中学校に入ったばかりの時は
今よりももっとずっと真面目だった

ある理科の時間
四人グループのなかでひとりだけ女子だった

不真面目な男子は
わたしのセットした道具をバラバラにして
 ....
花を買う悲しみ

ガーデンハウスにたち寄ると

いつも悲しみにおそわれるのだ

花、

ひとつの記号だ

花を渡す、花を育てる、

花を貰う、花を頼まれる、

花を買う、

ぼくらが花を行為とするとき ....
どうして
いい人は
急ぐように逝ってしまうの?

あたしの中には
まだ 父が住んでいて
いつも 問題が起こると
はなしかけている

ときどき 緊急事態のときは
夢に出てきてくれる
 ....
             紙風船に ふうって 
             たましい吹き込んで
             ぽんっ とあげる

             あなたの心に届くころ
  ....
キューピッドが恋人たちのドアをノックする。

恋に落ちる瞬間は、はっきりと鮮明で、
何もかもシンプルだったはず。


気づくといつも 
純愛なのか
不純なのか
よく分からない恋を ....
季節の変わり目は
不思議と あいまいで、
みあきた建物たちの 
街色は、いつもの 
寡黙のまま

昨日とのくべつのない 
今日を数えながらも、
オリオンをあとにしたら
きみを探し ....
とん
と背中を押された

ためらっていた足が
転ばないよう
身体を支えるように一歩


また一歩



歩き始めた赤ん坊のように

ぎこちなく踏み出した足と心


こ ....
星が散らばっている

日中の空虚な明るさが

夜空の星々に統治されている

瓦礫いがい見当たらなかった

それでも人間たちの立てる煙りが

そこかしこからすうっと上がっている

 ....
私を降ろしたあの汽車は
星の路へと駆け上がる

手には破られた乗車券
夢を追うことに疲れたんだ
信じていた言葉の羅列も
いつしか色を失くしてしまった

思い出すのは、仲間の笑顔 ....
頬を耳をそようつのは

春の匂いのする

つめたく湿っけた風だった

ここの空から

あそこの空まで

なんの喜怒哀楽もないようだった


遠い灰色のビル

蛍光灯があか ....
好きなひとに甘えられるとかわいいと思う

ふつうのひとに甘えられると

どうしたらいいのか分からなくなると思う


秋の空ではなかった

つめたい風に春が匂った

頬を耳をそよう ....
ピンクと灰色とブルーが混じり合って

あたりがもうすみれ色になっていた

春にちかい風が吹いた

LEDほどのつめたさが鼻を撫でた

きょうの天気がなんであったのか

わからなくな ....
朝一番に窓を開けると真っ白に吹雪いていた
時が流れるにつれて徐々に雨へと変化して
暮れる頃にはそれさえもあがっていた


駅の改札を抜けて家路につく
空には呑気に星がちらついていて
コー ....
私のおなかの上で赤鬼みたいな怖い顔をして
額の汗を拭おうともせず
力強さこそが総てと容赦ない恥骨の痛みに涙を流す




さきほどまでの赤鬼が嘘のような寝顔
横になって見つめれば不思 ....
空想を語りつぎ

今はただ虚無でしかない

物語りはかなりの頻度で

涙をながした

ありとあらゆるもの全てに

意味があるけれど

時代がすすみにつれて

その意味がうす ....
{引用=
赤くて甘い熟れた先端よりも白くて硬くてすっぱいお尻を
齧ったときのほうがずっと春に近づけるんだってさ。
朝から晩までへたのまわりに齧りついたのに、今日の天気は雪です。
舌がただれて痛 ....
雪の上に残る
踏みしめた足跡
一つ増えるごとに
私は素直な心を
取り戻していきます

小さかった手が
だんだんと大きくなるにつれ
大きな愛情から
逃げるように
離れた強がりの私は
 ....
もしもし
あけましておめでとう
お元気ですか

留守電を再生して
聴こえてきた声は懐かしかった
携帯電話越しに冬の吐息がただよう
新しい年のはじまりに
あなたの声はふさわしく、 ....
疲れてきたのかな?

