頬がストロベリィジャムの女の子が生まれた日にはたしか
僕は君とあたらしい世界について話していた


その日が何曜日かなんてのは僕たちにはどうでも良くて
クリィムを混ぜている水車を見るとそ ....
2000年、夏

小学校最後のこの夏に僕はミイラを作ることを決意した。

その夏は小学1年の時、図書館にあった本で見たロザリア・ロンバルド
というミイラ少女にあこがれて6年目の夏でもあっ ....
   てっぽうゆり



武器の名を持つ 白い精神には
滑走路はありますか

新月の日の始めの朝には
草原を はだしで歩いてごらんなさいな
一足ごとに 露がはじけることでしょう
 ....
 抱きしめた白い少女は、ぼくを抱きしめていた。透けるようなその白さは光を吸い込んでいるように輝いている。

(ゆめをみる、)

 遠くで男が処刑されていた。首と胴が分かれてしまった男は黒い液体 ....
飼っていたのは、音のない荒野
はちがつの、日なたに置かれたたまごのように
だきすくめるたび
わたしのりんかくを剥がすもの


透明な模型のような日々
を、くみたてる


 ....
 めにみえているものが、しんじつとは、かぎらない。
 わたしがおんなのこか、おとこのこか、ほんとうのところは、だれもしらないのかもしれない。
 あのおとこのこだって、ほんとうは、かわいらしいことり ....
クリームで前が見えないけれど
世界には青が降っている
炭酸を抜かないで
誰かの声を聴いた僕は夢中になって世界を振った





勢いよく噴出した青を二人の子供が飲んでいた
子 ....
 海に階段が見えたらのぼりましょうか。 つきとほしの光をふんだんに使った階段はとてもきれいですよ。 えいえんはとおいですが。

「えいえんとは マカロンの色ですか? ワインの年月ですか? シナモン ....
「僕たちは遠くの遠くの空の向こうへ行かなくてはならないのだと生まれる前から約束されていたのだけれど、」


(蠍は現実のなかから降りてきていました。
 機械鳥は最後に僕か君かを選ばなければなら ....
・死んだものばかりが色鮮やかな毛布にくるまっている。あなたは日々、わたしを覆った。すばらしく美しい日々。行い。あなたを被って、丸まって眠りにつくたびにわたしはその死んだものたちに近づいていった。柔いあ .... これから
あのおも苦しくて
食欲のない時に食べなさいといわれても箸がすすまずに
高い熱があるときに自力で病院まで這って歩くときのように
とんでもない大雨で身動きのとれないひとりの空間
エレベ ....
・痩せた回遊魚はいつ死ぬのか
・ぶくぶくに肥えた犬が吼える
・コバルトブルーのコンドーム

・ふっくらと炊きあがった朝に午前八時の朝日で見えるあなたの産毛、瞳のなかの宇宙、小さなブラックホール ....
たった一つ欲しいといいながら すべて腕で囲って
何にも要らないと叫びながら 手のひらに握りしめていた

こんなこと言うと笑われるんだろうか
抱きしめながら壊して笑いながら泣いて吐いた
毎日が ....
 意味不明なことをわめき続けることに疲れた



幼い頃、ぐずっていると「言わんとわからんがい」と言われ
言わなくても分かる関係に憧れたけど
やっぱり黙っていては何も伝わらないことに失望し ....
電車でごじかんかかります
乗り換えはよんかいです

あんまり遠くに
いるもんだから
こっそりたくさん
泣きました

あんまりなんにも
わからないから
何度も途方に暮れました
嘘は ....
僕の眼球が世界を三つの色だけで映すようになったとしたら、君は何色に見えるのかな。
僕はそれを知らない。
神様が罪を産んだときからずっと、世界は色で溢れていたから。
だから僕は目を閉じて、世界 ....
 えー、高いところから失礼致します。
私が今回の衆議院選挙に神奈川60区から立候補致しました、茗荷谷ひろし、茗荷谷ひろしでございます。
いやいやどうも、そこの奥さん、旦那とはどう?うまくいってる? ....
 咲いた菜の花をむしり採って、
 夕暮れに鳴く蜩を踏み潰して、
 熟れた枇杷を投げ捨てて、
 白い地面を蹴飛ばしました。

「毎年、四回やって来る電報は、全て、破り捨てました。」

―― ....



