すべてのおすすめ
今から土手の草刈りに行かねばならない。各世帯担当の区域があって、そこはそれなりに綺麗にしておかないと近所の目が怖いのだった。しかし、ものすごく、行きたくない(笑)。だって真剣な話、あれは恐ろしくハード ....
オニグモは働き者です
毎日夕方に網を張ります
まずはゆるりと何本も糸を流して
どこかに引っかかったら網張り開始
手始めにいちばん外側をくるり張ります
真ん中から放射状に足場を張ります
....
批評だ批評だ批評が必要だとネットで吠え続けて、おそらく数年になる。私自身は、地方同人詩誌での合評会や蘭の会内部でのわずかな批評と、詩集そのものに対するいくつかの批評をのぞき、自分の作品に長文の批評をネ ....
戸口を開けると
死んだ祖父が
母と一緒に居間に座っていた
母を呼びだして
おじいさんって死んだよね?
と耳元に囁くと
母は快活に頷いた
夕暮れだか朝だかわからない
中途半端な靄 ....
玄関を開けると ふっ と
新茶が香る
こんな深夜にも
茶工場はフル操業中で
その明かりだけが夜目に眩しい
工場の前を過ぎる
明かりが背後に遠ざかる
街灯のない土手の草むらで
気の早 ....
この文章は、みつべえさんの詩作「凪の日」ほかいくつかの作品と、「凪の日」に寄せたいとうさんの批評「何故詩なんか書いてしまうんだろう」に触発されて書いたものです。
「凪の日」
http://po ....
だ る ま さ ん が こ ろ ん だ
つ か れ た よ か え り た い
こ ん な く ら し も う い や
だ け ど は た ら か な く ちゃ
く ら せ な い か ね が ....
赤く青く黄いろく黒く戦死せり (渡辺白泉)
なんだかだんだん非ジョーシキでなくなってきた「俳句の非ジョーシキ具体例」、今度は時事ネタである。それも茶化すわけにはいかないたぐいの時事ネタである。 ....
ローソクもつてみんなはなれてゆきむほん (阿部完市)
このひとは現役ばりばり俳人で、ネットで検索するとたくさん句を読むことができるので、探して読んでみてほしい。普通の有季定型俳句も書く人なのだけ ....
今日も仕事(早朝コンビニバイト、毎日ではないだす)前にいっちょオン書き即興詩、と思ったのだけど、今夜はなんにも思いつかないのでオン書き散文にしてみる。
バナナと豆乳とキャラメルの大量摂取&丹田式 ....
さらりさらりらと滑りゆく夜明けに
生まれ変わることなどないだろう
視界半分に偏頭痛性閃輝暗点
この輝きを誰かに伝えることなど
できないだろう
モザイクかかった風景に
ひよどりが一羽やっ ....
前回私の足の話をしたので、今度は私の夫の足について話してみる。
私の夫は肉体労働従事者で、趣味が山歩き渓流釣り山菜採り茸狩り、毎週二回バレーボールとインディアカの練習に出かけ、日曜日にはソフトボ ....
白糸さんの「言葉の持つしっぽ(あるいは亡霊)について」http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=9435&from=menu_d.php?start=0を読ん ....
猫は中空を見つめていることがある。
なにもない空間。
なにもないはずの。
猫の視線がどこか一点に凝固して
黒目が大きくなると
わたしはすこしわくわくする。
猫の視点が
わたしの背 ....
またはドキュメント晩酌時の佐々家。
夜のテレビの紀行番組で、
アンダルシアの風景が写る。
「アンダルシアって、アではじまってアで終わるね」
と夫。
「そうだねえ」
とわたし。
....
またはドキュメント夕食時の佐々家。
夕暮れのテレビ・ニュースで
菜の花畑が写る。
「いちめんのなのはな」
とわたし。
「純銀モザイク?」
と夫。
さて。
いつものように。
バ ....
窓をあける
蠍座がみえる
もうそんな季節なのだ
夜明けまえ小さな田舎の駅にも明かりは点り
どこかからきてどこかにゆく青い電車が
轟音を引きずってゆく
さよならを言うまでもなかった別れ
....
コーヒーには砂糖をいれない、
いま私はめちゃくちゃに機嫌がわるい、
人間なので機嫌が悪い日くらいあって当然なのだけれども、
こんなに機嫌が悪くなるとかえって気分がいい、
コーヒーにはミルクもク ....
夜中に台所で誰かに話しかけたかったら
話しかけたらいい
誰もいなかったなら蛇口にでも話しかけたらいい
君は自由だ本質的に
誰の手にも負えないくらいに
卑猥なことを叫びたかったら
夜空に ....
にんげんのやることじゃないです
と にんげんがいう
にんげんのこういにたいして
人間だけが原水爆をつくる
人間だけがアウシュヴィッツをつくる
人間だけがサリンをまく
人間だけが手を汚さ ....
年寄ると
雌牛の乳房はずるりとながい
地面につきそうなくらい
搾乳器にもかけにくい
隣の牛に踏まれると
乳房が裂ける
裂けると
いつものおじさんがきた
麻酔したのかしないのか
....
牛が生まれる
大騒ぎしているのは人間ばかりで
牛は慣れたもの
これで五度目のお産だ
まだちいさいわたしは
目をみひらいている
子牛は逆子で
おじさんは苦労している
どうやったも ....
腰のものを赤く染めて鳥が鳴く。
うぶめ、と呼ばれる鳥である。
産の穢れに死んだ女は鳥となる。
ほう、と鳴くが聞こえるか。
生まぬとしても女は女と男は言う。
うぶめの悲しみを知らぬは幸福と ....
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