生まれなかった椅子の名前が
ずっと心の中にある
さやかちゃんとそよこちゃん
椅子を作るひとはいても
椅子を産むひとはいないので
今生、出会ってきた椅子たちの
面影は今も憶えてる
青い ....
火の輪をくぐる
火のついた体で
しなやかに下りる
しなやかに滅びる
ことは許されず
焼かれる
チーターは想像している
子供を守りながら
密猟の足音を聞きながら
内臓が燃える
....
皮肉も倦怠も飽食し尽くしたと思っていたけど
別にそんな事無いんだろうな
案外居心地も悪くないし気分だって悪くない
停滞は趣味じゃないと思ってたけど
楽っちゃ楽だからな
面白くは無いけど
....
嵐が過ぎて
透きとおった夜空に 透きとおった月が浮かんでた
やあ きみ
今夜は凄いね
ああ、ありがとう
今夜は100年前の夜空だね
御社の最先端の遺伝子工学で
貝柱を持つカスタネットを開発したいです
言い終えたあと両手で顔を覆いました
面接でとうとう打ち明けてしまったボクの夢
しかし指の間から見えてきたのは
面接官の方々 ....
月は言う。
私に足を踏み入れた誰かさんじゃないけど、地球は青かったわ。そして、そこに加わる白や緑といった様々な色合い。それはまさに一つの絵画のよう。本当に本当に綺麗よ。
まっ、外見はだけどね。 ....
空をおよぐ季節の弱気なおやすみに
うごけないが腫れ上がり
あれは、びっくばん、というんだ。
という夢をみてしまうとうまれてしまいました
あたしだれもしらないどこなのですか?
まっくらっく ....
子どもと遊ぶのが好きな神様がいたのは
遠野物語
子どもたち
神様と遊びたい放題遊んでいるのに
大人が「そんなことしちゃいかん」っていうと
すってんころりん
神様にばちを当てられるのは大 ....
方向をみうしなった鳥が落ちる屋根の上に
座っていました体育座りで
ころころとまわりながら屋根を落ちていく二つの塊り
ラブレターフロム蒲田
もしもあなたが鶴見にいたら
どんだけ近いのよって
呆れるでしょう
そんでもって
直接来いや!って
怒るでしょう
ラブレターフロム蒲田
むかしはさ、日本にもカミサマがいっぱいいたんだよね。それこそそこら中に。外に出たらいたるところにいたし、テレビをつけてもそこら中にいた。んで、みんなそのカミサマを見て、喚起したり溜息をついたり ....
ふと口からもれた声は
どんな言葉のはじまりでもなく
そのまま枕にどさりと落ちた
わからないのは
今日のことと明日のことだ
そのあいだに佇めない弱さで
布団にたおれこむ
それさえひとり ....
目には目を
目蓋にはものもらい
いつまでも憎しみを握っていられない
自分の握力の無さを嘆くべきなのか
歯には歯を
歯茎には歯肉炎
いつまでも恨みを呼吸していられない
自分 ....
あかねしたたる夕焼けこやけ
一尺五寸の袖ひるがえし
もみじのみちの落ち葉ふむ
振りからこぼれる緋色の襦袢
肩にながるるその髪の
さんごの櫛のその細工
川辺でうつむきあらう血の
い ....
091017
吉備団子あげます
ください
くれ
おくれ
家来になった顔した侍達が
ぞろぞろ
動物の面を着けて歩いてくるから
ぎびだ〜んごっ
といいな ....
駐車場のわきに
見知らぬ実のなる木があって
くるりとくれよんで描いたみたいな
小さなきいろい丸いのが
道にいっぱい落ちていた
わたしはつっかけサンダルの
ぴんくのつま先でそれを ....
いつからか食べるのを止めて
真っ白になって骨だけになるの
そんな日を
夢見てるのに
ああ!
だけど!
いつからか壁の火の色も
真っ黒くなって腹の底 ....
ゆうがた 河川敷でキャッチボールをする
おじさんとの日課だった
しばしば深い草むらにボールを見失う
ボールは地球の卵だからな
すぐに地球のふところに帰りたがるのさ
おじさんの口ぐせだった
....
汚れることができなくて
白いムクドリないたとき
歌と涙がきょうだいで
母はこころと知りました
嗚呼 父はだれ 父はだれ
さあ わかりません わかりません
わからなくてもよいのです
知 ....
最初のT字路を右折して下さい
私は言われた通りT字路を目指した
でも、どこまで行っても
T字路なんかなかった
もう少し先なのかな
まだなのかな
どこまで行っても
この道は終わりなんか ....
きみがうなだれた
その角度に世界は動く
腕を伸ばせばそこに
光が見える
これでいいですか
きみがきみに戻って訊き
もっと高くとか遅くとか
わたしは何様なのだろう
四時間の稽古の ....
電源が回す鉄板が回転する
右から左から右 左
ピストンが ガコンガ コンガ コン
と誤差の範囲で稼動している
積み上げられた工場の部品を
組み上げて工場が工場の部品を
組み上げて工場が ....
宇宙の本とか見ていると
詩だとしか思えない言葉があります
著者氏にはおそらく
これっぽちもそのつもりがなくても
Can you see it ?!
おまえたち見えてるかと
飛び込んでき ....
どうせジンギスカンにするのなら
何故昨日毛を刈った?
そんな悪意が
今の世の中には多すぎる
メエ〜!
300年前の人に会う方法を知っているか?
彼は会うなりそう聞いてきた
風が窓枠を激しく揺らす
囚人が興奮を抑えられないように
(笑う、
300年前のやつらに会う方法だ、知らないのか?(また笑 ....
自転車の後ろの魔女はいう
「もう魔法は使えません」
自転車の後ろの女はいう
「もうわたしにはやわらかさがないの」
自転車の後ろの人間はいう
「もう嘘をつけなくなってしまった」
....
ああ!さもしき男の一人遊び
連弾の中!
平凡な背中に毒を塗れよ
それで飛ぶんだ!
まだ見ぬ演劇に前のめる朴訥青年よ!
魂に重ねる金箔が欲しいんだな!
でも それは
深く段落の底
....
紛いなりにも
一度生えたのなら
拭い去れませんよ
それは拭い去れませんよ
夜には光りますよ
消滅はしませんよ
焼却も出来ません
普通の方法では
そういうものなのです
それはそういう ....
こんな地方都市の半分住居の小さなビルでは
屋上のすぐ下まで人の生活の気配がする
が 屋上へはめったに人が上がらないので
屋上はやけに
世間ばなれしている
何十年も人が上がったことのない屋 ....
閉じたまぶたの裏側
流行のカフェ
野球場
交差点
カーテンを開けて見た窓枠の景色
ピースサインの谷間
病院の待合室
えこなはいつも、私を待ち伏せるかの様にそこにいた
えこなはそ ....
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