すべてのおすすめ
夜は私に嘘をつかない
たとえば
さみしさはさみしさに
想い出は過去へ
人恋しさに
幾度もさけぶ
誰も
私を救わない
ふりをして
ことばを這わす
今日も
何かになりすま ....
自分よりも
優れた者として
接し
決して怒らない。
人の足を洗い
愛情を持って
接する
自分を低める
時に怒鳴られ
時にバカにされ
時に質問攻めされても
ぐっとこらえる。 ....
こころのある人たちへ
こころのあるおとな
こころのるこども
若者、生きようとするすべてに
何度でも言うよ
悪い大人を信じるな
手慣れたスピーカーも同罪
若 ....
むかし
どうぶつはひとごろしで
ひとはどうぶつごろしだった
サーカスの暮らしは楽じゃないよ
パパもママも知らないんだ
でも僕は悲しくなんてないよ
だっていつかきっと
かわいそ ....
金魚の尾鰭だけが、
泳いで、いるようです。
月灯りの夜に
澄んだ空気
しっとりと濡れた路
凍えるような風が吹く
僕はその風に
わざと身体を向ける
もっと強く吹け 風よ
もっと寒く吹け 風よ
寒ければ寒いほどに
僕の目は ....
どこかでいっていた
これは歩行ではなく、舞踏
おそらくワルツではなくてポーレチケ
農作業の脇にあるビニールハウスの片隅の
犬に養われている小菊
下り坂の途中で干からびてい ....
雨の中
自覚する
ケヤキの落ち葉
鳥の声
風の音
休日の午後
お茶を飲む
一人想ふ
寒椿の花
給料日1日前
一人食を
得る
ハナミズキの
赤い実
時は流れる
....
空をおよぐ季節の弱気なおやすみに
うごけないが腫れ上がり
あれは、びっくばん、というんだ。
という夢をみてしまうとうまれてしまいました
あたしだれもしらないどこなのですか?
まっくらっく ....
子どもと遊ぶのが好きな神様がいたのは
遠野物語
子どもたち
神様と遊びたい放題遊んでいるのに
大人が「そんなことしちゃいかん」っていうと
すってんころりん
神様にばちを当てられるのは大 ....
どうにもならないこと。
どうにもならないこと。
それは、どうにでもなっていいこと。
やさしい向こうに広がる自由のみずうみ。
少年は少女にふくまれてるのに。
少女は水にふくまれてるのに。
....
もう腹を立てたりするのはやめよう
ぼくにはひとを裁く権利などないのだから
あらゆるイマジネーションを使って
ぼく自身に置き換えてしまうのだ
身に覚えがないとしても
身に覚 ....
しみついた薬の色や
ステンドグラスの窓の響き
机を隔てたくらいでは逃れようもないのだ
天意がのびていく
だがどこまでのびていくのだろう
患者(クランケ)の上へか?
それとも裁きの席へか?
....
宇宙の中心に
じぶんを置いてしまうから
厄介がうまれてしまうのだ
宇宙の中心に
じぶんを置かなくたって
どうせ置いてしまっているのが
じぶんというものだ
....
あの日の
林檎の色を
ぬくもりに
たとえるなら
こんなに
淋しい色はない
もうきっと
触れることの
出来ない
優しい時間
そのすべてが
微笑みが
涙に
溶 ....
ひとに赤が特別なのは
分かるような気がする
太陽が白だろうと黄色だろうと朝日と夕日
やがて夜には
闇の中にはっきりと赤かったであろう火
まして死にかかわるとき
そして必ず誕生のとき
....
神経逆巻く 暗い森の中
よどみなく青い海に隔絶された受精卵の中
静かな島が一つ
空は遠く碧く
砂浜の上には一匹の蛙
割れない壁に幾度も撃ち突け
痛んだ拳の鐘音が
森を駆け抜け ゼ ....
ことことこと、と
私の感情の白い部分や、青い部分
それにつられて濁った部分が
紙片に紛れ込んでいく
紙の裏でそれらは何やら話し込んで
私を置いてどこかに消える
いつからか私はここに
....
待っていれば掴める何かを
振り切って
後ろも顧みず
淡い夢から
目覚めたくはないのに
誰かが僕の
夢の糸を切る
僕らはまた
心を壊しながら
いつか見た夢のように
凍えて
....
息苦しい体
ただ空気を吸い込んでは 吐き出す 死ぬまで
煙を吸い込んでは 吐き出す また 変わらない
感覚や閃きは 箱の中で生まれる物なのかも知れない
眠気のせいな ....
剥き出しになった電線に
切り刻まれた夕日から
滲み出すオレンジ色の血潮
一夜にして枝葉を落とされ
無念の拳を空へ突き上げる
街路樹の黒い影
夢見るように
朽ち果てていくことさ ....
使えない奴、否、不愉快な奴
そういう奴こそ使えばいいのだ
世の中きれいごとではない
きれい、から出発して
きたない、こころに足をとられるくらいなら
乱暴な、こころから出発 ....
ふと君と出会ったので
なにを思ったのか
結婚する気になってしまい
程なくして言葉に出してしまい
ふと言葉に出してしまったため
なにを思ったのか
結婚することが現実的に思え
程なくして ....
きみから放たれた愛しい種子は
酸素に混じり肺に吸い込まれ
潤んだ空間にじわじわと溶ける
熱いため息が吐き出されたとき
そのあまりの重さに
飽和状態であったことを知る
きみの ....
筆を持つ腕の無い僕は
口で絵筆をくわえ
カンバスに向かって
朱色を引いた
引いた朱色は次第に濃くなり
カンバスの中央で丸くなった
カンバスの下には申し訳無さそうな
地平線があり
空 ....
うっすらと
冷えた微風にほんのりと
さやかな湿度とキンモクセイ
夜道をスーツは落ちてゆく
まよこを電車が落ちてゆく
ほんのりと
さやかな湿度と焚火のなごり
胸 ....
金魚はきっと世界を弾丸に替える目を持っているでしょう。
静止しているか光速の平行移動で過ぎ去る世界しか、彼にはわからない。
一心に水を蹴るのは、少しでも世界を動かすため。
動く世界を渇望している ....
未熟な叫び声が
空高くとびあがった
水溜まりから見る景色を
覗いて見たら
小学生の兄弟が仲良さそうに
お揃いの長靴を足並みそろえて
スキップしながら川沿いの道をある ....
寄りかかるように抱擁する
くびすじに鼻をうずめる
匂いがする
人なのか、花なのか
どこに生えればいい
ここに生えてほしいとは、言えない
空白が待ち構える
根を張ったら、そこで何もかも ....
星よりはやく西へ東へ
飛行機たちの遠い明滅
夜の坂道に外灯がたつ
いくつかの影をまとい
僕は長い坂道をくだる
僕は夜の無生物になる
さびしい、とつぶやいた
....
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