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じっと見つめると
あなたのようにあまく
とけてゆく夏を

シロップのように
かき氷にかけると
ひんやりつめたい


つまりね。

あなたに向かって
ただ今咲いています
そういうメッセージ
あの空と海の境界は
いとしさを含んだ
やさしさが横たわっている

きみがすやすやと眠る
わたしのひざまくらも

きっときみとわたしの
曖昧なやさしい境界になっている

くっつかないということは
い ....
約束の場所を忘れてしまったのだと
忘却をたぐりよせる日々が続いている
わたしも、あなたも、
同じとはいえない、似通った部分を共有しているだけで
帰省本能さえも持ち合わせていなくて
ひとつの寄 ....
わたしのことばが
唯一のものではないと知っている
幾千万の文字列を従えて歴史は動いている
止めどない比喩の群れを追って
捕まえた星のひかり
何億光年も前に息絶えたいのちの尊さを
思い出して ....
朝の陽射しは太陽のあいさつです。

過去にも未来にも生きる場所はないから今を生きていたりする。

好きな場所 雨上がりの空の下、虹の端っこ。

空が暗い でも月が眩い これを夜って呼ぶの ....
いつ果てるかわからない
通学路の行きつく先について考えていた
履きなれない道で靴擦れを起こして泣いた
あの時頬を叩いたのは母だった

空を水色で塗りたくれば正しいと
押しつけられたような気 ....
学生のあの頃
異様な夜のさびしさに駆られて
親しい友人の家に遊びに行った
そんなことは珍しくなくて
ふたり
ベランダで煙草を吸い
きみはギターを弾いて
わたしはその歌を口ず ....
春「許せない春」


桜ふぶきが目に入る
淡く、幼い恋に似ていて
ほろりと涙がでた

花びらをひとつ
つかむと握りしめていた
肩をなでていく、風を感じる

許せるものを
この手 ....
一匹の猫が毛をくわえてなめながら
道路端で毛づくろいをしている
通り過ぎる車の行き先をどこかしれっと見つめているようで
彼の行き先は誰も知らない

道端で死骸となった小動物をいく度も見て ....
薄暗い放課後の理科実験室で
やさしさの裏側を顕微鏡で覗いている
数名の男子が抱く女子への幻想があるかもしれなくて
もしくはどこか悲観的に
いくばくもない生命のおわりが映るような気もして
 ....
# プロローグ

太陽の陽射しとご主人様の肌触り
どちらもあたたかい
ひざの上で寝たふりをする特技は
生まれついたもの
薄目をあけて見わたす庭はいつも
かがやいていて眩しい
さあそろそろ出かける時 ....
台所に立つ祖母に声をかけた
今日の夕食の相談に
太陽が少し傾いて窓からこちらをのぞいている
ぼそぼそと話すと
野菜室からは季節外れのナスが三袋
びっくりして首を傾けると太陽と目が合った

 ....
わたしって
どこまで贅沢なのか
生きてゆく理由も、死んでゆく理由も
どちらも欲しがって
どちらも見失いそうだ

三角屋根の向こう側には、空
その向こう側に潜んでいるようなあたたかい嘘
 ....
もしもし
あけましておめでとう
お元気ですか

留守電を再生して
聴こえてきた声は懐かしかった
携帯電話越しに冬の吐息がただよう
新しい年のはじまりに
あなたの声はふさわしく、 ....
北風が肌をかすめて冷たさを置いていく
そんな季節になりました
お元気ですか

わたしは少し厚手のコートをはおるようになりました
相変わらずのブラウス姿にカーディガンを重ね
冷える手先にはカ ....
家に静けさが降っているとき
五人の家族の顔は
お互いそっぽを向いている気がする
わたしはひとりで居間にいて
天気が悪いからって
掃除機をかけようかどうか迷っている

母は体調が悪 ....
珈琲の苦さを知ってから
あなたの良さがわかった気がする

恋というのと
終わりというのと
美しいというのと
並ぶようで並ばないんだ

時折り衝動的に泣きたくなる
お気に入りの ....
天気の良い
朝方だったかしら
母が
庭の小さな一角に
ありがとうの種を
植えたのを見た

それから
気になってはこっそり
母を
見ていた
芽が出て
茎が伸びて
母の背丈を ....
今さら
夏に
呼びかけたって
返事なんてしない
ねえ
そうなのかなって
太陽と相談をする、正午

三時になったら
ティータイム
のーんびりとお茶をしようよ
そう
相談する
 ....
どこまでも行くよ
そう言う必要のない
今はとても
穏やかに空の下で寝転んでいる

農家は汗水たらして
作物を実らす
我が家
みたいだな

家族の汗の染みこんだ洗濯物
放り込ん ....
駅の東口を出る、二、三歩の、携帯のメロディ
ごめん、やっぱり会議で遅くなる。
待ちぼうけに、溜息が渇いた
不似合いな街の、バックグラウンド、どこか鮮やか

歩きついた香水店の、誘惑の一滴
 ....
水面下で寝息をたてるわたしに
おはようのあいさつは
いつもキスだった

大切はいつも
抱えていたつもりで
放り投げていたかもしれない

川のあたりできれいな石を探すようには
見つから ....
 いくつもの、
 接がれない
 夕刻のだいだい色を
 ポケットにしまおうとして
 持ちかえれない
 そんな夜は暗闇に目を凝らした

この病棟の窓から見える夜景は
いつもと変わらない
 ....
ルナさんのかんなさんおすすめリスト(23)
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こどものころ- かんな自由詩6*10-6-16
紅茶が冷めるまで- かんな自由詩8+*10-6-10
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