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ぷっくりした
子持ちししゃもみたいな勾玉をつむいで
六月色のブレスレットを作ってもらった
雨粒のような水晶に
雨に濡れて輝く
クモの巣のような
細い糸
(かかっているのは、ししゃもなんだ ....
胸がふるえる言葉を
あなたは棄てた
その指から
美しい旋律が流れることも
もう ない
夕闇に溶けてゆく
今日この日を
あなたと忘れずにいよう
最後のあなたと
飴色の羽根をつま ....
ワールズエンド
ミニチュアみたいなおうちで
かくばった窓
ふぞろいの靴
あつぬりの白でしあわせの膜をはって
めざめたばかりの女の子は
チェックのスカートに
ちりばめられた星屑 ....
踊りを踊るなら
山のふもとの
見晴らしのいい草原に行きなさい
夢中になり過ぎても
誰に咎められることはないから
歌を歌うなら
そのま ....
都の自由な宴や
地方都市の若さ大人しや
秋の日差し
緩やかな足取り
耳をくすぐるは
雑踏とその奥の歌声
見知らぬ貴方にもらった
乱暴なラブレタ ....
{引用=夜の階段を下りて
一階はとっくに海に沈んでいったので
その、密やかな貝を避けながら
水の中につま先をいれる
どこまでも透明な
水晶を重ねて束ねて作った
深海は 魚を飲み込む
....
(この世界にうまれなかったすべての記号たちに
琥珀色した光りが届いたなら――)
/星が瞬きも忘れて
/死を視ている
世界の空が薄い琥珀のように潤み始めた頃には残された ....
シルクスクリーンのような
霧がうっすらと地表を覆う
田圃の道路走行
奥久慈の紅葉に
男体山?
その後
袋田の温泉街を抜け
歩くこと数分
瀧不動の参詣は五分
人工の遊歩道は
....
こころの数だけこころがある
こいつらはどこに行くのか
生まれては消えて行くのか
消えずに生まれたままなのか
胸さわぎはやまない
こころの数だけ何があるのか
....
きちんとあなたに何言うの
一度は逃げたわたくしが
側に居るのは売春婦
キセルふかせて何言うの
あなたの服のしわ一つ
気になっては仕方ない
一度は逃げたわたくしが
幻惑の花嫁
想 ....
きっと気づいてない
君は 優しいから
そして 分かってもいない
曖昧な境界が どれだけ
僕を不安にさせてるのか
空と海
夜と朝
鏡に映る 紛い物
君は僕を好きだと言う
....
硬質に濁ったゼリー状のものの中で
僕らの天気予報は
軋み
軋んだ音をたて
初雪が観測されたことを
伝えようとしている
子どもたちが歩道橋から次々に
ランドセルを落とす遊び ....
私は抱きしめることが出来る
けれど抱きしめられることは出来ないので
ふわふわの背中に顔を埋めて泣いた
涙を吸った毛並みは重くなって冷たくなって
それが悲しくて私は泣いた
ひつじはだんまり ....
記憶の断片を繋ぎ合わせて
どんな言葉を紡ぐの
頼り無げな唇は
か細い吐息が洩れて
すっと消える流れ星
幾つもの思いを背負って
夜空を流れていく
随分重いだろうに
何も言わず儚げで
....
滅びの歌に怯むとき
ひとつの命を
わたしは
築く
終わるわけにはいかない
消えるわけにはいかない
と、
明日を願って
止まないで
陰鬱な影の主が
華やかな都 ....
薔薇の香りに囲まれたくなった
私は女だと催眠を掛け直したかったが
どうにもこうにも女らしさは欠けるらしい
性別だけで女というだけで
思考回路は男と変わりはないのだろうか
....
まことしやかに伝わる嘘を
信じてただただ突き進んでた
貴方の背中を私は見てた
貴方の涙は見えなかったわ
私は貴方を失って
ぽつねんと一人立ちすくんでた
叫んでは獣に気づかれ ....
私たちの宇宙の中心はお客様である
私たちにとっていちばん大切なのは今いる仲間たちであるが
私たちの宇宙の中心はお客様である
これは尊敬している社長が経営されている会社の根っこにある言 ....
きれいごとをいってはだめ
その場しのぎに嘘をついてはだめ
あなたが迷うその振幅は
増幅されて私に伝わるから
靴を履いてあがってはだめ
靴を脱ぎっぱなしにしてはだめ
体はきれいにしておか ....
ぼくはいま立っている
かなしく縮んだみじかい羽を抱え
忘れてしまったのだ
とうのむかしに
空をゆく彼らは
かつてはぼくの隣にいたはずだが
大自然の
そのてのひらの
甘やかすまま ....
冷たくなってきた風に漂って
きみは何処を向いているのですか
田んぼの脇に咲くススキ
あでやかな花に囲まれて
色づく葉っぱに包まれて
それでも自らの身体を染めることはなく
華 ....
香の濃いコーヒーの匂い
時間など忘れてしまいそうな一時
走るのを止めないのは
駆け抜ける風が心地いいから
旅にでるからもちものはきびだんごで
そういって後にした
数 ....
夜のまんなかで
煌々と
月は月している
そのまわりに散らばった
それぞれの場所で
星たちは星している
宇宙はなにを
ものまねして
いるの ....
真っ赤な嘘で固めた
毒を隠し
殿方に近づき
虚像の世界で理想を演じる
忘れかけていた
甘酸っぱい味に触れ
何人もの殿方が
騙される背景には
諦めや寂しさの
隙間があって
美しい光沢 ....
僕に裁ける空はない
僕に裁ける光はない
僕に裁ける風はない
僕に裁ける悲しみや
僕に裁ける幸福など
そんなものないのだ
空も光も
風も悲しみも幸福も
....
気付かない振りしてるだけで
わたし、とっくに気付いているんだ
夕食後の洗い物とかしている最中
わたしのバッグのなかを探っているのを
縁起良いからと買い求めたガマグチから小銭抜いたでしょ ....
いつか
音は
静けさに
消え入り
香りも
宙に失せ
色は褪せ
光沢はくすみ
そして
形も崩れる
いつか
一杯の酒は
飲み干され
グラスにも
ひびが入り
砕け粉々となり ....
闇の底からあふれ出た泉が
幾千万もの星々になったのなら
夜の奥底からも
わき出でる無数の声が聞こえるだろう
僕らの血と肉で記す物語が
永遠の織りなす円環の一部なら
君の瞳を愛する
....
{引用=off
部屋の明かりを消しても
真っ暗にはならないんだね。
夜たちからは、もうとっくに
ほんとうの夜なんて
消え去ってしまったみたい。
街灯の光がカーテンを透かし
....
木漏れ日から漏れたような
あなたを愛してみたい
ヒヤシンスの花のように
あなたを信じていたい
画家が描く睡蓮は光りに包まれて
沼の底まで生きている
そこは何処にあるの
額に収められたあな ....
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