いいわけ
かんな

水面下で寝息をたてるわたしに
おはようのあいさつは
いつもキスだった

大切はいつも
抱えていたつもりで
放り投げていたかもしれない

川のあたりできれいな石を探すようには
見つからないかもしれない
三段とびして向こう側へ、誰かの、

あなたの、手に渡ったかもしれない
そう、かもしれない、が多すぎて、浮遊して
わたしを覆い尽くしてしまうから

すこし、呼吸が下手になる
あなたにキスもできなくなる
ほら、かもしれない、が泣いてしまう

どこかうす汚れて
どこか潔癖でいて
どこまでも矛盾している
きもちは流動し、きっと名のない海に行き着く

晴れている
空がいつまでも
にくたらしいくらいの広さで
わたしを抱きしめるから、何も言えない

明日もし、雨が降ったなら
どこかで誰かに
ホントウのきもちの話をしよう



自由詩 いいわけ Copyright かんな 2009-08-23 20:42:49
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