女子マラソン観てたあの人がつぶやいた

どれどれとテレビの画面を見やれば
折り返しまで先頭グループにいた選手が何度も後ろを振り返った

背後に見えるのは何なんだろう ....
{引用=銀色の月を砕いた細雪
虚飾の街にも、しんしんと
上野発カシオペアはふるさとゆき
すれちがう旅人のなつかしいアクセント


耳の奥では遠い遠い子守唄
かあさんの声、 ....
お嬢さん、ハンカチ落としませんでしたか

なんか懐かしいよね

それから腕時計しているくせに
いま何時?とちゃっかり左手首隠しつつ尋ねてみれば

そうねだいだいね♪

あの頃のあなた ....
うふふ
みんな、知らないんだろうなあ
朝起きてご飯食べて仕事して
帰ってご飯食べてお風呂に入って
家族と会話して、ネットして、疲れて眠る
それだけのことが、こんなに
こんなに幸せで楽し ....
自分自身を型にはめようとしているのかな
知らず知らずのうちに
「ねばらない」
そんな思いに捉われてしまう

誰かにそそのかされている訳でも
強いられている訳でもないんだけどね

つまる ....
真っ白な ノートの上に 書く文字は 私の記憶の 旅をしている



思い人 お元気ですか 文字に込め 白い便箋 黒く染めゆく



冬空に 浮かぶ白雲 風に乗り 行方を見つめ 夕日が沈 ....
ぼくは高校卒業まで叔父叔母に育てられた
母さんはぼくと妹にいちども会いに来なかった
誕生日にはお金が送られてくると叔母は言っていた

叔母ぼく妹で買い物に出かけると
きまった店でよく服を買っ ....
空のうえは宇宙でしょうか

ぼくには空のしたしかありません

あらゆる哀しみと同苦したいのです

空のうえなどいらないから

あらゆる哀しみと同苦したいのです


天国なんかありません

地獄なんかも ....
握り締めることなんて出来ないってわかってるのに
風に翻弄されて舞い落ちる粉雪をつかまえて
その結晶を手のひらに刻み付けたいと思った


この冬最初に降る雪を見たのは
帰省先である少し北の街 ....
誰にでも越すに越せない川がある

その川を越えようと試みるもよし
はなから越すことなど考えもせずに使い古しの釣竿一本
かの太公望になった気分で日がな一日

立ち枯れの葦原を渡る北風は冷たく ....
お母さんのこと嫌いなの?

携帯電話でのやり取りを気にされたのか
調布駅の改札抜けたところで、由紀さんが心配そうに尋ねてきた

母のことかぁ、どうなんだろうねぇ
好きとか嫌いとかそんな物差 ....
結婚しないわたしへのあてつけなのかなと思った

今更ながらの大ぶりな段ボール箱の底
つややかな赤い実りをいたわるかのようにそれは敷かれていた

一見して母の達筆を思わせる簡潔な手紙には何一つ ....
ルナさんのおすすめリスト(296)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
それだけのこと- ありす自由詩2*10-2-20
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冬のさくら- 月乃助自由詩17*10-2-19
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夜汽車- 三奈自由詩6*10-2-13
春の予感- 吉岡ペペ ...自由詩710-2-12
おんな心- 吉岡ペペ ...自由詩6*10-2-11
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さくら坂のひと- 恋月 ぴ ...自由詩33*10-2-8
天使のハイタッチ悪魔のグーパンチ- こめ自由詩1210-2-8
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足跡- ミツバチ自由詩22*10-2-2
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この冬最初に雪を見たのは新年だった- あ。自由詩15*10-1-1
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知りすぎたひと- 恋月 ぴ ...自由詩15*09-12-22
犬印のひと- 恋月 ぴ ...自由詩18*09-12-15

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