつんと もいだ野紺菊を
ぷるぷるふるえる手で差し出す
薄紫の舌状花をつけた花
稲藁のにおいがする午後の柔らかい日差しの中
君 ....
ナカツカユウリさんの自由詩おすすめリスト(159)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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別れの言葉- たもつ自由詩510-10-28
メシアはどこだ- 真山義一 ...自由詩2210-10-28
数字- パスカル自由詩310-10-27
創造- 朧月自由詩310-10-27
ふんふんふーん- 朧月自由詩310-10-27
眠るひまわり- さつき自由詩5*10-10-26
ショパンの手- 石川敬大自由詩1810-10-26
泣き腫らした家/泣くまでの経緯- 豊島ケイ ...自由詩14*10-10-26
もう泣かないでほしいから- 朧月自由詩210-10-26
君がみる死海- アラガイ ...自由詩4*10-10-26
生まれた家- 小川 葉自由詩210-10-26
「とりまる」- yumekyo自由詩510-10-26
秋の夜長に歌ううた- 恋月 ぴ ...自由詩33*10-10-25
おっぺけぺー- 鵜飼千代 ...自由詩15*10-10-25
暇だったので- 西日 茜自由詩6*10-10-24
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