「――光は痛いですね。
 きみは風にのれば影がなくなるのをしっていますか?
 きみの記憶は焦らずに、
 ゆっくり歩いていけば自然と埋まってゆくでしょう。
 きみよりも地面 ....
誰もが出払った午後のリビングにかかる黒い掛け時計の、くるった時間を刻む音が、たまらなく好きです。
何か、いい。何故か、いい。

遠くの方、下の方の公園ではしゃぐ幼い子供たちの声が、やんわり耳に届 ....
 光がきみから離れていった夜のはなしをしよう。


「それは煙が濃くなり壁となった夜、
                彼女が川にやってきたあの日のこと。
         (――あ ....
暦を焦がすようにして
君を忘れていきます

久しぶりに私の想像するところ
君は今でも顔の前で手のひらを上に広げて
風を乗せたり散らしたり
不明瞭な気配を集めたりして
今日を楽しんでいるの ....
私はどうやって来たのでしょう

甘い香りに誘われて
無数の刃に追われて
広く遠い空を目指したか
眠り川面を漂ったのか


振り返ると山はきれいに潰れ、海はきれいに埋まっていました

 ....
此処までがわたしで
彼処からをあなたとすると
あなたは夢をみるだけ夢から離れると云うことになります
行進する群れの中から
あなたひとりだけが選ばれたと云うことなのでしょう
上へと還る ....
薄い雲が空から細かな雨を降らせている
明け方の曇り空の表情はあと二時間ほど経過したとしても
さして変わりはしないだろう

彼は窓を開けて煙草を吸う
二階の部屋であったが小高い丘に家が位置する ....
少年は行くあてもなくふらふらと街を彷徨う。

初夏の陽射しの中、陽炎が揺らぐ。
気づけば辺りに人はなく、見知らぬ坂を登っている。
街のざわめきも、あれほどうるさい蝉の鳴き声も聞こえない。
 ....
わたしにはわたしが見えて、わたしはわたしに会いたかったのに母はわたしに会わせてはくれないどころかわたしには狐がとり憑いたのだと言います
わたしはわたしに会いたいだけなのに、です
わたしが向 ....
夢がまた落ちてゆきました
いつか僕たちはまぼろしの形をした記憶のなかに沈みます


君には誰も読んだことのない本を読んでほしい
うまれる星の話
海に咲いた永遠の話を
世界中の誰も ....
 

 はじまりは、「鱒夫の憂欝」


 ああ!――磯野家へと続く道! おお!――散らばった靴たちよ! 俺が婿にきた時は綺麗に掃除されていた玄関は今はどうだ? 当時の、波平の笑顔さえ遙か遠く ....
起きたら今日が始まっていた。目を開けて瞬きをしたら夕方だった。僕は何をしていたのだろうか。テーブルにあったワッフルを食べた気がする。映画を見たような気がする。夢だったのだろうか。そうなると僕は目を開け ....
ジャイコさんのおすすめリスト(149)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
アナフラニール- e.mei自由詩2909-8-22
ストロベリーサリチルジュブナイル- ひとなつ自由詩2*09-8-22
てっぽうゆり- るるりら携帯写真+ ...8*09-8-20
ゆめのむれ。- 志賀羽音自由詩409-8-20
ペパーミント- ねことら自由詩509-8-18
がんきゅうしんじつひていろん。- 志賀羽音自由詩409-8-16
アレジオン- e.mei自由詩3609-8-15
えいえんをえんえんと。- 志賀羽音自由詩409-8-11
あとがきにかえて- e.mei自由詩24*09-8-10
ついに瀕死- わだち彩 ...自由詩209-8-10
1102- 唐草フウ自由詩5*09-8-9
ふるえる前頭葉- わだち彩 ...自由詩409-8-8
日々- 湖月自由詩309-8-8
積み上げられた石- within自由詩9*09-8-7
距離- はちはち ...自由詩13*09-8-6
水彩絵の具を、水に溶かして- かなた蒼 ...自由詩309-8-4
誰が豚かを決めるのは俺だ(3)_私の選挙演説- 花形新次散文(批評 ...109-8-3
伝わる- 志賀羽音自由詩409-7-31
夏の日の夢- e.mei自由詩2109-7-30
mother_コンプレックス。- かなた蒼 ...自由詩309-7-28
静かな人へ、- e.mei自由詩1509-7-28
手紙- 松本 涼自由詩509-7-27
ここに- 雨宮ゆり自由詩509-7-27
まぼろしの通信- e.mei自由詩3209-7-27
或る朝のまなざし- 熊野とろ ...自由詩2*09-7-27
輪廻- コノハナ自由詩109-7-27
水位の上昇- e.mei自由詩1909-7-26
流星群- e.mei自由詩1409-7-25
顎なし鱒夫と俺物語- e.mei自由詩909-7-24
文月二十三日- 志賀羽音自由詩509-7-23

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